質問

アレル=リリー [2012/06/28 22:40]
中央通。
その名の通り、オランの中央を通る、大きな街道。
人通りも多いし、立ち並ぶ店も多い。
いつも賑やかな、オランの背骨部分。

そんな場所だから、目当ての店を探すのは少し苦労すると思ったんだけど・・・
存外、すぐに見つかった。
香ばしい匂いが、その店の存在を強調していたからだ。
チラリと、店内をのぞく。

居たのは、金髪の若い女性と肉を切り落としている男性。
恐らく女性のほうがジョディ夫人で、男性のほうがホプキンスさんだろう。
男性のほうを、よく観察する。

真っ白な髪に、青い瞳。
年齢は4,50といったところだろうか。
手紙に書かれていたアンソニーさんとは、大きく異なる姿。
外れか・・・そう心の中で落胆する。
でもせっかくきたのだからと、食事ついでに話を聞くことにした。

「ごめんください、これを・・・そうですね、2本頂けますか。
 ・・・それから、こちらにアンソニーという人が居ると聞いたのですが」

「毎度ありがとうございまぁす。1ガメルですぅ。
 はい、居ますよぉ。・・・おぉーい、アンちゃぁん、お客さんだよぉ!」

アンソニーさんについて尋ねると、ジョディさんは、その外見には似つかわしくない
大声で、主人の名前を呼んだ。
ほどなくして、肉汁で濡れた手を拭きながら主人がやってくる。

「ハイハイ、なんだ? ・・・ゲッ、お、お前は!!」

自分の顔を見てすぐ、そんな声を上げるホプキンスさん。
思わずキョトンとしてしまう。
・・・だが、次の発言で正気に戻る。

「おいおい、手紙ならもう届けてやっただろう?
 まだ何か――」

手紙。
そのキーワードに、耳がピクリと反応する。
瞬間、最初に送られてきた手紙の内容を思い出した。




お肉屋さんに言えば、届けてくれるって、きいたよ。






「ああ――すまんな、お客さん。どうやら俺の勘違いだったようだ。
 お詫びに、好きな肉をサービスしとくぜ。適当に選んでくれ、ジョディが包むからよ。
 
 で、何が聞きたいんだ?」

ジョディさんに宥められて、ホプキンスさんが落ち着きを取り戻す。
そうして彼は、本来の威厳を携えて、自分にそう聞いてきた。

「あぁ、じゃあ鶏を貰ってもいいでしょうか。
出来れば調理していただけるとありがたいのですけど。」

ジョディさんにそうお願いしてから、ホプキンスさんのほうに向き直る。

「・・・・さて、正直ここにはあまり期待はしてなかったのですが・・・・
とんでもない当たりを引いたようです。
お聞きしたいことは山ほどあるのですが・・・そうですね、一つずつ質問していきましょうか。

一つ。つい先日、自分の家に手紙が届きました。
住所も差出人も宛先も知らない、間違い手紙です。
そしてその手紙には、"お肉屋さんに言えば、手紙を届けてくれる"と、
そう書かれていました・・・・・。
・・・ホプキンスさん。貴方は、"14丁目3番地"に手紙を届けましたか?

人差し指を立てて、ホプキンスさんにそう問いかける。
答えがYESであったなら、次の質問だ。

「一つ。その手紙は、ニナさんと言う人からアンソニーさんと言う人に向けてのものでした。
ホプキンスさん。貴方は、ニナさんとアンソニーさんを知っていますか?

これもYESであったなら、次の質問だ。

「一つ。自分は今、ちょっとしたお節介心でアンソニーさんの行方を捜索しています。
ホプキンスさん。貴方は、アンソニーさんの居場所を知っていますか?

核心に迫る質問。
これで答えがYESだったなら、自体は一気に急前進だ。
少し手のひらに冷や汗をかく。

「あぁ、それと・・・・ニナさん、アンソニーさんのことについて何か知っていることがあれば、
教えていただけると非常に助かります。
特にニナさん。手紙でのやり取りを見る限り、記憶障害のような症状が見られますが・・・」

仮に居場所が分からなくても、他に何かを得てから帰ろうと、
最後に質問を付け加えた。










PL
ククク・・・うかつに他人描写が出来ない・・・!
ニナとアンソニーのこと聞きまくります!