生かされる

GM [2012/08/19 21:42]
そうだね。
ジャンはどちらかといえば攻める方だ。
彼自身では気がついていなくとも、それは一目瞭然。


「『 世界を変えられるのは、 
自分が世界を変えられると、本気で信じた大バカヤロウだけだ 』


要は、正気だろうが、狂気だろうが、
本気かどうかってことだ。

そうだろう?」


ジャンがそういう。

僕はグラスの縁を持ちあげて、ジャンを見て、目を細め顔を崩した。


「そうだね」


なんて真っ直ぐなんだ。読んで字のごとく直線。

そうして、真昼間から僕たちは酒を飲み交わし、語る。


ジャンは――――

「ハナシカ?」

僕を、ハナシカにすると、言う。

「や、や、や」

いやいやいやいや。
僕は両の手のひらをヒラヒラと振ってみせた。

「な、何の話だよ」

僕は、僕は――――

「ああ、そうか」

わかった。
僕にはわかった。

だけれども、この、ステージの真ン中で存在を見せしめるかのように佇むパフォーマー・・・といえば怒られるかもしれないけれど、発信者側のジャンにとって僕の存在は理解してもらえるだろうか。

僕は、発信する側じゃない。
受け止める側なんだ。

「落語か。興味があるよ。
 でもそれは・・・僕がやるんじゃない。
 やっているのを見る・・・聴くんだ」

聞いて、感想を持って、分析し、それを発信者に伝える。

「僕というのは、せこい傍観者なんだ」

何も産まない。

「ジャンは歌う。僕は聴く。
 噺家は喋る。僕は聴く。
 芸術家は創る。僕は観る。
 文豪は書く。僕は読む。
 
 動かす人がいる。
 動かされる人がいる。
 
 僕は、動かされる側だ」

生かされる側だ。


「ジャン。
 今日、会えて良かったよ。
 今度いつライブするんだい?僕も行っていいかな」

「はねた後、こうやってまた話そう」



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GMより:

ボンノ君がJGを「ジャン・マルクル」からただの「ジャン」と呼んだ時にはもう親しくなっておりました。

GMからのラリーは以上で終わります。
JGはこの後、これを締めとしてもいいですし、レスを重ねても構いません。