特定困難きゅうり
「嫌いなだけで、食べられないわけじゃないでしょう」
言うだけ言って自身の皿を提げに行く同僚神官を一瞥しながら、私は自分の皿の上に残された"敵"を見つめた
私にとってはこの皿に残されたヤツは魔物にも等しい、何故我等が神はこのような悪魔の食物をお作りあそばせたのか...
「...食べられない訳じゃないわよ、でも食べなくたって死ぬ訳じゃないんだし...」
フォークで皿の上のピクルスを転がしながらブツブツと文句を言う、なんとかしてこの悪魔を処分できないものか...
残したまま皿を片付ければ煩く言われるし...かと言って食べるなんて苦行はしたくないし
大体キュウリならキュウリでそのまま出せばいいじゃない、酢漬けにする意味がわからないわ
これはもう私に対する嫌がらせとしか...等と考えていると
「あの・・・。あんた・・・
"アリス"さん ですか?」
と声をかけられ、私は声の主へと振り返る、そこには少年の姿、多分...少年だろう
年がいってても私のような例外があるから外見で人を判断できないけれど
「確かに私はアリスと呼ばれているけれど...何か?」
「これ、そこに落ちてたんで」
愛想のない子ねぇ...とは口に出さずに少年が差し出した手紙を受け取る、手紙を受け取るとサッサと少年は踵を返してしまう
愛想と言うか礼儀と言うか、捕まえて色々と説いてやろうかしらとも思ったけれど...疲れるので止めにしよう
それにアレを皿に残したまま席を離れようものなら逃げたと思われるのは請け合いだ
とりあえず緑色の悪魔の事はちょっと頭の中から消し去っておいて、私は四角に折りたたまれた羊皮紙を開いた
手紙を送ってくるような相手には身に覚えがないけれどね
手紙の内容は私と同じファリス神官でアリスという名前の女性が妖魔を退治、村を救った事から始まったが
もうこの段階で私ではないと確信できる、一人で村を救うような度胸も実力もないし、そもそもそんな事をした覚えもない
第一私の名前はアリシエラだ、アリスは愛称であり私は人に自分の名を名乗るとき、相手が子供とは言え愛称を名乗る事はない
と言う事は"アリス"という名前を持った誰か別の人間なのだろう、私はこの段階で読むのを止めようかとも思ったが
盗み見ているわけではないし、とりあえず私に渡されたものなのだから、と読む事にした
「仲直りする方法...か、難しいわね」
全ての文を読み終えて私はそう呟いた、話の内容的にはきゅうりが嫌いなケリーという男の子がいて
手紙の差し出し主であるニコルという女の子が、きゅうりが嫌いなケリーは嫌いだと喧嘩したという大まかな内容だ
一般論から言えばケリーがきゅうりを食べれば丸く収まる、が子供に嫌いなものを食べろと言っても反発するだけだし
ニコルが折れて食べないなら食べなくてもいい、と言うのは元の木阿弥...これが年頃の男女ならば色恋を絡めて食べさせれば済むけど...
「............ふむ」
これは私宛の手紙ではない、だから私がこの手紙に答えを返す必要はない、が...
宛先が私ではないにせよ、この神殿に他に"アリス"と名乗る神官がいただろうか?私も全員の名前を知っているわけではない
仮定の話としてこの神殿の中にアリスが私以外にいなかったら、この手紙はどうなるのか?
返事も出されないままニコルという少女は何時までたっても返事を待ち続けるのだろうか?
少女は"アリス"という神官ならば返事をくれる、そう信じて手紙を出しているに違いない...違うアリスであるとは言え見過ごしていいのか
私は暫くの間悩み、結論を出した
「...とりあえず、他の神官に渡しましょう、私以外にもアリスと名乗る人がいるかもしれない」
「いたらいたでその人に返事を書いてもらえばいいし、もしいないのならば...私が書けばいい、騙す事になるかも...しれないけれど」
手紙をもう一度四つ折にし、私は席を立ち、食堂を後に...しようと思ったが
「そういえば...これどうしようかしら...」
机に置かれた皿の上に残された私の天敵はすでに時間がたって干からびたような感じになっている
食べずに戻すか...いや、そういえば手紙の喧嘩の理由もきゅうりだった...まぁ、私は酢漬けが嫌なだけできゅうりが嫌いな訳ではないけど
食べずにこの子の気持ちが理解できるのか、そう考えた私は...残されたきゅうりを全部口に放り込み、数回咀嚼して...水で流し込んだ
「う...気持ち悪い...こんなの食べなくて嫌われるのならどうぞご勝手にって言う気がするわ...手紙の主には悪いけど...」
今が夜ならお酒で口直しするのに...とか考えつつ、皿を片付ける為その場を後にした
手紙は...とりあえず見かけた適当な神官に渡せばいい、それで私以外のアリスが見つかればいい、そう考えながら...
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PLより
酢漬けのきゅうり...PCどころかPLも嫌いですよ(何
天敵、悪魔の食べ物、緑色の悪魔などと散々な呼び方でピクルスを嫌っています
文中でも触れているとおりイシュタルはきゅうりとピクルスは既に別の食い物として認識しています
酢漬けが嫌いなのであってきゅうりが嫌いなわけではない、と(笑
手紙に関してはとりあえず同じ神殿にアリスという別の女性がいないかと他の神官に手紙を渡して確認します
少なくとも妖魔を撲殺できるほどウチのアリスは強くないので(笑
もしいなければ私もアリスだし、返事すっかーみたいな感じで返事を書きます
おかしなところ、ここは修正して、と言うようなところがあったらご指摘お願いします
リレーセッション自体初めてなので、正直自信があんまりなかったり...(汗
「ふぅ...まぁ、楽に見つかるとは思ってもいなかったけれど...こうも見つからないのでは、ね」
近くにあった椅子に腰掛けて私は溜息を吐いた、私がここまで必死になる必要はないのかもしれない
これは私のではない...と放置するのが普通の考えなのだろう、それが最も手っ取り早い、自分が気に病む事がなければ...だけど
「さて、当たれそうな人は大体当たったし...もうこれは私が代筆するしかないのかしら...」
内容はどれだけ高尚な言い方を用いたところで普通のお悩み相談でしかない、代筆する事くらいはいくらでもできる
私に文才があるかないかは問題だが、本当の"アリス"が見つからない以上、そうする事も考えなくてはならない
私がそう考え、とりあえずもう少し探してみよう、そう思い椅子から立ち上がると丁度行こうとした方向の通路の陰から誰かが現れた
「アリスちゃん、『アリス』は見つかったのかい?」
「げ...アウラダ」
陰から現れたのは同僚の神官アウラダだった、正直言って彼は苦手だ、いつも私を子供扱いするからだ
私は本物の"アリス"を探すために同僚に聞いて回っていたが、彼にだけは聞こうと思わなかった
どうせ「ちっちゃいのに偉いねー」とか言って私の頭を撫で回すに違いないのだ、髪形を直すのも楽じゃないと言うのに
「聞いたよ。『アリス』を探しているんだって。
これだけ人が出入りしている神殿だから、探すのも大変だよなぁ。
小さいのにエライエライ」
「人の頭を撫で回さないでくれるかしら...あと中腰もやめなさい、余計に腹が立ってくるわ...」
私の抗議も何処吹く風、笑いながら頭をグシャグシャにしていくアウラダ、流石にイラッときて手を振り払う
これで多少は私が嫌がっているのだと、理解してくれれば...していればこんな扱いは続かないわよね...ハァ...
「ま、がんばりな。
見つかったらきゅうりの酢漬けを身長の分だけ奢ってやるよ」
「あら、ありがと...そうなったらあなたの口に全部ア~ンをして詰め込んであげるわよ♪
二度と人を小馬鹿にするような口が聞けないようにね?」
真面目な反論をしてもアウラダには通じない、だからこそ皮肉たっぷりに返事をしてみたが...
相変わらず笑ったままアウラダは私の背中を叩いて立ち去ろうとした
「...っ、いったいわね、何するのよ」
「おっと、失敗。
アリスはちっちゃいからな」
「失敗?アナタ何処を叩こうと.........」
私が何かを言う前に立ち去っていくアウラダを見送りつつ、アウラダの身長、正確には手の位置から逆算して叩ける部位を考える
頭、ではない...肩でもない、背中を叩いて失敗と言う事は.........あのエロ神官.........っ!
「あんな不埒な輩がファリス神官とは何かの間違いじゃないの...ファラリスよ、そうに違いないわ...」
私が踵を返し肩を怒らせながら立ち去ろうとした瞬間
「そう言えば」
と、消え去った通路の先から顔だけを出して、アウラダが何かを語りかけてきた
「えらく高位の神官の中に似たような名前のひとがいるらしい。
まあ僕達がおいそれと逢えるような立場の人ではないだろうけど。
高位ともなれば仕事や行事で居ないことの方が多いだろうしな」
言うだけ言ってアウラダはまた通路の奥に消えた(首より上だけだが)
「高司祭...か、確かに簡単に会える人じゃないわね、手紙の宛先と言う確証はないけれど...そのような人物がいることくらいは調べれる
ま、仮に手紙の宛先だったとしても返事を書いている余裕があるのか、という問題は出てくるでしょうけどね」
私はそう考えながら、最後の最後に助言だけ残して消えたアウラダの消えた先を見ながら
「礼は言わないわよ、セクハラで訴えられないだけ神に感謝するのね...」
とだけ呟いて、今のところ唯一の手がかりである高神官にいると思われる"アリス"の存在を確認すべく、私は動き出した
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PLより
ちょっと親族に不幸がありまして、19日午後~21日午前までセッションを確認する事が出来ませんでした
事前報告がなかった事をお詫び申し上げます
プレイヤーの方針としてはアウラダの助言?により手がかりとして出てきた高司祭にいると思われる似た名前の人物を調べます
出来れば最近討伐に行っていたか、などの詳細もわかれば嬉しいですが...高司祭の行動ともなると機密になるかもしれませんねw
該当する人物はいるが、会うことは出来ない、手紙を渡す事も出来ない(神殿内にいない)というなら
返事を書く事にします、だらだらと引っ張っている感がありますが、よろしくお願いしますw
>タリカさん
NPCの提供どうもです、有難く使わせていただきました
毒づくよりも「アウラダって実は私にほれてる?」とか自惚れたイシュタルの展開も面白いかなと考えましたが
実は口が悪い、というのが一応の設定ですのでこのような展開にしましたがいかがでしょうか(笑
突然背後から現れたアウラダに手紙をとられ、私は手紙を持っていた手を何気なく見つめ、そして思った
確かにアウラダの言うように明らかに私宛ではない、と判っている手紙にこんなに悩むのはおかしいのかもしれない
彼から得ていた情報を元にして、ファリス神殿にいる私以外のアリスに送るように誰かに言伝を頼めば良いだけの話だ
何故私はこんなにこの手紙にこだわるのだろう?こだわる意味も理由も私には何もないと言うのに...
あるのは妖魔により家族を失いながらも懸命に生き拙い書き方ながら必死に手紙を出したニコルへの神に仕える者としての同情心程度だ
それともきゅうりが嫌いでニコルに嫌われてしまったケリーに自分の未来を投影しているとでも言うのだろうか
私も偏食を続けていれば、いずれ同僚から見向きもされなくなるのではないか、と
(そこまで重く考える必要はないと思うけれど...ありえなくない未来だけに想像できる自分が嫌になるわね)
自分の考えに苦笑を漏らして、私は手を見つめるの止めアウラダに視線を向ける
「アナタがその手紙をどうする心算なのかは知らないし、知る心算もないけれど...私は"一応"手紙の返事を書いておくわ
本物のアリスが見つかるとは限らないし、アナタがそもそも探すのかという問題もある...けれど」
そこまで言い、一息ついてから私は言葉を続けた
「アナタは軽薄で女性にだらしがなくて、飄々としていて私からしてみれば信頼性のかけらもないし、スケベでどうしようもない人だけど
困っている人を見捨てるほど薄情な人間じゃない事くらいは判っている、だから...出来れば本物を見つけてあげてね」
「もしどうしても本物が見つからない、本物はいたが返事を出さないような人なら私が責任を取って返事を出すわ
その子は、ファリス神官のアリスに助けを求めているのだから...ね」
私はよっと腰掛けていたベンチから立ち上がると、天を仰ぐ
雨が降ったあとの空は空気が澄み、願えば空の彼方までいけるのではないかとも思えるような青空だった
「...我が神ファリス様、願わくば...彼の悩める子等に寛大なるご慈悲とお導きを与えられん事を...」
澄み渡る青空に向け、私は神への祈りを捧げる
あの手紙が本物のアリスの下へたどり着けるように、そしてあの子等の仲違いが修復されるように...と
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PL
どうやって書けば良いかな...とかなり悩んだ挙句、こんな短い文になってしまいました
アウラダに手紙をとられたとは言えイシュタルが何も行動を起こさないと言うのは変ですしね...
って言うか、アウラダをボロクソにいってるけど良いんだろうかw
あいも変わらず修正する箇所などあったらご指摘お願いしますね
「手紙が欲しければいくらでも書いてあげるわよ、ただしアナタが手紙の宛先を探し出せれば、ね
返事を書いているのはあくまでも保険よ、返事が来なければ手紙の主も悲しむでしょうし...」
アウラダの飄々とした物言いに少々苛立ちを覚えながらも私はアウラダにそう言い
ふと、考えた事をアウラダに伝えてみた
「アウラダ、例えばの話だけれど手紙の主が妖魔討伐をした神官の名前を聞き間違えている、と言う可能性はないかしらね?
何分子供の耳だし、老人ほど聞き間違えが酷くはないでしょうけど...名乗った側の発音次第では聞き間違えもあると思うのよ」
「例えば...エリス、エリシャ、アリエス、アリーシャ...似た名前なら幾らでもでてくるわ、"アリス"というのが愛称でも本名でもなく
単純な子供の聞き間違えだとしたら...宛先がアリスと言う事自体前提として崩れる事になる...そんな人物は存在しないのだから」
私の言葉にアウラダは正直半信半疑のような表情だ、恐らくは私が無理矢理にも話を完結させようとしているように見えているのだろう
しかしながら考え方としては間違ってはいないはず、アリスと言う人物がこの神殿には存在しない事(ただし愛称は除く)
妖魔討伐などの任務は機密扱いなものの、出向できる人間など限られており時期的にいなかった人物を当たるのはそう難しくないだろう
「アウラダ、もう一度アナタの知り合い、それも似たような名前に当たってみてくれないかしら
妖魔討伐が云々かんぬんは機密でしょうから教えてくれないでしょうけど、ニコルって言う子供の名前に聞き覚えはないか、と
少なくともニコルが"アリス"と認識している女性は、ニコルと一度は話しているのだから聞き覚えがあるはずなのよね」
「機密に関する事を聞いても教えてはくれないだろうけど、一人の子供の名前まで厳重に情報統制されているわけではないし
少しでも反応を見せたら手紙を見せるなり、搦め手で攻めるなりやって頂戴よ、そういうの得意でしょう?」
そこまで言って私は口元にニヤリと笑みを浮かべ
「まさか、やりたくない...とは言わないわよね?アナタは困っている女を見捨てるほど薄情じゃないものねぇ?」
とやや挑発的にアウラダに言葉を投げかけてみた
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PL
ダメだ、文章力の限界が...っ!他者を描写するのがこれほどまでに難しいとは...
もうイシュタルの独白みたいな文章にしかならない...GM様申し訳ないです、書くのに時間かかった挙句こんな出来で...
「しかし、搦め手ねぇ。
君の目には僕はいったいどういう風に映っているのかな」
『...決まっているじゃない、女たらしの不真面目エロ神官よ』などとは口が裂けても言わないでおこう
アウラダにとて傷つく心くらいは持ち合わせているだろう、それに少なくとも私に協力してくれている
それを無碍にするほど私は薄情じゃあない、もっともなじられた方が嬉しいと言う特異な人間もいるらしいが...
アウラダがそれに該当しない事を切に願うしかない、とアウラダに撫でられて乱れた髪をセットし直しながら私は心の中で続けた
「まあいいや。
気が向いたらあたっとく。
『困っている女』ならともかく、それが子供じゃあんまり気がのらないからな。
な、ちっちゃなアリスちゃん」
「"ちいさい"は余計よ、本来ならば私を小さいと言う人間は許さない所だけれど、あなたのそれに侮蔑は含まれて居ないでしょうからね
今回ばかりは勘弁してあげる、でもあまり言わないでもらえるとありがたいわね...ああ、あと協力に関しては素直に礼を言っておくわ」
アウラダに対し素直に礼を述べると、彼は少々戸惑ったようだった、私が怒らないのが意外なのか、礼を言うのが意外なのか...
まさか本当になじられるのが好きなのでは...という危険な予想は置いておいて...私は呆ける彼を残し、その場をあとにする
しかし...このときの依頼が後に私にとって後悔を招く事になるとは、その時には私には予想できなかった...
-しばらくの時間が過ぎる-
アウラダに調査を頼んでしばらく、なぜかそこらで苦情のような言葉が私に殺到した
いや、正確には私への苦情ではない、アウラダがなにがしかをした...というものであったが
元を糺せば私がアウラダへの調査依頼が遠因だろう、なぜなら苦情の殆どがアウラダによって強引に"アリス"にされかけたと言うモノ
苦情を言ってくる神官達の名前は"アリス"とは程遠い者ばかり、何処をどう聞き間違えてもアリスとは間違わないだろう者もいた
「出来れば名前が似通っていて、ニコルという名前に聞き覚えがある女性を対象に聞け、と言ったはずなのだけれどね...」
一人の女性の苦情を聞き終えて、去っていくその後姿を眺めながら私は呟いた
考えてみればアウラダに女性の調査をさせるほうが間違っていた、あの男には女性の知り合いはそれこそ星の数(誇張)ほどいる
恐らくはニコルという名前に聞き覚えがある女性全てに私の言う搦め手、とやらを実施したのだろう
ニコルなどという名前はオランを探せば何人いるかわかったもんじゃない、当然その知り合いならごまんと居るはずだ
「......ふぅ、アウラダも必死に?調査してくれてるんだから弊害は少しくらいは出ると思ってはいたけれど...やりすぎね」
決して横のつながりが強いとはいえない神殿内という閉鎖空間において、積極的に協力してくれるアウラダの行動は嬉しくないわけはない
しかしそれが弊害しか生まぬと言うのであれば話は別だ、元はといえばアウラダの女性関係?に依存した依頼をした私が悪いのだが...
「なにはともあれ、彼を止めるのが先決か...私が依頼しておいて私が止める、これがどれほどの矛盾か...
私は焦っていたのだろうか...ニコルへ返事を出す人を早く見つけなくてはならない、と...それとも...」
自分でめぐらせた考えにヤレヤレと頭を振って鬱屈した気分を一掃する、とりあえずはアウラダを見つけよう
彼を止めるなり、彼の行動に少しの修正を加えるなり、そんな事は彼を見つけてから考えれば済む事だ
もしかしたら...本当のアリスを見つけている可能性もあるかもしれないのだし、ね
そう考えながら私は神殿内を怒られない範囲で駆けてアウラダの姿を探し始めた、廊下は走ると怒られるからね...
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PL
終わりが見えない...っ!?これはやばい展開か...!自分で引っ張っておいて何言ってんだという感じですが
>タリカさん
イシュタル×アウラダのラブコメ希望...!?ってそんな訳ないですよね、ははは...コメディではあってもラブはなさそうだしorz
使える者=仕える者というアナグラム(って言うのかな?)は面白いですね
元ネタはもちろん立っているものは親でも使え、という言葉なのですが、イシュタルからすれば仕える者というより
頼めば引き受けてくれる人のいい男、でも性格は...という感じの見方です
>GM様
書きにくくしているのは私の思考能力です(ドヤァ
イシュタルがイシュタルらしく...むぅ...「ええいメンドクセェ!私が書けばいいんだろ書けば!」と酒を飲みつつ返事を書くイシュタル...
なんか違うなぁ...その辺りは次回以降の宿題と言う事で(ぇ
以下雑記
>パン食べに行こうぜ!
近所のパン屋で土曜の丑に因んでうなぎパンというモノが売りに出されました、勿論本物のうなぎが入っているわけではなく
うなぎの形をしたひょろ長いパンな訳ですが...結構いけました、うなぎの形をしているだけに長くてちょっと量が多いので
複数個を食べるのは無理っぽいですが、面白い試みだと思いましたね
毎度の事ながらタイトルに意味はありません(キリッ
「あらやだ、ジムったらお洒落してる」
「そうだ。アタシのこと、今日からアリスって呼んで!」
刻が経つにつれて大きくなっていくアウラダによる被害、持ち物に名前を書かれる、名前を強要されるなど
子供の悪戯レベルの被害しかでていないのがせめてもの幸いかもしれないが、ことそれの発端が私の言葉だとすれば
責任を感じずには居られない、私があの時アウラダを利用しようと考えなければ、ここまで騒ぎが大きくはならなかったかもしれない
私は手紙の主ニコルへの返事を出させるために私とは違うアリスを探し出そうとしていた、そしてそのためにアウラダを利用した
私は何処で道を間違ってしまったんだろう?アリスなど初めから探さねば良かったのか?それとも私が偽りの返事を出せばよかったのか?
それとも...アウラダの本質を見抜けなかったのがそもそもの原因なのか?いずれにせよ私が道を違えたのは確かである
(...神よ、私はどうすればよかったのでしょうか...?私が本物の"アリス"を見つけようとした行為は偽善だったのでしょうか?)
教会内の礼拝施設にて私は神に対して祈る、勿論こんな独白的な愚痴とも取れる言葉に返事が返ってくる事はない
私は...ニコルのために、というお題目を使って騒ぎを起こしただけではないのか...?
アウラダが何故ここまで騒動を大きくしてまで行動を起こしたのかは定かではないが...この騒動が収まりつかなければ
間違いなく彼は騒動の発端として罰を与えられることになるだろう、確かに騒動を大きくしたのは彼だが、発端は私の言葉...
彼が私のために...と自惚れる心算はないが、彼は私が原因だと言う事はないだろう...彼はそういう人物である
だからと言ってそれを享受し見て見ぬ振りをして彼が罰せられるのを私は指を咥えて見ている訳には行かない
(神よ、此度の騒動は私が原因です...罰するのであれば彼ではなく、私を罰してください
私は己で解決できる事案を楽がしたいがために彼を使い騒動を大きくしました、それがニコルのためになるとお題目を設けて...
彼の罪を全て私が負うとは言いません、彼が1%も悪くないなどと言う心算もありません、しかし騒動の発端は私にあります
此度の騒動で神のお怒りを買い、神の加護を失おうとも、私は甘んじて罰をお受けいたします...ですから)
そこまで言って私は祈りの姿勢を解き、スクッと立ち上がって天井に阻まれ見ることの出来ない空を見上げながら
「我が友アウラダには、寛大なるお慈悲をお願いいたします...」
とボソリと呟いて、その場を後にする
行き先は唯一つ...この神殿内の司祭の所だ、私が会える範囲の司祭となれば数は限られるが...それでも行かない訳にはいかない
放っておけば遅かれ早かれアウラダは拘束なりなんなりされ罰を受ける羽目になる、それだけは避けねばならない
色々と問題のあるアウラダだ、今回の件もアウラダがおこした騒動だといっても誰も疑いはしないだろう
だがそれだけに...私は私が原因であると話さねばならない、たとえ神の加護を失おうとも、神殿内での信用を失おうとも...
私の言葉を信じ、私のため...と言うのは語弊があるかもしれないが、色々と動いてくれたアウラダという友をこれ以上貶めないために...
私はその決意を胸にし、恐らく私が会えるレベルの最高神官たるアイーシャという女性神官の部屋のドアをノックする
決して高い階位の神官ではないが、彼女に話せば少なくとも神殿上層部に話は伝わるはずだ
「アイーシャ様、おられますか?少々お話があるのですが...」
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PL
独白文章をまた書いてしまいましたよっと、全ての原因はアウラダではない私だと告白しに参りました
アイーシャとイシュタルには面識があるということにさせてもらっていますが問題ないですよね、同じ神殿内の神官だし...
レベルが違うと思うので会える会えないはちょっと疑問ですが...って言うか懺悔室に居ましたっけね、アイーシャ(汗
何かと拾いにくさ爆発の文章ですが、アウラダに全責任を負わせるわけには行かない!というのがイシュタルの考えです
イシュタルにとって彼は好きにはなれないし今ひとつ信用も置けないが、それでも自分の話を良く聞いてくれる友人だと
そういう風に解釈しています、アウラダがイシュタルをどう思っているかは定かではありませんがw
文章的に問題がある可能性もあるので、削除修正が必要でしたら仰ってくださいませ(汗
全てを話そうと決意し訪ねた部屋は無人だった、が運が良かったのかアイーシャには聖堂で会う事ができた
私にとっては目上の人物、彼女にとっては平の一神官に過ぎない私、お互い接点などあろうはずもない
会話どころか滅多に会う事すらない私に声をかけられ彼女はやや驚いた様子だったが
私が話す内容を聞くと彼女は手早く話の内容を理解してくれた
「罰せられるべきは彼の心ではなく、彼をそのような行動に走らせるに至った私です」
アイーシャと話す際、何度となく繰り返した言葉...アウラダの行動は確かに許されるべきではないが
彼をその行為に至らせたのは私なのだと、私は私を罰するかのようにアイーシャに訴えた
それが功を奏したのかどうかは定かではない、だがアイーシャはアウラダにあまりキツい罰を与えないことを約束してくれた
無論完全に罪に問わないと言うわけではない、アウラダのこれまでの素行や今回被害が広範囲に及んだことを鑑み
罰は与えなければならない、という結論に変わりはないが...少なくとも彼、アウラダが神殿を追放されるようなことはないだろう
私はアイーシャの深い心に感謝した、まぁ私も罰せらなかったわけではない
一週間の間食堂で出されるピクルスに対し一片たりとも愚痴をこぼさず綺麗に食べることを課せられてしまった
一般人から見ればたいしたことは無いが、私にとっては死刑にも等しい罰かもしれない...あの緑の悪魔をたべなければならないとは...
こんなんだったらアウラダなど庇うのではなかった、という考えも一瞬頭をよぎったが後の祭りである
ちなみにアイーシャとの会話中、私が必死になってアウラダを庇う様を見て彼女は
『そこまで必死になるなんて、もしかしてアウラダに好意でも抱いているのかしら?』
と言う言葉に対しては
「天地神明に誓ってそれだけはないと断言します」
と答えておいた、あくまでも私が原因で私以外の人間が厳罰に処されるのは我慢がならないだけである
私はアイーシャとの会話を終えると時刻がちょうど昼時だった事もあり...アイーシャから課せられた罰を早速こなす為に食堂へ向かう
アイーシャの言葉を信じ、アウラダに厳罰が課せられないことを願いながら.........でも食べたくないなぁ.........
-後日談?-
アイーシャとの面談からしばらくの時間が過ぎ、アウラダへの正式な罰が下された
今回の件における被害者への謝罪、必要最低限の賠償、そして数日間の謹慎処分であった
あれだけの騒ぎに加え普段のアウラダの素行から言えば比較的軽い処分と言えるものだろう
私はそんな処分を受けたアウラダの元を訪れた、手にはピクルスの乗った皿を持って
「今回の件では迷惑をかけたわね、まぁ遅かれ早かれ貴方は普段の行いから罰せられてたと思うのだけれど
今回は私が貴方を利用したようなものだし、そのことに関しては謝っておくわ」
謹慎中のアウラダの部屋に入るなり(ちなみにノックはしていない)近くにあった机の上にピクルスが乗った皿を置きつつ私はそう述べた
彼は寝台に腰掛けながら私の来訪を驚いていたような表情だったが、すぐにいつもの調子のいい表情に戻った
「結局アリスは見つからずじまい、今となってはこの神殿に私以外のアリスがいるのかすら疑わしいわ」
皿の上のピクルスを一枚取って口に放り込む、相変らず不味いのは確かだが毎日連続して食べれば以外に慣れるものである
もっとも罰の期間が過ぎたら二度と食べたくないものだが...私はしかめっ面をしながらアウラダに問うた
「何故貴方はあんな事をしたのかしら、それを問うても貴方ははぐらかすだけなんでしょうね、面白そうだったから、と
それが案外本音なのかもしれないけれど、別の理由があるのなら...」
そこまで言って私は言葉を止め、二度三度を頭を振って笑顔を作り口を再度開いた
「いえ、やめておきましょう、人には言えない事の一つや二つあるものね、聞くのは野暮ってもんだわ
アウラダ、謹慎が解けたら飲みにでも行きましょう、その時は...気分次第で奢ってあげるわ」
そう言って私はアウラダの胸の辺り(ホントは頭を叩きたかったが届かなかった)をポンポンと叩き
皿の上に乗ったピクルスをもう一つまみして口に放り込んだ、嫌いな味だが、このときだけはその酸っぱさが心地よく感じた
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PL
うあー...全然駄目駄目な気がしてきた、もう何完結させちゃってんの?ってな感じです
遅れに遅れた挙句こんな内容かよ!と文句言われても仕方ないと思ってますorz
もし駄目なら修正なり、削除なりしますのでよろしくお願いいたします