びしょぬれの

GM [2012/07/08 18:45]
ここを 超えて 向こうへ 行くんだ。

よいしょ、よいしょ。



満月の夜に出会ったのは、おおかみさんじゃなかった。

あの月と同じ色をした髪が、サラサラで、
今までにルイネが見たこともないくらい強そうな、
お姉さんだった。



ひとが泣くときは、悲しいとき。
何が悲しいのかな・・・?

ねえ、何が悲しいの。

って聞こうとしたけど、お姉さんは笑ってくれた。

「...あの銀木犀の下で教えてあげる。」

ルイネは、驚いたし、困った。
どうしてルイネがあそこに行こうって思ってたか、知ってるの?

「うん・・・あのね、でも・・・」

今日これから、ルイネもあそこに行くんだ。
秘密にして行くんだ。

もう一度お姉さんを見る。
・・・きっと、大丈夫。

「―――――あのね、秘密だったの」

言っちゃうよ、いい?手紙。
このお姉さんは、何でもお見通しなんだから、いいよね?

「これからあそこで、"手紙"と待ち合わせをしてるんだ。
 ぼくはね、まだ会ったことのない、"手紙"。

 "手紙"はね、冒険家なんだ!
 これからルィ・・・ぼくを、冒険に連れて行ってくれるって、約束したんだ!
 ねっ、ねっ、それがね」

ルイネは、風で頭を揺らす銀木犀を、指さした。

「あそこなんだ」

秘密だよ?

「・・・なんで、お姉さん知ってたの?」

「もしかして、お姉さん・・・"手紙"の友だち?
 ねっ、もしかして、"手紙"を知ってる?
 "手紙"って、しゃべるの?歩くの?強いの?」

この四角い羊皮紙が、あんなに勇敢だなんて
ルイネには、全然想像できない!

抱えられながら、ありったけをしゃべった。
あたりが薄暗くて不安だから、じゃない。

湿った空気の匂いに、これからの期待が膨らんで、
月明かりがぼんやりと照らす地面が、異世界のようで、
ルイネは、もう、これから楽しいことが起こればいいのに!って気持ちが我慢できない。

「―――"手紙"の名前は、"野薔薇"っていうんだ。
 お姉さんの名前は、なんていうの?」


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GMより:

お待たせしたにかかわらずプチ進行><

どうする、エグ!