問い正す。

ガラフ [2014/01/03 22:35]
「・・・」

マークの表情が微かに険しくなった。
その理由はよく分かる。女性の話がちぐはぐだからだ。

至近の村でさえ半日かかるのに毎日来ている...
つまり、彼女は嘘をついている。
もしくは、本当にこの至近に住んでいるか、だ。
この場合の「村」と言うのは...

「あの木、あの木の根本に鳥が落ちていたんだあ。
 見てみると・・・死んでたん。
 あたい、拾って――――べ、別の場所に埋めてやったのさあ」

一度疑えばきりが無い。

「今日と同じ手袋をしていたんだけどさあ、鳥を拾う時に手袋を外したんだあ。
 そんで、さあ手袋をしなおそうってとき指輪がないことに気がついたん」

「なるほど。」

マークは納得したような事を言っているが、それも見かけの事だろう。
鳥の亡骸を拾う為に手袋をわざわざ外すのは不自然に過ぎる。
血で汚れるから外したのだろう、おそらく。

「どの辺に埋めたか覚えてる?
 それと一緒に指輪を埋めちゃったって事も考えれるから。」

「教えて頂ければ、再度ワシ達で探せようと言うもの。
 見つかる可能性は高まりますな」

不信感を悟られないように相槌を打っておく。
有意な返答が返ってくるとは、勿論思っていない。

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一方、自分の発した注意喚起には、

「ああ、このあたりは  ・・・いやあ、なんでもないさあ。ありがとうね」

これは怪しい。

「はて、この辺りは、とは一体何ですかな?」

これに関してはしれっと尋ね返してみる。
無論、これは牽制でありまともな回答は期待していない。

「なんてこったい!あぁありがたいよお。はなからそのつもりだったさあ・・・!
 今のあたいの家は広いから、何人でも泊められるんだよ」

「広い家...それは助かりますな。暖が十分に取れれば尚有難い」

一晩の宿と飯については快い返事をくれた。
それにしても、広い家とは。
...この湖畔一帯が私の家、とでも言うのだろうか。

「で、この数日でどの辺まで探した?
 まー一応、軽ーく見てみるから。」

「・・・あ、あの木の根元と、その周辺だあ。道の上からそこまでも、何回も。
 でもずっと見つからなくてさあ。
 あたい、今日はもっと広く見てみようって思ってるんだあ。
 夜の間に風でコロコロ転がって、どこかの影に引っかかってるかもしれないでさあ」

「風、ね。この立地だと山からの吹き降ろしがこう来るから・・・」

マークは一応誠実に捜索を実行するつもりだ。
その一方で、外套に隠した使い魔を監視に回している。
流石、抜け目無い。

「おやあ。馳走になっていいってかい? 採れたて、うまそうだなあ」

ヴェンの乱暴な誘いに、いささか間抜けた反応を見せる。

「料理・・・かい。
 昔、火事にあってから火というのが苦手になってしまってねえ。
 自分で作るのはもっぱらスープだけだあ。それでもめったにないよ。
 
 ありゃあ、これは真っ黒焦げだなあ。あっははっ。
 あたいもきっとうまくできん、すまんなあ」

「・・・」

マークが沈黙した。
それはそうだろう。

火が苦手で焼く事は出来ないのにスープは作れると言う。
では、スープを暖めるのに必要な火は、一体誰がつけたのか?
それに、魚を見て「採れ立て、うまそう」と彼女は言ったでは無いか。
...やはり、鳥も生で食べたのではないのか?

「まぁ、指輪がサクッと見つかれば後で俺が焼いてみよう。
 俺も上手いってわけじゃないけどね。」

マークはその場を上手くまとめる。

「...(コイツは人間じゃねぇ)あぁ」

ヴェンも、殺気を噛み殺しながら頷く。
疑惑は、いや増すばかりだった。

***********************************

詳しい話は、やはり殆ど聞けなかった。
分かった事はと言えば、女性の名前位か。

「あたいは、トーコ。
 あんた、ガラフ。退魔師かあ・・・
 うん、そりゃ立派だ! 今までに何を退治したことあるんだい?」

トーコは瞳を輝かせ、喰いついてきた。

「南瓜頭に首無し騎士、最近では巨大蟻の一家を退治しましたな。
 他にもたくさんありますぞ。腐肉巨人に鏡像魔神...
 そうそう。変わった所では、メデューサなんかも居りましたなあ」

最後の部分はわざとらしく、大きな声で言ってみる。

女性の身なりから、自分の中で1つの仮説を立てている。
ルーイン子爵の迷宮で遭遇した魔獣、【蛇髪女】。
この、不自然までに顔を隠した容貌に、彼の魔獣を想起せずには居られない。

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そんな微妙なやり取りをしてから一刻程後。
探しても指輪は見つからなかった。
だが、トーコが何かを発見したようだ。

「む?何かありましたか」

此方は指輪を探している内に空腹となり、
ついついプレッツェルを食べたくなっていた所だ。
事態の進展は何にしても喜ばしい事だ。
 
「もし! ここ! 見ておくれよー!」

見れば湖の土手、木々の隙間にぽっかりと穴が空いているではないか。

「穴があるーん! 人の足跡も、あるーん!!」

ざっと眺めると、複数の人物の出入りがあったように見える。
穴の向きと勾配からして、湖底に向かっているようだ。
穴の底は青い。自分なら奥へ進めばはっきりと分かる事だろう。

「あたいの指輪、絶対この中だあ。
 だってこんなに探してもないんだよ!
 誰かいるんだ!
 とっちめておくれよ!」

トーコは興奮して、直ぐにでも穴の中へ進んで行こうとする有様だ。
この反応の不自然さ、やはり怪しい。

「まず、ちょいと調べて見るよ。
 場合によっては不用意に近づくのも危ない。」

「じゃな、同意じゃ」

マークと一緒に穴の周辺を調べてみる。

「ガラフ。この穴、人工のものだと思うか?」

「それについても調べてみよう...」

穴が人工的に掘られたものか、自然発生的なものか。
それにより、此方の対応も異なってくる。

「ヒトが通る用にしては狭いんだよなぁ。
 かと言ってこんなのがそう自然発生するもんなのか。」

「自然発生する場合、この手の穴の主たる要因は動物じゃな。
 先日退治した巨大蟻なんかはその典型じゃ。
 他にも心当たりがあるとすれば...」

自分の知識内から、該当する生物を探してみる。

「・・・?・・・何だか。妙に穴の中が明るいな。
 あの青いのは雪か?それにしては青みが・・・」

「青いから水とは限らぬぞ。何か魔法的なものかも知れん」

こんな事を言い出すのだから、我ながら冒険者とは救えないものだ。
結局は自分も、この穴には何かあると期待しているのだ。

「この穴、湖の方に伸びてるけど、まさか途中で繋がってる?」

「いや、それならもっと高いとこに水面が来てないとおかしいかね。」

「それは現段階では何とも言えんな...」

そしてそれはマークも同様のようだ...

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「リスクを考えるなら。今日は一度、ミードに引き返して。
 冒険者の宿でその道に覚えのある奴を一人誘ってまた来るって手があるな。」

「まあそれが妥当じゃろうな。是非とも盗賊は欲しい」

マークの意見は尤もだ。

「うーん・・・でもそれならここが遺跡かどうかくらいは確認しとくべきかねぇ。」

「その場合は俺が行くけど。」

「1人で行くのは尚更危険じゃろう。ワシは夜目が利く。
 同行した方が安全は増すのでは無いか?」

と、あれこれ相談を重ねていると、ヴェンが行動を開始した。

「マーク、ガラフ旦那。間違っていたら止めてくれ。」

ヴェンは漆黒の鉾槍を、トーコに向ける。
 
「おめぇーはなんだ?
 返答次第じゃ殺すぜ」

何の飾りも無い、抜き身の刃のような言葉。実に直接的だ。

「ヴェン氏よ、落ち着くがよい。ご婦人を徒に怖がらせるのはよくない」

ヴェンに鉾を収めるよう促す。
そう、仮に魔物の類であっても女性は女性だ。

「トーコ嬢よ。
 この穴に入る事、我々としてはやぶさかでは無いが、
 その前に、幾つか此方の質問に、誠意を持って答えては頂けますまいか」

トーコの方を向き、視線は顔を見ないようにする。

「先ず、貴女は最初に、指輪を何処にやったか曖昧な話をされていた。
 じゃが、この穴を見つけた途端、「指輪は絶対この中にある!」と、
 あまつさえ、「とっちめておくれよ」とまで言い切った。
 まるで、この中に指輪があるのが、何者かが持っているのが
 分かっているような口ぶりじゃ。異様な興奮ぶりも気にかかる」

思い込みにしては計算の匂いがする。
まるで此方を誘導しているような、そんなきな臭さがするのだ。

「それと、ワシ達の知識が正しければ、至近の村まで歩いて半日じゃ。
 人間の、一般的な女性が毎日通える距離では無い」

ゆっくりと、距離を保ちながら話を続ける。

「トーコ嬢よ、貴女、人間ではありませんな」

断言する。

「誤解しないで頂きたいのだが、
 ワシ達は貴女を問答無用に害しようとは思ってはおりませぬ。
 我が神は理由無き暴力を厳しく戒められている故に」

両手を開き、友好的な姿勢を見せる。

「一番嫌なのは、訳も分からない内に利用され、使い捨てられる事じゃ。
 この気持ち、分かって頂けますかな?」

言葉に、少しずつ力を込めていく。 

「先刻、「可能な範囲なら助ける」と言った事は本心。
 ですが現状、貴女の望む通りに行動するは2つのものが足りないのです...」

マークとヴェンに視線を配ってから、続ける。

「1つめは貴女への信頼です。
 出会って間もないワシ達に危険を甘受させたいのならば、
 素性や事情、包み隠さずに話して頂きたい」

「2つめは報酬です。
 遺跡に繋がっているかも知れない穴の中に入り、
 何者かを「とっちめる」とまでなると、
 それは最早只の人助けからは明らかに逸脱します...
 我々の力を借りたいのならば、正当な報酬を以てこそ」

「...如何でしょう。ワシの言っている事に、
 筋が通っていない所はありましょうや?」

願わくば、誠実な回答を望む所ではある。

「この2点について納得する言葉を頂ければ、不肖このガラフ、
 トーコ嬢の目的の為に粉骨砕身させて頂きましょう」

決裂した場合...その時はその時だ。

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【ステータス】

HP22/22 MP23/24 インスピ:未使用 体調:健康 
支援魔法:無し

【装備品】

武器1=銀製最高品質モール【精霊鎚】(必要筋力26-5):
    攻撃力 7 打撃力36 Cr値12 追加D 7
武器2=最高品質ロングボウ【ラク・ダーレィ】(必要筋力26-5):
    攻撃力 6 打撃力31 Cr値10 追加D 7
武器3=ダガー(必要筋力5):
    攻撃力 6 打撃力 5 Cr値10 追加D 7

盾=なし      :回避力 5
盾=スモールシールド:回避力 6

鎧=最高品質ラメラー・アーマー【ガレスの鎧】(必要筋力22-5):
  防御力27 D減少 4

その他=ジュリアンのリュート、対アンデッドの護符

【消耗品管理】

矢18 銀の矢24 
羊皮紙17  ロープ30m くさび30 

【購入・獲得物管理】

無し

【消費アイテム管理】

無し

【収支管理】

護衛報酬:+500ガメル

【PLより】

どんどん長くなっていくのはどうにか出来ないのでしょうか(自爆)
行動宣言としては、

・マークと一緒に穴の周辺を<捜索><足跡追跡>します。達成値は共に11でした。
・穴の構造について調べます(<知識>?)。達成値は16でした。
・可能なら穴を掘る魔物に心当たりが無いか<怪物知識>します。達成値は16でした。
・本文の通り、トーコに問い詰めます。ガラフの視点としては、
 「きちんと事情を話してくれなきゃ協力はしないよ」
 って事を示したいな、と。
・念の為、<危険感知>振っておきました。達成値は12です。
・予備ダイスは6ゾロ、3、6ゾロでした。1だけ採用して(笑)

【ダイスチャットからの添付】

14:14:14 テッピン@ガラフ <捜索> 2d6+4 Dice:2D6[6,1]+4=11
14:14:25 テッピン@ガラフ <足跡追跡> 2d6+4 Dice:2D6[4,3]+4=11
14:14:43 テッピン@ガラフ <怪物知識>穴を掘る怪物 2d6+6 Dice:2D6[5,5]+6=16
14:14:58 テッピン@ガラフ <知識>穴の構造 2d6+6 Dice:2D6[6,4]+6=16
14:15:22 テッピン@ガラフ <危険感知> 2d6+4 Dice:2D6[5,3]+4=12
14:15:32 テッピン@ガラフ 予備その1 2d6 Dice:2D6[6,6]=12
14:15:42 テッピン@ガラフ 予備その2 2d6 Dice:2D6[1,2]=3
14:15:48 テッピン@ガラフ 予備その3 2d6 Dice:2D6[6,6]=12
14:16:01 テッピン@ガラフ うわあ、極端...