狂刻の大地

GM [2012/11/25 04:42]

>「レンバート氏よ。聖石版とは一体どんな品なのでしょうか。
>ご教授願えますかな?」


ガラフの問いに、案内人は答える。


「すまない。俺も詳しくはわからないんだ。
 というのも、他の間にも同じような石碑はあったが、ああいうふうに光った様子を見たのはこの間のものだけだ。
 他のものは・・・光る前に、・・・。

 なぜ"聖石版"と呼んでいるかは、仲間だったアーノルドがそう言ったからだ。
 アーノルドは狩人で、チャ・ザの声を聞いていた。自分の信仰する神との繋がりを考えたのか、彼があれを"聖なる石版"、と呼んだのが始まりだった。
 
 聖石版が持つ力については、わからない。他の間の石碑にかざしても何ら反応しない」



その話中のもの、泉の中に設えられた石碑に浮いた板は、プレナが持った。
上位古代語を学んだ彼女は、これに向き合う。
柔らかく透明な板には、まるで焼き焦げたように黒く刻まれているものがある。


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 ら       を    。


その(           、             と  、そ     )  流れ            た。
       み            って           をも  した。


      )    。
     豊        か        。
(           め       。


  が        。
             忘れ  。

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以上の文字を、羊皮紙に複写する。


一方、車輪から湧いて出てきた魔晶石は、現在も流通する魔晶石と同じとみて間違いはない。
内側から淡く発光しており、それは僅かながらも魔力を蓄えている証だ。
それは古代、貨幣としての役割を担っていた。


それを持ち、チャ・ザの間を後にしようとモノリスをくぐったものは"神の力"にさらされる。


     『にわかに禁ず』


直接あたまに刹那響く、声ともとれない意思のような気配とともに、ガラフは体に衝撃を受ける。
・・・が、運が良かった彼は、一部たりとも体に異変はない。



チャ・ザの間を後にする一行。



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>「...あれは、光霊じゃな。精霊使い無しに、自然発生したのか。
> レンバート氏よ、これが貴殿の言っていた狂った精霊ですかな?」


薄暗がりで光る、理性なき精霊については、
レンバートが あ と声を上げるよりも早くレイフィアが動いた。


ウィル・オー・ウィスプは闇に掻き消える。


「ああ、そうだ。前にも同じようにいた。当たると眩しくてすごい痛いんだよなアレ」



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「完全に暮れる前に、様子を見ておこう。
 左からでいいだろうか」


二手に見えるような石畳を、林の茂みを右手にして進む。


わりと歩いて、南西に見えていたモノリスへ近づく。
あともう十数歩歩けば触れられるというくらいまでになった時、レンバートの動きが硬くなった。むっつりと口を閉ざし、足早になる。
そして、モノリスの前に立った。


「この先の間で、二人が死んだ。
 俺の腕はこのモノリスに断ち切られた」


そう言う声が少し裏返った。
地面の石畳には血の痕跡もない。足跡は、今しがた自分たちがつけたものだけだった。


「・・・あの時と同じなら多分、この先の間は今すぐでも入れるだろう。
 このモノリスは開放されているはずだ。・・・入るだけなら、な。

 俺たち4人はこの間で最初にここへ入ろうと決めた。
 それで、ガレスと同じく戦士のデイザルフと、アーノルドが先にくぐっていったんだ。
 モノリスは開いていて、デイザルフが奥に進んで行く姿が見えた。
 俺はミデルがもたついてたから、コレをくぐらずに少し待った。
 そしたら急にモノリスが閉まりだしたんだ。俺は誰かが閉めたと思ったんだが、アーノルドの『ひけ、デイザルフ!』って声がして、慌ててコレに腕を挟めた。が・・・あまりにも強い力でモノリスは閉まった。
 断ち切られたんだ。この、ドアに。
 
 そして何か大きな音が数回してから静かになった。その後、このモノリスを押してみると・・・開いた。二人は死んでいた。
 
 今は、説明だけでいいかい?もう一箇所の方も、行こうか」


そう話す間レンバートはグリーンリバーの弓の方を向いているが、その表情は暗くてわからない。


来た道を引き返す。
またわりと歩き、今度は一行がくぐったモノリスの前をも通り過ぎる。
チャ・ザの間へと通じるモノリスは、押せばいつでも開く状態にある。
歩きながら、レンバートが口を開いた。


「残った俺とミデルは、錯乱していたのかもしれない。いや、興奮か。
 ヤケクソだったのかもしれんな。
 戻りゃあいいのに、先に進もうって焦りがあった。なぜか焦っていた」


そうして、最初に北東に見えたモノリスの前で止まった。


「俺と二人でここに入った。入るときは何もいらない。そのモノリスの端を軽く押せばいいんだ。そうすればドアみたいに開く。右でも、左でも、いいんだ。蝶番なんかない。引くことは出来ない。
 この先の間は、さっきみたいに"入ったら死ぬまで出られない"ということはなかった。いつでも出られた。だから逆に躍起になっちまったのかもしれん。
 そうだな・・・確か・・・ファリス、だったか。神の聖印が地面に刻まれていたよ。
 石碑があった。どうやったらそれを光らせられるのかって、ミデルと俺は挑戦した。挑戦し過ぎた。彼女は・・・自分が放った魔法の矢が胸を貫いて、死んだ。
 
 ・・・すまない、具合が・・・。気分が戻るまで少し、休んでいいだろうか。
 チャ・ザの間前まで戻ろう」


レンバートは背を丸めた。


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このエリアを軽く見て回ると、モノリスは計5つあることがわかる。
一行が入ってきた南東。そこから時計回りに、レンバートが腕を失くした南西、北西、北、ミデルが倒れた北東。
北以外のモノリスは、いつでも自由に入れるようだった。


石畳を歩いている限りでは、石碑は見つからない。
マヌルはこの間一帯の石畳について見てみたが、違いは特にないようだ。そして、入り口の亀裂前やここに来る前に通った間のような"紋様が刻まれた円"が見当たらないことも分かった。
正面の林に、襲ってきそうな動物などの気配は感じられない。
ダンテも、石碑を見つけられなかった。


この間の内側にある林を取り囲むように石畳がぐるりと一周し、更にその外側にモノリスがある。
林は、最初見たような夏の姿が続いているわけではなく、反対側では全く異なっていた。
実際に入り込んで調べると、もっと詳しくわかるかもしれない。


レンバートに北東の間のことを聞けばもう少し詳しく話すだろう。
ガラフが書き記している地図について、「なんだい?カタツムリかい?」と声をかけるくらいには気分を取り戻せたようだ。


空には月が出ている。
星の位置は冬のものを示していた。



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...GMより:

このセッションはホラーを目指していません、という前置きをしつつ、
行動処理&情報開示です!


ガラフはチャ・ザの教義に反したので、石碑よりフォースを受けました!
その魔法強度は目標の冒険者レベル+7、魔力は目標の冒険者レベルです。
が、抵抗に成功、被ダメは・・・残念ながら全くありません。
フォースを受けたことに気がついてもいいし、気が付かなくてもいい。


そして・・・ここでごはんタイムです。クリティカルにお願いしますm(__)m
来たのが真昼だとするともう結構時間たっちゃってる感じですね!
20時くらいだと思ってください。まーっくら。


その後ですが、行動するならば
  ・南西のモノリスに入る
  ・北東のモノリスに入る
  ・北西のモノリスに入る
  ・このエリアを更に調査する
  ・その他(休憩する、など)
となるでしょう。
如何いたしましょうか!質問は随時してくださいね。


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