誓い。
タリカ
[2012/08/21 17:06]
「ん...」
ベッドのネロリが意識を取り戻した。
「ネロリ様、水を」
「ん...」
言われるままコップの水で喉を湿らすネロリ。
「あ、ああ、『ジェリー』無事だったのね!」
ベッドの脇に立っている『フラン』に気がついて抱きつくネロリ。
「マ...マ?」
「いやだ、あなたったら。
わたしよ、ネロリよ。
しばらく見ないうちに忘れてしまったの?」
甘えるように拗ねる仕草を見せるネロリ。
今度はフランとタリカが驚く番だった。
ネロリはフランのことをジェラルドだと思っているのだ。
「ねぇ、僕だよ、フランだよ。ママ!」
「せっかく元気になったんだし、なにか食べる?
食材は何があったかしら。
ああ、そう、パンにお肉の燻製とお野菜を持ってきてあるんだったわ。
大したものは作れないけど、すぐに支度するから待ってて。
タリカさんもそこら辺で座って待っていて下さいね」
「...ママ...」
食事の支度をするネロリの背中を呆然として見つめるフラン。
「タリカ...ねぇ、タリカ。ママ、どうなっちゃったの?」
「...どうやらネロリ様はフラン様のことをお父様と思い込んでいるようですね...」
「そんな...なんで...」
「...それは...わかりません。オランに戻れば何かわかるかもしれませんが」
「...」
フランもタリカも無言になり、野菜を刻むネロリの包丁の音だけが響く。
「ねぇ、タリカ」
しばらくしてフランが口を開いた。
「はい、なんでしょう?」
「ママは今までずっと僕を守ってきてくれたんだ。
ボクがまだ赤ん坊だった頃。
泣いていればあやしてくれたし、お腹が空けばミルクをくれた。
寒さで震えていれば暖かくしてくれたし。
暑くてバテていれば小川に連れて行ってくれた。
僕が駄々をこねたらおもちゃを作ってくれたり。
パパが居ない間だって一人でずっと僕のことを守ってきてくれたんだ」
フランは何か思いつめたような目をしている。
「そうですか、良いお母様なのですね」
うん。と頷くフラン。
「それにね半年前に僕が高熱を出した時も、僕は意識朦朧だったから良く覚えていないんだけど、
オランまで行ってあちこち駆けこみに行ってくれたみたいなんだ。
パパも居ないのに遠いオランまで僕をおぶって行ってくれたんだ」
「だから、」
「だからね、タリカ」
思いつめたような目は、それは決意の眼差しだった。
「今度は僕がママを守ろうかなって思うんだ」
「ママが『僕』を思い出してくれるまで、ずっと」
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がるふぉ:
くらいし狂ってるぅぅぅorz
下手にだらだら書くよりスッキリさせたほうがいいかなと思ってかなり端折りました。
フランのカースは高熱を出し三日三晩寝込む→回復したことにより解除されたというふうにしました。
しかしネロリにはフランがここにいるということが信じられず、フランのことをジェラルドと思い込んでいます。
変化はありましたが狂ったままということですね(^^;
無理ありすぎですかね...。
ちなみにタリカはフランの誓い?を力強く受け止めました。
描写しないほうが美しかったので削除。