迫る。

ガラフ [2014/01/11 11:51]
「チッ! 立派だったのは口上だけか。」

ヴェンが吐き捨てる。

「メデューサなど、石化の魔力さえ凌げればどうと言う事は無い相手じゃ...
 蛇も所詮小型、甲冑はそうそう貫けない。
 身体面の強化も施されてはおらん、からの」

マークと自分が得物で殴っただけで、簡単にトーコは落ちた。

「ん・・・死んでないな。」

マークはトーコの生死を確認する。
鈍器で手加減をしたのだから、即死はしていない筈だ。

「ダメ元で情報を搾り取れないか試したいんだけどいいか?」

「構わんよ、ワシもそのつもりじゃった」

マークの提案には同意だ。

「リスクがないわけじゃないけど、この先を考えるとねぇ。
 こいつって主に廃墟や地下迷宮とかに住み着くんだろ?」

「だとしたら、その穴の先もそうである可能性が高いってわけだ。
 廃墟だろうと地下迷宮だろうと遺跡である事はまず間違いない。」

「そして遺跡なら罠が付き物だ。その手の専門家がいない俺達だけじゃ
 手酷いしっぺ返しを食らう危険が高いだろうね。」

「じゃな。この魔物、先刻『今のあたいの家は広い』と言っておった」

つまりこの穴の先に、トーコの『今の家』がある公算が高い。

「さっきも言ったけどダメ元だ。無理ならスパッと始末しよう。」

「同意じゃ。首を切って持ち歩けば、弱い魔物ならば石に出来るし、
 賢者の学院に持ち帰れば研究材料としても使えよう。
 胴体は湖の底にでも沈めればよい」

我ながら不謹慎ではあるが、敵意を持って挑んできた者だ。
そのまま無防備に解放など出来ない。

「こんなもんかな。多分、そろそろ目を覚ますよ。
 一応、俺の思うがままに言ってみようと思うけど。
 口出しやらストップはいくらでもしてくれていいよ。」

「任せよう。ワシは性格的にも立場的にもこういうのは向いておらんでな」

商人出で、世事に詳しいマークに交渉は一任する。

「そうそう、旦那。その女に石にされたらどうなるんだ?助かるのか?
 『新しくて楽しいコレクション』って言ってたよな。
 じゃ、今までのコレクションはどこにあるんだ?この先か?
 女の火傷は最近作ったもんか?
 氷穴っていうのは、普通、動物や風の力で作られるんだよな...」

ヴェンが疑問を口にする。

「石にされた者を救うには高位の神聖魔法が必要じゃ。
 しかし、《爽快》の祈りは第8階位の奇跡...
 オラン国内はおろか、このアレクラスト全土でも、使える者は限られる。
 そもそも、そんな人物と繋ぎが取れるかが分からんし、
 奇跡の行使には当然多額の寄進を求められよう。
 それに、奇跡を行使するにはこの場まで来て貰わんといかん」

平たく言えば、ほぼ絶望と言う事だ。

「石にされた状態では生きている...とは言っても、
 石像が破損してしまうと話は別じゃ。
 例えば首がもげた状態で石化を解けば、即座に死亡してしまう。
 そうすると今度は《蘇生》の祈りが必要となる...
 《蘇生》の祈りが使えるのは、各神殿の最高司祭位じゃ」

ちょっと薀蓄が過ぎたであろうか。

「古いコレクションはおそらくこの穴の向こうにあるじゃろうなあ...
 何故だか蛇髪女は遺跡に好んで住み着く習性がある故」

こんな姿だから人里で暮らせないというのもあろうが、
古代魔法王国時代に人工的に生み出された魔獣、という説も否定出来ない。

「火傷と切り傷というのが、
 案外ワシ達に助けを求めてきた理由かも知れんぞ...
 例えば後客に襲われ、指輪を奪われて命からがら逃げ出してきたとか、な」

マークが拘束するのを横目に、改めてトーコの傷口を観察してみる。
人の手によるものか、武器によるものか。
獣によるものか、爪や牙によるものか。
火傷は魔法によるものか、自然現象によるものか?

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マークが意識を取り戻したトーコに話を切り出す。
マークは上手い、実に上手い。
魔術師の道を選ばなくても、商人や盗賊として大成出来たのではないか、
と思える。

「ま、要は。ここでサクッと殺されるか。
 俺達を案内しつつ、逆襲の機を伺うか。
 どっちを選ぶかって話だよ。・・・どっちがいい?」

「さて、トーコよ」

マークの話がひと段落した辺りで呼び掛ける。

「言いたい事はあらかたマーク氏が言ってくれた故、
 ワシから伝える事はあまり無いのじゃが...」

少し間を置いてから伝える。

「どちらが得か、よく考えてから賢明な判断を下す事じゃな。
 貴様の返答と誠意の見せ方によっては、
 《癒し》の奇跡を行使してやらんでもない...
 繰り返すが、ようく考えてから返事をする事じゃ」

こういう物言いは余り好きでは無いのだが、
必要とあらば言わねばなるまい。

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【ステータス】 ※1ゾロ1回

HP22/22 MP23/24 インスピ:未使用 体調:健康 
支援魔法:無し

【装備品】

武器1=銀製最高品質モール【精霊鎚】(必要筋力26-5):
    攻撃力 7 打撃力36 Cr値12 追加D 7
武器2=最高品質ロングボウ【ラク・ダーレィ】(必要筋力26-5):
    攻撃力 6 打撃力31 Cr値10 追加D 7
武器3=ダガー(必要筋力5):
    攻撃力 6 打撃力 5 Cr値10 追加D 7

盾=なし      :回避力 5
盾=スモールシールド:回避力 6

鎧=最高品質ラメラー・アーマー【ガレスの鎧】(必要筋力22-5):
  防御力27 D減少 4

その他=ジュリアンのリュート、対アンデッドの護符

【消耗品管理】

矢18 銀の矢24 
羊皮紙17  ロープ30m くさび30 

【購入・獲得物管理】

無し

【消費アイテム管理】

無し

【収支管理】

護衛報酬:+500ガメル

【PLより】

遅くなってすみません!マークの話に最後にちょっとだけ乗っかります。
キュアをちらつかせて恭順させようという意図。これも893のやり口。

・トーコ拘束時に火傷と切り傷の観察をします。達成値は14でした。
 人に武器でやられたのか、モンスターに爪で裂かれたのか、
 位は分かるといいな...火傷は魔法か火事かなんて区別つかなさそう。
・ミード湖周辺の遺跡について<知識>判定します。達成値は12でした。
・予備ダイスは5、4でした。使用しないでください(笑)

【ダイスチャットからの添付】

22:56:42 テッピン@ガラフ 火傷と切り傷の具合 2d6+6 Dice:2D6[3,5]+6=14
22:59:41 テッピン@ガラフ ミード湖周辺の遺跡について 2d6+6 Dice:2D6[2,4]+6=12
23:03:38 テッピン@ガラフ 予備その1 2d6 Dice:2D6[2,3]=5
23:03:55 テッピン@ガラフ 予備その2 2d6 Dice:2D6[2,2]=4