「ここ」へ。
タリカ
[2012/06/21 18:12]
グレイとともに地図の場所へ向かった。
人に見つからないようにこっそりと。
今まで培ってきた野伏の技の活かしどころだ。
「ここ」の場所へ向かえば森の中に家があった。
草むらの中に隠れてしばらく様子を伺う。
「誰か...いる」
何かが草むらをかき分けるおと。
何かが草の上を走るおと。
何かが転がっているおと。
姿は見えないがおとが、振動が、聞こえる、感じる。
なんだ?
しばらくすると静かになり、自然のおとしか聞こえなくなった。
その隙に手紙を置いて、その日は一旦オランに帰ったのだ。
悪いとは思いつつも血の匂いをつけたまま会いにはいけない。
あの時のあのおとはフラン様だったのだろうか。
それから次の日にでも手紙の主=フラン様に会いに行こうかと考えたが、ああいった返事をした以上、結局は返事を待つことにしたのだった。
待つこと1日、2日。
はたして手紙は届いた。
「ありがとうございます、バジル様」
受け取った手紙は、また不思議なものだった。
いったいどういう人物なのだろう。
子供なんだと思うけれど。
「バジル様、ちょっと出かけてきます。
帰りは遅くなるかもしれません」
いつも狩りに行くのと同じ準備をして、地図の示す場所へと向かう。
一度行った場所だ、迷う心配もないだろう。
「あら?タリカ、お出かけ?」
少し遅い時間に朝食を取っていたエグランチエ様とばったりと出くわす。
「はい、今日も狩りに出かけてきます」
「そう。良い獲物を期待しているわ...あら、バジルさん、今日のスープはいつもよりとっても美味しいわ!」
エグランチエ様は美味しそうに朝食を食べている。
楽しそうな朝食だ。
エグランチエ様に料理を食べて貰える人は幸せな人だなと改めて思った。
だってこんなに美味しそうな表情を見せているんだから。
さて。
「グレイ、行きましょうか。
それでは行ってきます」
エグランチエ様に手を振って香草亭をあとにする。
さあいったいフラン様とはどんな人物なのだろうか。
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がるふぉ@たリカ:
コマンド:会いに行くー!
うまいこと文章、というか想像力が出て来なかったです...。
梅雨時は色々と体調がわるいんです...(/_;)
タイトルの「波」というのもよく分からなかったという...。