生物兵器

JG [2012/06/23 07:31]

 へんな女とすれ違う。

アレルリんち見てたみたいだけど、僕と目が合ったら逃げてった。

・・・ははぁ、察したぞ。

僕はそういう機微にはビンカンなんだ。

分かっちゃうんだ、僕は。

 

 今日も、ノックから始まる。


「こんにちは・・・どうも、こんにちは、散髪屋です・・・」


返事はない。心が折れそうになる。

ワクワクしてきた。


「・・・いませんかァ・・・散髪屋ですよォ、知ってるでしょおォ?

今そこで、ハサミも買ってきました・・・散髪、しましょうよ、ねえ・・・」


ジョキジョキ金属の擦れる音を立てながら、僕はドアの前で訴え続けた。


「あけろぉ、ヒゲも丁寧に剃ってやんよぉ、
つるっつるのぺっかぺっかに、スッキリスキンにしてやんよぉ!」


ドンドン!ドンドン!


「あけろう、はやくあけないと、いいかあ、こうかいするぞう、」


ドドドドン!!ドドドドン!!


「まァだわからないかあ・・・そうかあ、じゃあもうこうだ、


この、とりったての新鮮なシロアリをだ、おいしそうなお前のおうちに、

お見舞いしてやるからなあ、覚悟しろうッ!!ハッハッハーーーッ!!」


ドカン!!ドカン!!


「ウソだよバーカ、バーカ、ヴァーカ!!」


最高にスッキリしたので、本来の目的地に向かう。

 

 

明日もくるぞ。