地下神殿

GM [2012/12/31 07:25]


暗い。
あたりに光源はない。
鉱山妖精の視界だけが機能しているだろう。


音は、それぞれが動作で立てる金属音、または衣擦れ、吐息、足音だけだった。
その反響で、あまり広くない場所にいるということが分かる。
広くない――――狭い、という方が合うかもしれない。


「あ」


レンバートがダガーを抜いた。
これはレイフィアにライトの呪文をかけてもらっていたものだった。
そのダガーを高く掲げ、視界が確保された。


まず、7人は袋小路にいるということが分かる。
それは建物の中だということも知り得る。
壁は黒く、磨かれた大理石に似ており、三方にはファリスの間で見た"目"が浮きぼられている。
足元には円状の魔法陣。それは光ってはいないが、ここへ送られる時に青い光が形どったものと一致する。


どこか廊下の端。
地形からはそう捉えることができるが、目の前の直線通路脇にずらりと並ぶ石像が、この場所を重要な雰囲気にしている。


すぐ近く、5mほど前の両脇に石像がある。
それは奥に5m間隔で配置されており、まだ向こうにもあるようだ。


奥から、足音がする。
金属鎧が擦れる音と共に、それは通路内に響いた。
この響き方からいって、とても近くに居たのだろう。それがやっと動き出したように聞こえた。


「ガ   ラフ・・・?」


レンバートが一行の方を見やる。
通路の向こうからやってきたのは、銀髪を後ろに撫で付けたドワーフだった。


「何用じゃ」


視認できる範囲で奥の石像の間に立った、ガラフの姿をしたものが口を開いた。


「お主ら、此処へは何用で参った。
 少なくともわしには迷い子に見えるわい。
 全く、"上"の番人は何をやっておるのか。まともに仕事もしとらんとみえる」


光明の魔法が届かないところは、どうなっているか想像もつかない。
黒い壁は光の反射を最低限にとどめてしまう。


「さあ、其処を動くのではないぞ。
 さすれば平和的に見送ろう」


そういう口調は低く、言葉とは反対だった。


足元の魔法陣が反時計回りに動き出す。


「そうじゃ、じっと待つのじゃ」


魔法陣には可逆の機能が、時間を過程として設けられているらしい。
そこで動かず待てば、この黒い建物から出られるだろう。
この陣から出てしまえば、次にどうやってあの荒野の磁場へ戻れるかわからない。


魔法陣がぐるぐる回り出す。もはやただの円に見え、黒い床に白く浮き始めた。
それが立ち昇るように白く霞む。
もう一人のガラフも石像も見えなくなった時、黒い壁はもうなくなっていた。


     ---------------


冬の太陽が天頂にある。
ダガーにかけられたライトの魔法も、頼らなくて済む。


黒い壁が去った後、一行の目の前にあるのは無限に広がっていそうな荒野と、そこに立つ一枚のモノリスだった。
小さな石畳。


"立ち入りを禁ず"


「ここは・・・」


レンバートが振り向く。
後ろには深い地割れがある。


「入り口か」


遠い磁場の上に風が吹いたようで、砂埃の上がる様子がみえる。


「どれが幻なんだ・・・?
 あの乾いた土が舞うのも、作り物なのか・・・?」


死城の影は向こう側に見える。
距離的にいえば、輪になった林があった地点に見えるだろう。
だが、ゆらゆらと浮いている土台のはっきりしない影では、正確に場所を測れない。


幻の下に何かがある。
荷車と樽だ。
近寄って回収することができる。


改めて見直せば、マイリーの間に当たるだろう場所に縦横に広がる深い亀裂がある。
その他、車輪のあるだろう場所に大きな瓦礫が、林のあるだろう場所に、かろうじて足場のある間隔で深い亀裂が。
高低の差はあれど、実際の進入不可と、この"幻影"の進入不可は一致していることに気がつく。


「今夜はベッドで眠ろう」


依頼人がそう呟いた。


     ---------------


オラン。
ミノタウロス亭からやってきた冒険者たちはようやく鎧を脱ぎ下ろすことができるだろう。


だが、シーフギルドに情報を察される前にしておかなくてはならないことがある。
魔術師ギルドへ情報を売るのだ。


レンバートは一向に付き添いを申し出る。
魔術に疎い男が一人で向かうより、レイフィアやプレナの随伴があった方が話も聞いてもらいやすいと踏んでのことだった。


聖石版は消滅する可能性があるので、プレナの書き写したものと共に買い取りたいという意向だった。
遺跡の情報については、ガラフの作成した地図にガメルを支払うという形を取る。


大体の目星と肩の荷が下りた数日後、ミノタウロス亭をレンバートが訪問した。


「あいつらの物、良ければ引き取ってもらいたい。
 俺は冒険者をやめようと思う。この腕で何ができるかわからないが、田舎に帰って働くよ。
 だから、俺が持っているよりあんたらが役立ててくれたほうが、あいつらも・・・最高に嬉しいと思う。
 要らなければ売ってしまって構わない。いつか別の冒険者の手に収まって、一緒に旅してもらえるだろうから」


そして今日これから、早速学院に拘束される予定だという。
腕の晶石を削り取られたり、色々な魔法を試されるとのことで、依頼人は緊張した様子でジョージに差し出されたジンジャーティーを啜った。




―――――――――――――――――――――――――
...GMより:

ラストシーンです。 お疲れ様でした!


そうです、原始の巨人の神殿です。

石像は、知識判定に成功すればオブシディアンドッグいうことがわかります。
ガラフの姿と口まねをしているのは、ダブラブルグですね!
こちらも判定に成功すればわかります。

数は、今のところPCたちには具体的な数はわかりませんが、8体はいます。



<リザルト>

+++ 経験点 +++
 ・依頼達成 1000点
 ・各エリアクリア 50点×5=250点
 ・神殿到達 500点

 一人計 1750点 +1ゾロ分


+++ 登場モンスター +++
 ・ウィルオーウィスプ
 ・ヴァルキリー
 ・スフィンクス
 ・オブシディアンドッグ
 ・ダブラブルグ


+++ NPC回収報酬 +++
 ・ガレス=最高品質ラメラーアーマー(16/21)
 ・デイザルフ=鍛えの鞘(ブロードソード型)
 ・アーノルド=パリー・パリー
 ・ミデル=4点魔晶石1つ、3点魔晶石2つ、3回光晶石1つ、クマ顔に彫られたストーンサーバント用の触媒2つ


+++ 情報報酬 +++
 ・聖石版×5種(プレナの写し付き)=2500G
 ・レンバートの人体実験=1600G
 ・ガラフの地図(各エリアの詳細説明付き)=全部で2500G


情報報酬は全て現金で、全員での金額になります。
個々で割ると一人あたり1100ガメルですね。
NPC回収報酬は、買い取りもしくはお話し合いの上、お引き取りください。

あ、ストーンサーバントの触媒は石ころをコリコリ掘ったフレーバー品ですので、売値は0ガメルです。
これでストーンサーバントを呼び出しても、クマの顔にはなりません(なってもいい・・・です)


締めの記事を投下していただき、報酬の話し合いがまとまりましたら各自解放とさせて頂きます。
よろしくお願いします!

神殿がなんで隠されているのか、またファラリスの間はなんだったのか、本文では明確に言及していませんがホログラムデバイスの役割はなんだったのか、ネタばらし的なものを来年あたり、ボチボチと投下していきたいと思います。
では!良いお年を!!!




レイフィア=ハイウィンド [2013/01/01 22:33]

どうも、考え過ぎていた、と言うのが私にとっての正解のようだった。

どうにも、この遺跡には翻弄される運命のようだ。

まぁ、元々そう言う傾向が見て取れるものだったのだし、間違いではあるまい。

加えるなら、私たちは仕掛けを突破しただけで、時空の位相のずれだの何だのは、まるで解決を見ていないのだ。

学院に協力するかは兎も角、彼らの尽力が後々どうなるか、と言うところだろう。

 

「・・・・一体、なんだと言うのですか・・・・」

 

暗転した。

石碑の変形に目を取られているうちに、だ。

どうも、この「場」は圧迫感を感じる。

そう、広い空間ではない。

不意に、光源が現れた。

レンバートが掲げる光は、私が点したものだ。 案外、役に立ってくれているようだ。

 

「・・・・この足元の魔法陣は・・・・

 と、言うよりもここは袋小路ですか」

 

部屋ですらない。

が、この重苦しさ・・・・そして、あの目だ。

ファリスの間に在ったそれと同じだろう。そして、この壁の色。

アレを想像するのは難くない。

 

そんな状況確認を終わらせたのは、奇しくも仲間の姿だった。

もっとも、彼は此処に居るのだが。

つまり、アレは偽者・・・・と言う事になるのだろう。奥から歩いてきたあのガラフは。

 

動くに動けなかった。

淡々と紡がれる言葉に抗おうと、手にあった麗槍を握り直す事までは、許された気がした。

それまで、だったが。

気がつけば、冬空の下だった。

 

「・・・・やれやれ、本当に幻のような・・・・

 でも、そこにある・・・・と」

 

不思議で、不可解な。

まぁ、それでも・・・・必要最低限の仕事だけは出来たのだ。

皆、無事に戻れた。

それで、良いのだろう。

・・・・依頼人の呟きには、全面的に同意だった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

オランに戻り、事後処理が始まる。

私は、レンバートに付き合い、彼の身柄が安定するまでは付き合うことにした。

非道なことはすまいが、カテゴリー的には人体実験だ。

依頼人ではあるが、短いながらも同道した仲間だ、無碍にすることは出来ない。

心配そうにジンジャーティーをすするその姿には、哀愁を感じなくもないが・・・・

まぁ、まだ老け込むには早かろう。

生きて、そして仲間を取り戻せたのだ。

 

死城にいりて、生還した。

なれば、生きるべし。 

    だろう?

__________________________________________

PLより

お疲れ様でした。

えー、最後に知名度判定は、怪獣図鑑によって成功と言う流れ。チートやわー(こら

報酬その他は、現金のみで問題なしでーす。

おつかれさまでした!

 

SystemCyphissさんが退室しました。 (01/01-23:18:58)


Cyphiss2D6 → 1 + 4 = 5 (01/01-23:18:55)


Cyphiss2D6 → 5 + 2 = 7 (01/01-23:18:54)


Cyphiss : おk 一応の予備3つ 2D6 → 6 + 5 = 11 (01/01-23:18:54)


Cyphiss : 問題なし。 バルキリー振った覚えないんで一応 目標12 2D6 → 6 + 2 + (7) = 15 (01/01-23:18:41)


Cyphiss : 知名度判定、だぶらぶるぐ・・・ 怪獣図鑑あり ピンゾロ以外 2D6 → 6 + 4 = 10 (01/01-23:17:48)


Cyphiss : 知名度判定、おぶしだんそーd・・・どっぐ 怪獣図鑑あり ピンゾロ以外 2D6 → 6 + 1 = 7 (01/01-23:17:26)

グリーンリバー [2013/01/01 23:52]

 

 俺達7人はラーダの間より転送されたらしい。

 転送された先は,袋小路。黒い壁。「目」。魔法陣。

 ガラフの姿をした番人がこちらへ近づいてくる。

 はっきりとは言えないが,俺はこの者が発する雰囲気をそう遠くないうちに,2回経験している。

 2回とも人並みはずれた力を込めた鉤爪で,深手を負わされた。

「あのレッサーデーモンか。」

>「お主ら、此処へは何用で参った。
>少なくともわしには迷い子に見えるわい。
>全く、"上"の番人は何をやっておるのか。まともに仕事もしとらんとみえる」

 今回の仕事はここまでだな。これ以上の深入りは極めて危険,依頼主に酷だ。

「お仲間の遺品を回収しに来たのさ。幸い用は済んだ。」

 淡々と答える。気配がいくつもする。連中の本音は戦いたくて仕方ないのだ。

 俺とてできることなら死城に挑戦したい。だが,消耗しきった今は,その時ではなかろう。

     ---------------

 そして俺たちは,オランに戻ってきた。

 ひとりの死人も出さず,依頼を完遂できたのだから,上々であったのだろう。

 レンバートは気持ちの整理がついた様子だ。

 報酬は莫大・・・とはいかなかったが,そう悪くない程度だった。

 俺はその額が,コモンルーンと大差なかったので,レンバートの腕調査やら魔法の鞘売却に便乗する形で,ひとつ購入しようと試みた。

 これがうまくいき,俺は一見簡素なだけの指輪を入手することが出来た。

―――――――――――――――――――――――――
PL欄:

緑川@グリーンリバー : 知名度判定オブディシアンドッグ (01/01-23:42:24) 
緑川@グリーンリバー : 2D6 → 1 + 5 = 6 (01/01-23:42:25)
緑川@グリーンリバー : やはり無理か。 (01/01-23:42:32)


 皆様,ごくろうさまでした。

 以下,受領いたします。

 
 経験点: 1760点(1ゾロ1回分を含む)

 現金:   2753 - 3000 ガメル(247ガメル魔術師ギルドに支払う)

 アイテム: コモンルーン(カウンターマジック)

(1/11 23:55頃の状況であり,以後異議等で分配に変更があった場合は追記します。)

 

 

 

 

ダンテ [2013/01/02 17:20]

気が付けば別の場所に転送されていた。

どうやら正解だったようだ。

暗闇の中から現れた小さな人影・・・・

>「ガ   ラフ・・・?」

いや、おっさんはここにいる、つまりはあっちが偽物ってことだ。

>「何用じゃ」

>「お主ら、此処へは何用で参った。
>少なくともわしには迷い子に見えるわい。
>全く、"上"の番人は何をやっておるのか。まともに仕事もしとらんとみえる」

まあ、ここがどこかわかんねえ以上は迷子ちゃあ迷子だな。

>「さあ、其処を動くのではないぞ。
> さすれば平和的に見送ろう」

姿はガラフ・・・・こいつの正体はわかんねえが勘が告げている・・・・こいつはヤベえと。
とりあえずここは素直に従ったほうがよさげだね。

足元の魔法陣が反時計回りに動き出す。

>「そうじゃ、じっと待つのじゃ」

何かがあったときにすぐに動けるように、緊張感を保ちながらも言われた通りじっと従う。

やがて視界が開ける―――――


****************************

無事オランに戻ってこれた。

あの遺跡はクリアできなかったが、
依頼人のお仲間の遺品も持ち帰れたし、何より全員五体満足で無事帰ってこれたのだから結果は上々だろう。

報酬の分配で俺はアーノルドの左手に残っていた"パリーパリー"を受け取らせてもらった。

レンバートのおっさんの希望通りの供養になるかはわかんねえが一緒に冒険を楽しんでいこうじゃねえの。


【PLより】

しょうGM、参加者のみなさん、お疲れ様でした。
経験点1750点
報酬パリーパリー、(743ガメル支払い)させていただきます。

プレナ [2013/01/02 22:01]

 智恵の神獣が創世神話の一節を復唱する。
 石碑が変化し、光輪が辺りを覆う。
 それに合わせて幻影がかき消されるように、あるいは文字通りなのだろう、辺りの風景が変化する。
 幻影がこの施設を隠匿、保護するものであると仮定するなら、この結果はわたしたちの答えが的を射ていたという証だろう。
 そして足元に光が投げかけられていることに気が付いた瞬間、わたしたちは奇妙な浮揚感に襲われる。何度か体験したことのある転送時の違和感だ。


☆☆☆


 光が薄れ、視覚が周囲の状況を確認する。
 どうやら辺りは暗い......ようだ。
 残光が薄れていくにつれてそれは確信へと変わる。
 音の響き具合、空気の流れからどうやら狭いところにいるらしい。
 耳を澄ませて警戒をしながら、明かりを確保しようと考える。
 突然、軽い目の痛みと共に視界が広がる。細めた目で袖越しに様子をうかがうと、レンバートさんが光明の魔法がかかった短剣を抜いたことがわかった。

「明かり、ありがとうございます」

 短剣を抜いたレンバートさんと、魔法を仕込んでくれたレイフィアさんに一礼する。
 こういう周到さは、これから見習うべきと改めて心に留める。
 辺りを見渡すと、重厚な石造りの構造が見て取れた。ここが始原の巨人の神殿なのだろうか......?
 

 この神殿で祭られている始原の巨人から、この世界は生まれた。
 この神殿が変化を拒むのは、信者たちが始原の巨人に永遠と不朽を求めたからだろう。
 しかし、変化のない永遠が幸せなのだろうか?幸せであれば巨人が孤独の末に死ぬことはなかったのではないのか?
  もし時間を止められたならそれが永遠だろうか?それとも同じ状態を廻り続けれたら永遠だろうか?
 始原の巨人の存在に敬意を表しつつも、この神殿のありように疑問を持つ。
 わたしたちの一生は花と同じだ。有限の時の中で咲き、そして散っていく。だからこそ美しく、貴重と思えるのだと思う。

 少しの間、自らの考えに気を取られていると、見覚えのある人影が姿を現す。
 わたしはそれをふたつの意味で知っている。姿はガラフさん、そしてその正体は......。

>「さあ、其処を動くのではないぞ。さすれば平和的に見送ろう」
>「そうじゃ、じっと待つのじゃ」

 ガラフさんの姿をしたダブラブルグは、非友好的な態度ではありながら、わたしたちを無事に帰還させる旨を告げる。
 その言葉におそらくは偽りはないだろう。始末するつもりなら、熟知した施設の中で有無を言わさずに襲撃すれば事足りるからだ。

 動き出す仕掛けの中で、その流れに沿って帰還......その最中に心の迷宮の壁を壊すかのように、短剣を手に取り、地に向かって振りかぶり、刻む。
 爪跡でかまわない、ここに来た証にこの床を引っ掻いて、爪跡を残して行く!
 思わず心中でそう叫ぶ。数日後には痕跡も残さず消失する、この施設の掟に抗う意志を込める。
 理想の望みは決して与えられないと解っているこの世の中で、足掻く。


     -我、花を愛す。その気高さと、儚きさだめが故に-


 共通語で刻んだこの一文が、いつまで存在できるかはわからない。
 おそらくは誰かの目に留まる前に消えてしまうだろう。
 ある意味人生の縮図だ。誰の目にも留まらずに消えていく宿命......。
 それでもわたしは信じている。為したことが他の人の心に残る可能性、そしてわずかでも受け継がれてより良い未来を創りだすことを。
 それは智を積み重ねることと極めて近いのではないか。


☆☆☆


 わたしたちは、無事に元の場所へと戻ることができた。
 わたしの最後にやった反抗、あるいは悪戯は大目に見てもらえたようだ。
 乾いた冷たい風が身体を撫で、地上であることを全身で感じさせてくれる。

>「・・・・やれやれ、本当に幻のような・・・・でも、そこにある・・・・と」

「哲学的ですね。今回のことはまさにその通りでしたけど」

 返事になっていない返事をレイフィアさんに返す。
 わたしよりも知に優れる彼女は、きっとわたしよりも思うところが多かったのだろうか。それとも答えを見出していたのか。わたしは敢えて問わないことにした。

>「今夜はベッドで眠ろう」

「おいしい食事と温かいベッドくらいは現実であって欲しいですね」

 レンバートさんの言葉に同意しつつそう応え、家路を急ぐ。
 依頼は果たしたし、賢者の学院に報告する資料のある程度そろえることができた。
 そして何よりも、皆が生きて還ることができた。
 きっと次につながることだろう。


――PLより――
 小賢しいことすみません。
 地面に「I Love 花子」に類することが彫りたかっただけなのです。
 とはいえ、変化を拒むこの施設の状況を疑問に思い、有限の時の中を自分らしく生きるということが良いことということを言いたかったりはします。

 オブシディアンドッグの知名度判定ですが、可能であればインスピレーションの適用をお願いできればと思います。Okもらいました。感謝です。

 さて分配ですが、相談所に挙げたとおり4点の魔晶石をいただければと思います。

 皆さまお疲れ様でした。
 そしてGMのしょうさん、運営ありがとうございます。色々なギミックで楽しませようとしたお心遣いが身にしみました。
 お待たせしたりご迷惑かけたりすることが多くてすみませんでした。
 どうかまたよろしくお願いします。

追伸
 なお 「I Love 花子」は、記事「依頼」の「GMより」の下記の例文にインスパイアされてリスペクトしてオマー(ry な感じやっちゃいました。ご不快や奇異を感じられたらすみません。

> ・磁場に何か変更を与えようとしても、不思議な力によって数日で元通りになってしまう。

>例:看板挿したら消えていた/地面に"I LOVE 花子"と深く刻んでも復元されていた/瓦礫に風鈴をぶら下げてもどっかに消えた などなどです


まう@プレナ : 2D6 → 2 + 1 = 3 (01/02-21:23:33)
________________________________________
まう@プレナ : 2D6 → 4 + 4 = 8 (01/02-21:23:32)
________________________________________
まう@プレナ : 予備ダイス3つ 2D6 → 2 + 4 = 6 (01/02-21:23:32)
________________________________________
まう@プレナ : オブシディアンドッグ知名度判定 2D6 → 4 + 1 + (6) = 11 (01/02-21:23:20)
________________________________________
System : まう@プレナさんが入室しました。 (01/02-21:21:56)

ガラフ [2013/01/03 02:49]

ダンテの唱えた創生神話の文言が引き金となり、石碑に変化が起こる。
石碑は奇怪な塔のような物に形を変え、眩いばかりの光を放った!

この一帯を包んでいた強力な幻覚が消えていく。
だが驚く間も無く次の変化が訪れる。

塔から滲みだしてきた青白い光が足元に広がっていく。
そして景色そのものが満たされ、溶けていく...

***********************************

目覚めた場所は、袋小路の通路だった。
自分はまだいいが、他の者には何がなんだか分かるまい。
レンバートが、《光》の掛かった短剣を鞘から抜き放ち、
周囲を照らした。

立ち並ぶ石像の数々。犬を模しているようだ。
材質は...黒曜石だろうか。

「あれは...ダンテよ。ルーイン子爵の迷宮で戦った魔物じゃ!
 黒曜石犬。遺跡の守護者としてよく設置されておる」

《霊感》の力を借り、過去の記憶を辿って石像の正体を看破する。
オブシディアン・ドッグ。これが大量に並ぶとあっては、
この場所が重要な何かを守っている事、疑いようも無い。

>「ガ   ラフ...?」

レンバートが頓狂な声を上げた。

「何を仰ってますのやら。ワシは此処に居りますぞ?」

レンバートの方を振り向く。
だが、其処に居たのは。

>「何用じゃ」

その姿は残念ながら、自分に瓜二つであった。
正体は類推出来る。嫌な気持ちを味わせられた相手だ。

>「あのレッサーデーモンか」

グリーンリバーはその相手と文字通りの死闘を演じたのだ。

「左様。鏡像魔神、ダブラブルグですな。
 全く、何度会っても趣味が良いとは思えぬ」

ついつい吐き捨てるようになってしまうのは仕方の無い事だ。

>「お主ら、此処へは何用で参った。
> 少なくともわしには迷い子に見えるわい。
> 全く、"上"の番人は何をやっておるのか。
> まともに仕事もしとらんとみえる」

小憎らしい程に自分の口調を真似ているではないか。

「...どちらかと言えば、迷い子と言うよりかは、
 悪戯っ子に類されると思いますがな。個人的には」

皮肉で返してしまうのは最早性分だ。

>「さあ、其処を動くのではないぞ。
> さすれば平和的に見送ろう」

「...土産の一つでも頂ければ幸いですがな」

生きたまま帰還出来るのが一番有り難い事だ。
それは分かってる...

***********************************

後日。
レンバートから話を持ちかけられた。

>「あいつらの物、良ければ引き取ってもらいたい。
> 俺は冒険者をやめようと思う。この腕で何ができるかわからないが、
> 田舎に帰って働くよ。
> だから、俺が持っているよりあんたらが役立ててくれたほうが、
> あいつらも...最高に嬉しいと思う。
> 要らなければ売ってしまって構わない。
> いつか別の冒険者の手に収まって、一緒に旅してもらえるだろうから」

それは願っても無い話だった。

「ではレンバート氏よ、ワシはガレス氏の遺品である小札鎧を頂戴しよう。
 身体に合わせる調整は必要じゃが...あの鎧はよい仕事がされておる」

それに。

「レンバート氏よ、貴殿の気持ち、よく分かりますぞ。
 ワシが愛用しているリュートじゃが、
 あれはジュリアンという有翼妖精の詩人の遺品でしてな...」

想いを込めた品々は残り、人々を介して思いは受け継がれる。

「ガレス氏とはお会いした事は無いが、
 鎧の細やかな手入れのされ具合や、貴殿の話から人柄を察する事は出来る。
 きっと、気持ちのいい御仁だったのでしょうな」

レンバートにエールの入った杯を差し出す。

「故郷で職を得る。それもまた立派な選択じゃ。
 貴殿も中々気持ちのよい男であった」

自分の杯を一気に飲み干す。

「将来ワシが更なる信仰を蓄えた暁には是非貴殿の下を尋ねさせて欲しい。
 《再生》の奇跡を行使して進ぜよう。
 それがワシの貴殿に対する友誼の証じゃ」

もう1杯エールを注文し、こう締め括った。

「我が友レンバートの未来に、ラーダの祝福が有らん事を」
 
===================================

【ステータス】
 
HP22/22 MP02/24 インスピ:使用済 体調:健康
支援魔法:無し

【装備品】
 
武器1=最高品質モール<カレドゥイネ>(必要筋力26-5)
    攻撃力 7 打撃力36 Cr値12 追加D 7
武器2=銀製ハンドアクス<フューネラルアクス>(必要筋力11):
    攻撃力 6 打撃力16 Cr値11 追加D 7
武器3=最高品質ロングボウ<ラク・ダーレィ>(必要筋力26-5)
    攻撃力 6 打撃力31 Cr値10 追加D 7
 
盾=なし:回避力 5
盾=銀製スモールシールド<ランパート>(必要筋力1):回避力 6
 
鎧=チェインメイル(必要筋力19):防御力24 D減少 4
 
【消耗品管理】
 
矢19 銀の矢14 魔晶石3・3・1・1・1 暗晶石3・2・1・1
保存食42 羊皮紙14 松明6 ロープ30m くさび30個

※保存食5、羊皮紙6消費(お昼まだなので修正しました...笑)
 
【作成した地図の管理】

・"死城"までの道程 :達成値12
・チャ・ザの足の"間":達成値 9
・マーファの胸の"間":達成値 6
・マイリーの足の"間":達成値14
・ファリスの手の"間":達成値12
・ラーダの頭の"間" :達成値 9

【PLより】

遅れてすみません〆の投稿になります!

それではガレスの使っていた最高品質ラメラーアーマーを、
必要筋力17/22に調整して引き取らせて頂きますね!

報酬として経験点1750+20点と現金637ガメル。
ガレスの鎧及び魔晶石1点(チャ・ザの間で拾った)、
確かに頂戴致しました!

2ヶ月の間有り難うございました。ドキドキの連続で楽しかったです!
感想は後日上げさせて頂きますね!
仲間向けのレスも、出来ればもう1回投稿したい所!

【最後に質問!】

・"死城"の地図は複製して自分でも所持しておいて構いませんか?
・地下神殿を出てからの食料の消費はしなくても大丈夫ですか?

【ダイスチャットからの添付】

今回は無し!

マヌル [2013/01/03 15:51]
>『その肉体は大地となり、最後に吐いた息は風となり、そして全身から流れ出た血は海となった。
> 孤独を哀しみ、憤る心は炎となって世界に熱と生命をもたらした』

ダンテさんが詩のようなものを口にする。
しばしの静寂の後、石碑に異変が起きる。
石の塔になったそれから、光があふれ出し皆を包み込むまでポカンとしていた。

渦に飲まれるような感覚。

いつか魔法王国の遺跡、いやシー達の箱庭に迷い込んだときの感覚。

どこかに転送されるのか・・・。

気づくと暗闇の中にいた。
反響音で、何かの建物の中ということだけが分かる。

ランタンに火をともそうと火口を手探りしていたところ、
後方から光がともる。
レンバートさんが光のダガーを抜いたようだ。

辺りを見渡す。
黒光りする石の通路。ここが死城の中なのだろうか。

>「ガ   ラフ・・・?」

ハワ?

「ガラフ・・ン?」

二人のガラフさんを見比べる。

>「あのレッサーデーモンか」

>「左様。鏡像魔神、ダブラブルグですな。
> 全く、何度会っても趣味が良いとは思えぬ」

デーモン・・。

外以上に中の護りは堅いということか。

>「お主ら、此処へは何用で参った。
> 少なくともわしには迷い子に見えるわい。
> 全く、"上"の番人は何をやっておるのか。
> まともに仕事もしとらんとみえる」

侵入者・・とも思っていないようだ。
歯牙にもかけないその言は、
暗に他の皆ですら、まだ挑戦者たる力は無いと判断していること示しているようだ。


>「さあ、其処を動くのではないぞ。
> さすれば平和的に見送ろう」

>「...土産の一つでも頂ければ幸いですがな」

ガラフさんの皮肉も無視し、
足元の魔方陣が動き出す。
また、転送か。

気づくとそこはまた荒野。磁場の入り口だった。


>「今夜はベッドで眠ろう」

レンバートさんがそう呟く。今回の探索の終了だった。

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後日。

>「あいつらの物、良ければ引き取ってもらいたい。
> 俺は冒険者をやめようと思う。この腕で何ができるかわからないが、田舎に帰って働くよ。
> だから、俺が持っているよりあんたらが役立ててくれたほうが、あいつらも・・・最高に嬉しいと思う。
> 要らなければ売ってしまって構わない。いつか別の冒険者の手に収まって、一緒に旅してもらえるだろうから」

ジンジャーティーを飲みながらレンバートさんが申し出る。

特に必要なものも無いが、
折角なので魔晶石でももらっておこうか。
誰かに使ってもらえるだろう。

いろんな謎を残しつつ、
レンバートさんの仲間の遺品は回収できた。

死城の中。それは、また高位の冒険者が挑戦するだろう。

>「将来ワシが更なる信仰を蓄えた暁には是非貴殿の下を尋ねさせて欲しい。
> 《再生》の奇跡を行使して進ぜよう。
> それがワシの貴殿に対する友誼の証じゃ」

今は、生きて帰れたことを感謝しよう。

より深い探索は、いつかの未来に残しつつ。

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PLより

 お疲れ様でした。
 レスが滞り気味でしたが、これをもって締めとさせて頂きます。

 銀の矢とダガーをガラフに返却。

 3点魔晶石2つ、3回光晶石1つ、1673ガメル受領。

 経験点1750点。

 以上、受領させていただきます。