仲間たち
GM
[2012/11/06 15:48]
協力を申し出るミノタウロス亭の冒険者達に、レンバートの瞳はわずかに赤くなった。
>「ハワワ、ちょっと待ってください。> 入り口からって、レンバートさんは"城"の中に入ったんですかぁ?> さっき・・皆んな、城の壁にも触れず死んだって・・・」
レンバートは、皆より頭ひとつ低いマヌルの姿を見てから、頷いた。
「いやすまない。"城"の中ではない。
俺たちが調べていたのは、ずっと"磁場"の上だ。そこは、荒野だ。
だが入り口・・・俺たちは"モノリス"と呼んでいた石板があり、そこをくぐると、荒野の一部分が変化したような、今までとは確かに違う場所に出る。
だから俺たちは"間"と呼んでいたが、建物の中ではない。荒野の上だ。
・・・実際に見てもらうまで、俺のいうことはイメージしずらいかもしれない」
>「あと、聞きにくいんですがぁ> 皆さんはぁ、どのようにお亡くなりに?> それとぉ、その腕はぁ何があったんですかぁ?」
レンバートの動きが止まる。だが、ゆっくりと喋り出した。
「各"間"には、侵入者・・・いやきっと、訪問者さえも拒んで試すような仕掛けがある。仲間たちは一度にやられたわけじゃなく、それぞれの仕掛けに嵌ってしまったのさ・・・。
この腕は、それを助けようとして手を伸ばした時にやられた。
閉じ込められそうになる仲間を助けようと、扉・・・"モノリス"の向こうに手を伸ばしたんだが、閉まる"モノリス"の力は強力で、結局切断されてしまったのだ」
そうして、結晶のついた左手断面を撫でた。
>「遺体の回収は結構だが,4人ともなるとそれなりの作業になるぞ。荷車か何か用意してあるのか?」
グリーンリバーの顔をじっと見、何か口に出す事自体をレンバートは躊躇っているようだった。
「・・・俺は・・・。
もしかしたら、・・・。
あいつら・・・。
もう、磁場に、消されてるんじゃないかって・・・思うんだ。
物体・・・動かないものを消す力・・・。
わからない、そう!あいつら消えてなくて、荷車は必要かもしれない!!
・・・。
荷車を、どこかで借りていこう」
その時ジョージが口を開いた。
「うちのボロを持ってけ。
オランの街で目立つのが嫌だったら、パダで借りるよりも農村に声をかけたほうがいいだろうな。・・・金、ねえんだろ?」
レンバートがありがとう、と頷いた。
>「思惑以上の結果が出た場合,どうする?つまり莫大な金品が得られるとなった場合だ。> 依頼主と仲間割れだなんて,格好悪いのは御免だからな。」
「俺のこの腕は、学院に治してもらうさ。神殿に行くための金をせびるつもりはない。
仲間たちを生き返らせるつもりも―――遺体があればの話だが・・・。
そうだな。もしも莫大に儲かったなら・・・暫く隠居できるぐらいの金は、俺にも少し分けて欲しいかもしれないな」
そういって、レンバートはやっと緊張を緩めた様子だった。
死んでいった仲間たちの回収をした後、冒険者家業からは足を洗おうとも考えているようだ。
>「死城で水は確保できるのか?できないなら,かなりの量を馬で運ぶ必要があるからな。」
>レンバードの言う通りなら現地での水や食糧調達も難しかろう。>樽か何かで水も持っていった方がいいかもしれねえな。
「ああ。中に泉があった。俺はやむなくそれを使っていたが、病気もない。
・・・気分的に良いのものではないから、別途持っていったほうが安心だろうな」
水は一応飲めるものがあるらしいが、持っていっても尚良いだろうと依頼人が説明する。
--------
...GMより:
レンバートの仲間たちは、それぞれトラップに引っかかって亡くなったとのことです。
腕は、とある場所の扉に挟まれて切断されたようです。
その現場に行けば、もう一度その時の様子を教えてもらえると思います。
荷車は手に入ります。自動的に入手できる感じで構いません。
レンバートは、遺体がそのままの姿で残っているとは考えていないようです。
ですが、望みを捨てていない様子も伺えます。
置いて逃げた罪悪感と、仲間たちがどうなっているか改めて自分の目で確認したい、という気持ちのほうが強そうです。
報酬の山分けは冒険者に任せる、と言っています。
水はなくなっても飲めることは実証済みのようですが、確かに現地水はあまり気分のいいものではないらしいです(笑)