バッファロー・ビル
エグランチエ
[2012/06/24 21:41]
どうやら私の一言でタリカを怒らせてしまったみたい。
もう、普段怒らないだけに、こうなると手が負えないの。
「エグランチエ様はいつもそう。興味の有る事と無い事の差ときたら。
木を見て森を見るのです。もう少し色んな物事にも目を向けないと。」
「―――タリカ、あなたの言うとおりだわ。
森はあなたの故郷でしたね。酷い事を言ってしまいました。」
「タリカのことではありません。
エグランチエ様の為に言っているのです。」
「ごめんなさい、タリカ。」
たまに思うのです、タリカの瞳には世界がどう見えているのかなって。
私は都会育ち、彼女は森育ち、価値観が同じであるはずが無いのです。
タリカは私の好奇心の向く先々を知り尽くしているようにも思えます。
だからどんな些細な事でも私は彼女の話を聞くのが大好きだったの。
自分の心無い一言が本当に恥かしい、もう少し勉強しませんと。
森生まれはすごい、私は改めてそう思いました。
―――
「アンソニー?」
会話の中でアレルさんの持ち出した名前。
アレルさんはどうやらこの方の事を探しているみたい。
でも失礼だとは思いますけれど。
アンソニーなんて、とてもありふれた名前。
私の頭に浮かぶアンソニーさんの数は決して多くはありませんが、
そのアンソニーさんがアレルさんの目的の方である可能性は低そうです。
それでもアレルさんはこの手紙を見つけてくださったのだもの。
私は少しでも彼の力になれたらと思いました。
「―――お肉屋さんのホプキンスさんの事かしら?ほら、中央通の。
あそこのお店のお肉は少しだけ癖があるのですけれど美味しいの。」
「初老のとても紳士的で非常に聡明な方よ、何でも知っているわ。
ジョディさんという綺麗な奥さんをお持ちなの。仲の良い夫婦よ。」
「店名はバッファロー・ビル精肉店だったかしら。」
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森生まれのタリカさんの樹に対する拘りは計り知れません。
アレルさんにそれっぽいキーワードを出してみたりしました。
どう料理して頂いても構いませぬ、同じ名前のまったくの人違いかも^^