おかしな手紙。

タリカ [2012/06/18 17:51]

今日の狩りは終わり。
獲物はうさぎが2羽。
少ないけれど腕を鈍らせない程度に捕れればいいのだ。
兎は運びやすいように血抜きをしておく。


狩りが終わったあとはグレイを空の散歩に出かけさせた。
ここはタリカにとってお気に入りの場所だった。
グレイもどうやら気に入っているようだった。
自然が豊かで緑が多く、そしてのどかな場所。
普段オランのなかでは窮屈な思いをさせているだろうから、ここに来た時はこうやって空へ行かせている。

さあ、そろそろ帰ろう?


「すいませーーーん」


声をかけられているのは自分だろうか?
声のした方を向いてみれば一人の少年がこちらへ走ってくる。
やっぱり声をかけられたのはタリカだった。
少年は笑みをこぼしながらタリカの目の前で止まった。

「や、僕、あなたのこといつも見てました。
 あそこの森でよく狩りをしていますよね。
 僕、そこの家なんです」

「はい? ええ、まあ」

笑顔の少年の真意が何か図りかね訝しむ。
"そこの家"は畑に囲まれたのどかな風景の中にあった。

「あっ すいません。
 あのですね・・・これを」

「え?、あ、はい」

差し出されたのは一枚の羊皮紙。

なんだろう?

「なんだかわからないんですけど、母が朝に『鷹を連れた黒髪の女の人に渡せ』って。
 今日、あなたが来てくれてよかったです」

少年にもわからないものが、タリカにわかるはずもない。
何かのことづてだろうか。

皺くちゃになった羊皮紙を掴んだまま、これをどうしたものか固まってしまう。


「僕、ダリルっていいます」

「あ、はい、わざわざありがとうございます、ダリル様」


ダリル様が去ったあと羊皮紙を開く。

「これは...」

手紙だ。

差出人の"フラン"という名前には心当たりはなかった。
つたない文章を読む限り、年端もいかない少年からだろうか。

なんだろう?
おかしな手紙だ。

文章と一緒に簡単な地図が描いてあった。
差出人の住んでいる場所もわかった。
ここから近い場所だ。

どうしよう?
このまま行ってみようか?

と思ったが身体のあちこちに血が付いている。
血抜きをした際についてしまったものだ。
おそらく血の匂いも付いているだろう。
どうやら日を改めたほうが良さそうだ。

でも、手紙をもらったことだけ伝えておいた方が良いだろうか。
そう思って荷物から羽ペンを取り出して一筆したためた。


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 フラン様

 お手紙ありがとうございます。

 あなたはいったい誰なのでしょう?

 わたしはタリカ。
 しがない狩人です。

 鷹が好きなのでしょうか?
 ちかじか鷹を連れて伺います。

 その前に何かあればオランの香草亭まで便りを寄越して下さい。


 追伸:この辺りはのどかでいい所ですね。

           オラン 香草亭 xxx号室 タリカ.

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こんなものだろうか。

もともとが短い手紙だったから、特に書くことが思いつかなかったのが情けない。

そのまま手紙を持って地図に描かれた場所に向かった。


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がるふぉ@タリカ:

 コマンド:手紙を届ける。

 しょうさんの文章力(もちろん絵も)は凄いー!
 かっこ良く描いて下さりますね!
 すっごくわくわくしております!

 しょっぱなから悩んでしまいました(*_*;
 少しくらい文通を楽しみたいので、まずはお返事を届けに行きます。
 届けるだけ!
 適当に手紙を置いて帰りまーす。