夜の篝火

GM [2012/11/27 19:27]

夜が訪れ、この間の一角に火が焚かれる。
この明かりは、例えば今、磁場の上を旅人が近くを通りかかっても見つけることはないだろう。


外の世界との確かな繋がりは星が教えてくれる。
ガラフは空を仰ぐ。
他の星と比べて独特の動きをする星が幾つかある。それが今どこにいて、どういった位置関係を示しているかで事柄を予測する。そこから汲み取ったものは・・・オランでは、情熱の星が良い角度をとっているので活発になるだろうということ、そして美と喜びが強まる様相が見て取れる。組み合わせれば、いつにも増してオランの街と人々は贅沢にきらびやかになり、それが原因で経済が活性化するかもしれないということがわかった。しかしそれは数ヶ月間という一時的なものだ。



進められる食事の準備、とくにパンまで暖められているということに、依頼人は感激を示した。


「温かいものは良いね」


そんな中、透明な石版についての話がされている。


>「......そう、ですね。
> 私としてもそれが一番の可能性に思えますよ。
> レンバートさんは、これと同じものを持っているのでしょうかね...?」


「ああそれは、ミデルが持った。実は上位古代語がわかるのは彼女だけだったんでね。
 そういえば今回も、わかるのはそちらの二人だね」


女性であるプレナとレイフィアを見る。


「学院へ行くのが楽しみになってきたぞ」


とボソリ呟きながら、左腕を上げようとしたのか肩をわずか竦ませた。




>「北東は、始源の巨人で言えば左手。ファリスですな。
> レンバート氏よ、北東の"間"について詳しくお教え頂けますかな?」


他教といえども、ファリスの教義をガラフはよく知っている。


「ああ、えーっと・・・」


余計なことを考えないように思い出しているのか、ゆっくりと喋り出す。


「何か、部屋のような"間"だった。
 入ると石壁にぐるりと囲まれる。広さは・・・そうだな。最初入った間くらいか。

 モノリスをくぐった正面は、扉?窓?なんか、そういうものがあった。とりあえず"扉"にしておこう。そう・・・正面の石壁に5つの扉があった。それは最初、全部閉じていた。一枚扉だ。上にスライドして開くようになってるらしい。

 そして地面の石畳には、ファリスの聖印が刻まれた紋様円があった。結構大きな円だったんだ。それに近づいて・・・というより、その上に乗るようにして調べていたら、5つの扉が開いたんだ。驚いた。

 真ん中の扉の向こうに石碑があった。なので近寄ろうとしたら、また全部の扉が下りてしまった。

 場所を動いたのは俺の方だったので、紋様円の中に戻った。すると扉が上がる。試しにミデルが紋様円から出ると、俺の時と同じように5枚全部扉が下りた。
 その紋様円だが、書いてあったのは確か・・・秩序がどうとか。ファリスの教えだったな。

 俺も今まで、罠について勉強してきた。んでその間をよーく調べたんだ。
 各扉の上に、目のようなものがあった。大きなさ。飾りかと思ってたんだが、怪しい。
 そいで試しに真ん中の扉の目に、矢を撃ったんだ。刺さった、と思ったら次の瞬間、その矢が俺の方に飛んできたんだ。跳ね返ってきた。なんとか避けられたが・・・。

 そういう調査を繰り返してると、大体わかった。
 紋様円の中に立ち、"目"を順番通りに潰す。潰れた目の箇所の扉は、紋様円の外に出ても下りない。

 けれど、順番がわからなかった」


焚き火に照らされ熱くなったのか、レンバートは水をごくごくと飲み、袖で顎を拭った。
そして少し間があったが、顔を上げ、6人の冒険者達の顔を見た。


「・・・どうしてそれがわかったかというと・・・。
 ミデルは痺れを切らして、5つの目へ同時に魔法の矢を放ったんだ。
 そうしたら、目の一つが閉じた。残り4つの目は閉じなかった。
 もちろん、魔法の矢はミデルに跳ね返った。4つ。
 一瞬だった。

 でもそのお陰で、一番最初の目は左端だとわかった。
 それが今回も有効かは、わからないがな」


そして空気を取り戻すためか、「そんなところだ!」と明るく大仰に頷いた。



グリーンリバーの問い。


>「マイリーの右足で2人死に,ファリスの左手で1人死んだということだな。」


「ああ・・・そうなるな」


プレナが軽く書き記したものを眺め、言う。


>「マイリーの部屋で2人は教義に反することをしたということだろうか?
> もう少し詳しく話してくれないか?」


レンバートはグリーンリバーの方をしっかりとみて頷き、思い出す様子で語りはじめた。


「マイリーの教義に反すること・・・。それならば、納得がいく。
 あの間の中がどうなっているか、俺はよく把握していない。が、アーノルドが言った『ひけ、デイザルフ』・・・。」

 マイリーの教義。戦神だよな。
 きっと退いたりしたらダメなんだろう。
 あの間は多分、恐ろしい何かがある。だが怖気づいたり、退けば、あの二人の二の舞だ。
 入るときは、勇気が必要なんだろう。

 あの時モノリスが閉まったのも、退却出来ない、してはいけないという理由からかもしれない。
 ただ、あの時の様子から言って、デイザルフが先にいたようだ。

 俺にわかるのはこれくらいか・・・。すまない」


と、そこで終わった。


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野営について、案や要望が出されまとまっていく。


>「それはそうと、先ずは明日の為に如何に今夜を凌ごうか、
> と言う所を考えねばなりませぬな。野営の順番について考えましょうぞ」

>「ハワ、ちょっと
> 僕はぁ明日の朝一で林の中の様子を探ってきますぅ。
>なのでぇ野営の順番は先に休ませてもらっていいですかぁ?」

>「ほんじゃ、俺とガラフが2番手で行こうか?
>なに、マヌルとグリりんには及ばねえが、いざという時は身体はれるからさ。」

>「それで構わんよ。」

「では俺も二番手になろうか。って、いや。やはり最初に眠らせてもらおう」


レンバートは自分ができることを補うためにガラフとダンテの組に入ろうと考えたが、ダンテのその前の言葉を思い出し、プレナとマヌルの組で休むことにする。


「腕はなくとも、張れる体はあるぞ」


>「...休むのは賛成です。
> 明日は本格的に攻略が開始というところですし...
> 今のうちに発動時間を拡大させた〈光〉や〈闇〉を用意しておく事もできますよ」


「いいのかい?それでは念のため、光るやつをお願いしたい。
 ・・・用を足したい時、暗いと怖いだろう?明かりがあれば安心だ。
 これにお願いしたい」


そう言ってレンバートは自分の短剣をレイフィアに渡した。


グリーンリバーは辺りの精霊力を確認する。
植物・・・土・・・風・・・水・・・などがあるが、それらはかなり弱っているか、何か異様なものを感じた。精霊が病気というか壊れているというか、とても淀んでいる。
使役できそうな雰囲気はない。

しかし、この焚火から感じる炎と、樽で運ばれた水、そして品物に封じた精霊はとても元気なようだ。


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初めの組、プレナとマヌルとレンバートは眠りにつく。
その後、暫く遅れてガラフとダンテが。
レイフィアとグリーンリバーが眠りについたのは、最初の組が起きるのを見届けてからだった。


「二人共、ありがとう。交代だ」


夜の間見張りをしていた二人にそう言い、焚き火の前に座り火の番を行う。


「林の中を見てきてくれるのかい?」


マヌルにそう声をかけ、寝る前にレイフィアへお願いしたダガーをマヌルへ渡す。
鞘から抜けば明かりになるだろう。


「俺はここで火の番をしている」




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...GMより:

占星術はフレーバーです(笑)


 その1:プレナ、マヌル、レンバート
 その2:ガラフ、ダンテ
 その3:レイフィア、グリリバ


3時間交代の6時間睡眠としました(・ω・)
遅めの午前中には全員が揃っているでしょう。


あまりがっちりするところでもないのですが、整理するために
 その1: 22時-04時 >プレナ マヌル レンバート
 その2: 01時-07時 >ガラフ ダンテ
 その3: 04時-10時 >レイフィア グリリバ
という感じです。


このまま行けばマヌルは単体で捜索となりますが、よろしいでしょうか!