怪しい女性。

ガラフ [2014/01/01 18:53]
「む、有難く頂戴しておきますぞ。
 マーク氏が戻ってきたら焼いて一緒に頂くとしよう」

気前よく、ヴェンは釣った魚を半分分けてくれた。

「チッ 素人じゃ、こんなもんか...」

気の早い事に、ヴェンは早速焼いて食べている。
しかし彼は料理に関しては食べる方専門だったようだ。
消し炭になりかけて嘆息している。

「まあ、ワシ達は料理人でもあるまいし仕方の無い事よ。
 ご馳走は女性に作って貰うか店で金を払って食べるもんじゃ」

自分も料理の腕はたかが知れている。
だからジョージの店に入り浸っているのだ。

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近寄ってきた人物は、小柄な人間の女性だった。
東方語に訛りがあるのが気になる。この近辺出身とは思えない。

「旅のひとかい? ごめんくださいな。
 あたいは近くの村の人間でさあ。みんな、ここにはいつからきてんだあ?」

「たまたまの通りすがりだよ。今はオランの方へ向かうところでねぇ。」

「ああ、旅のもんだ。
 ここいらには今さっきだ。」

マークとヴェンはぼかした返事で更なる反応を待つ。

「休息がてら食料調達や遊びに興じていた所ですじゃ」

自分も、差し支えの無い言葉を選んでおく。

「あたい、昔、家が火事になったことあってさ・・・
 顔にひどい傷があって、隠しているんだよ。
 もともと器量も良いほうじゃないから、許しておくれね」

よくよく観察してみれば、不自然な位に着込んでいる衣類の隙間から、
ほんの僅かに見える顔には火傷と切り傷が認められる。
女性が顔に傷を負っているのを隠したくなる心情は分かる。

「そうでしたか。人にはそれぞれ事情や経緯があるもの。
 お気になさらず願います。此方こそ不躾で申し訳ありませんでした」

だが、怪しい。
彼女が顔を隠すのは、本当に只の傷のせいだけなのだろうか?
内心訝しむが、表には出さないよう努める。

「村と言うのはえーっと、あっちの方?」

マークが村の方角を尋ねる。

「ねえ、ここらへんで指輪が落ちていなかったかい?
 あたいの指輪なんだ・・・。おばあちゃんの形見。
 パールが3つ飾ってある銀の指輪さ。
 数日前にここらへんで失くしちゃって、今日も探しにきたんだあ。 
 だいじなだいじな指輪でさあ・・・。
 あたいはここいら探してるから、もし見つけたら声をかけて欲しいんだあ。
 ・・・。
 本当は一緒に探してもらいてえんだけど、
 他人事につきあわすのは、まったく申し訳ねえ」

女性は唐突に、自分が湖畔まで足を向けた理由を説明し始めた。

「はぁ。まぁ、その程度なら。」

マークは生返事に近い様子だが、無論彼の事だ。
頭の中では今でも思索が物凄い速度で駆け巡っているに違いない。

「ご婦人がお困りなら、手助けするのが紳士の嗜み。
 我が神も、隣人に手を差し伸べるよう仰っております。
 ワシ達に出来る事は限られておりますが、それでもよければ協力致しましょう」

そう言ってラーダの聖印を掲げ、女性に見せる。
一般人には信頼を得られよう。それ以外の者には、警告となる筈だ。

「しっかし指輪落とすなんて不注意だねぇ。ちゃーんと指に嵌めとかなきゃ。
 何やってる時に落としたんだい?」

「それと。あんまり通りすがりの人にその手の頼み事は
 しない方がいいと思うなぁ。
 ちょっと悪い奴だったらネコババしてやろうって思いかねないよ。
 あれか。俺らから溢れる善人オーラでも感じちゃったかい?」

マークは当然とも言える問いを、諧謔に包みながら発する。

「ブッ! ブハハ!!」

「は、腹が捩れて苦しいぃ... お、お俺を笑い殺す気か?」

「はぁ、はぁ、はぁ ガラフ旦那は兎も角、俺は善人じゃねぇーぜ。」

其処にヴェンが茶々を入れる。
これも、女性に対する警戒を多分に含んでいるのが分かる。

「ヴェン氏よ、ワシは善人では無い。善人であろうと努めているだけじゃ。
 それに善人とは、行為に伴いついてくる評価の結果に過ぎん...」

取り敢えずヴェンに苦笑を混じえながら返事をしておく。

「...とは言え、2人の言い分は尤も。危急の事態はお察ししますが、
 こんな村外れまでご婦人が1人で来るのは余り感心はしませんな。
 冬には飢え故に山賊に身をやつす輩も多いと聞きます」

これは本当に心配だ。
ドワーフであっても、女性の1人歩きはさせないものだからだ。

「それにワシ個人としては、
 一緒に探す事についてはやぶさかではありませんぞ。
 ...なあにお礼は今晩の暖かい食事と一晩の宿で如何でしょうか」

女性に向けて微笑みかける。
一晩泊まれれば儲けもの、どんなに安価でも「依頼」にした方が、
彼女も物を頼み易いというものだ。

「で、この数日でどの辺まで探した?
 まー一応、軽ーく見てみるから。」

マークは早速湖の探索に動き出した。

「この辺まで?じゃ、俺はあっちら辺を見るかぁ。」

彼は優秀な野伏だ。古代語魔法も使える。うってつけだろう。
一方、ヴェンはと言えば、

「おい! ババア」

「ここで魚でも喰らって、もう少し話を聞かせろや。」

「こっちも魚が上手く焼けなくて困ってたところだ。
 料理はできるだろ。」

乱暴な口調で女性を招き、焚き火を囲みながら話をしようとしている。
全く不器用な人物である。

「不躾で申し訳ない、ご婦人。
 実はさっき釣った魚を焼くのに見事に失敗しましての...
 代わりに焼いて頂く事は出来ませぬか?」

ヴェンから貰った魚を差し出す。全部で4匹、丁度1人1匹だ。

「余程の事情がお有りと察します。
 せっかく袖振り合ったのも何かの縁。
 我が星王も、人との出会いを大切にせよ、と説かれております故。
 差し支え無ければ、詳しい話を聞かせて頂けますかな?」

改めて、焚き火の周りの一角に彼女の場所を作る。

「申し遅れましたな。ワシはご覧の通りの鉱山妖精ガラフ。
 ラーダの神官戦士にして吟遊詩人の端くれですじゃ。
 最近は【退魔師】の2つ名でも通っております。
 貴女のことは、何とお呼びすれば宜しいですかな?」

座るよう促しながら自己紹介をする。
緊張が解け、情報が得られるならよし。そうでなければ...

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【ステータス】

HP22/22 MP23/24 インスピ:未使用 体調:健康 
支援魔法:無し

【装備品】

武器1=銀製最高品質モール【精霊鎚】(必要筋力26-5):
    攻撃力 7 打撃力36 Cr値12 追加D 7
武器2=最高品質ロングボウ【ラク・ダーレィ】(必要筋力26-5):
    攻撃力 6 打撃力31 Cr値10 追加D 7
武器3=ダガー(必要筋力5):
    攻撃力 6 打撃力 5 Cr値10 追加D 7

盾=なし      :回避力 5
盾=スモールシールド:回避力 6

鎧=最高品質ラメラー・アーマー【ガレスの鎧】(必要筋力22-5):
  防御力27 D減少 4

その他=ジュリアンのリュート、対アンデッドの護符

【消耗品管理】

矢18 銀の矢24 
羊皮紙17  ロープ30m くさび30 

【購入・獲得物管理】

無し

【消費アイテム管理】

無し

【収支管理】

護衛報酬:+500ガメル

【PLより】

新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
投稿最後になりなりすみません...年末年始なのに皆さん早い!

ぶっちゃけ、件の女性はメデューサではないかとPLは疑っております。
第2候補はバンパイアですけど、まさか、ねえ(苦笑)

またしても長くなってしまった...どうしてこうなった(涙)
行動宣言としては、2人の補足をしながら、
やんわりと女性にアプローチをしていきます。アメ担当(笑)
ヴェンと焚き火囲んでお話タイムに突入します。

・指輪の<知識>は達成値9でした。
・<危険感知>は11でした。間違って基準値6にしちゃいましたが、
 正確には4です。
・予備ダイスは11、8、4でした。1と2を採用して欲しい(笑)

【ダイスチャットからの添付】

18:48:53 テッピン@ガラフ <知識>指輪 2d6+6 Dice:2D6[1,2]+6=9
18:49:05 テッピン@ガラフ <危険感知> 2d6+6 Dice:2D6[1,6]+6=13
18:49:21 テッピン@ガラフ 予備その1 2d6 Dice:2D6[5,6]=11
18:49:31 テッピン@ガラフ 予備その2 2d6 Dice:2D6[6,2]=8
18:49:40 テッピン@ガラフ 予備その3 2d6 Dice:2D6[3,1]=4
18:50:00 テッピン@ガラフ 順番変えても、イイデスカ...