謎の女性

GM [2013/12/30 21:32]
 
どこまでも声が吸い込まれる空の下で、三人の冒険者たちは自由に振る舞う。
マークは風を切って走り、またはくるくる回る。
ガラフはそんなマークの様子を見ながら、先日した体験をうたにおこす。のちに、ヴェンの格闘を手伝う。
ヴェンが格闘していたのは、湖氷とだった。氷面に穴を開けてのんびり湖釣り――――をする前にだいぶ体力を消耗をしてしまったようだ。
湖水にはいい具合に穴が空いている。


街道をゆく人物は、そんな三人の顔や身なりをよく見るかのように足を遅め、ついには立ち止まった。
三人の冒険者もまた、街道上の人物にちらと意識を向けていた。


それに人物は気がついたのだろうか。


「もし。そこの」


高い大きな声を出した東方語で、路上の人物は三人へ――――誰にともなく――――声をかけた。
その声は明るくどこか嬉しげであり敵対的な怒気など全く含んでいない。
三人がその人物の方を見るなり返事をしたりするならば、路上の人物は駆け寄るようにして三人の元へ近づくだろう。


声からして、その人物は女性のようだ。
身長も決して大きくはないようだが・・・。


街道から降りミード湖の方へ寄ってくる女性は、頭からすっぽりと毛織物をかぶっていた。
深い茶色とらくだ色の模様編みをされた毛織物は足までも隠すように全身を覆っている。
ずいぶんと厚く、重そうだった。
毛織物で頭は深く覆われ、女性の目を見ることはできない。眉毛の色も鼻の形もわからなかった。
しかし口元とあごは日にあたっており、覗くことができた。あごはやや太めでしっかりとしているが、唇は薄くおとなしそうな印象を与えたかもしれない。年齢もはっきりとわからないが決して若くなく、20代後半から30代以上の中年らしい。


「旅のひとかい? ごめんくださいな。
 あたいは近くの村の人間でさあ。みんな、ここにはいつからきてんだあ?」


焚き火にあたっているヴェンのほうへ女性はやってきた。
だが初対面ということもあるのか、女性は結構な距離をとっている。


ガラフは人物をよく観察する。
女性のあごに火傷の痕があった。唇にもわずか肉の欠けがあり、昔に深い切り傷を負ったことがある様相を呈していた。
髪などの毛色は一切わからない。瞳の色ももちろんわからなかった。


女性はガラフの視線に気づいたのか、つと顔をそむける。


「あたい、昔、家が火事になったことあってさ・・・顔にひどい傷があって、隠しているんだよ。もともと器量も良いほうじゃないから、許しておくれね」


などと小さく言葉を添えた。
しかし次にはまた元の高い声で、話を始める。


「ねえ、ここらへんで指輪が落ちていなかったかい?
 あたいの指輪なんだ・・・。おばあちゃんの形見。
 パールが3つ飾ってある銀の指輪さ。
 数日前にここらへんで失くしちゃって、今日も探しにきたんだあ。
 
 だいじなだいじな指輪でさあ・・・。
 あたいはここいら探してるから、もし見つけたら声をかけて欲しいんだあ。
 ・・・。
 本当は一緒に探してもらいてえんだけど、他人事につきあわすのは、まったく申し訳ねえ」


と、まだ少々の距離を置きながら、女性は語った。
女性は三人の返事を待つようにもじもじと立っていた。

 

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GMより:


みなさんしっかり遊んでくれたようで嬉しいです(笑)
依頼人もきっとうれしい。

 

さて。
一人の女性が湖の方へ降りてきました。


探しものをしてるんだ!と言っています。
女性は手伝ってもらえるのを期待しているようですが、どうしましょうか(笑)
探しものというのは「パールが3つついた指輪」です。
詳しく話を聞くようなら、女性はどこで落としたかなどの詳細を話してくれることでしょう。


皆さんはこの女性が求める助けに乗るか乗らないか、そして何を聞くか、どうしましょう!


ガラフの人物観察ですが、これは、うん、よかった。
どういう意味かメタで考えてみてください(笑)


あと、コネタですが魚を釣るなら冒険者レベル+器用度Bを基準値に2d6を振り、達成値13以上で「つれます」。
そのあともう一回ただの2d6を振って出た値が釣果ですw


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