真実

GM [2012/07/03 12:32]

ノックの音も、この住人には聞こえない。

だが何かの気配がする。

 

この森の中のみすぼらしい小屋に住む老人は、椅子から緩慢な動作で立ち上がり、ゆっくりと扉の方へ近づいた。

 

「・・・?」

 

傾いだ扉の向こう側が、ちらつく。

老人はドアノブに手をかけた。

 

 

 

それは子供の上げる声だった。

タリカはたどり着いた家の中から、自分を待っていた人物がいることを悟る。

 

「あ、あ・・・!」

 

扉が開かれ、言葉がすぐに出てこない者がするような反応を、タリカの目の前の人物はする。

 

まずは手を上げて、喜びを示した。

次に、抱きついた。

出会うものを敵か味方でしか判別しない子供が、疑いなく味方と判断した時のように。

 

タリカは少しの間だけ、動きを縛られる。

 

フランはタリカから離れ、腕で翼を真似た。

 

「ぉー いっ」

 

と り

 

グレイのことだとタリカはわかる。

 

フラン。挙動からいって歳は7歳ほどだろうか。

だがそれは信じられなかった。

木の肌のように顔に皺が刻まれた、黙っていればそれは、老人、だった。

 

 

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GMより:

 

フランは年齢が+50されるというカースのかけられた6-7歳の子供です。