夢見る宝石

GM [2012/12/03 04:48]


マヌルが情報を持って野営地に戻る。


「おかえり!無事そうでよかった。どうだった、林の中は」


レンバートのその言葉は、彼がこの間を詳しく調べていない事を意味した。


>ですぅ。」


4人、その調査の報告を聞く。
そして、全員でこの間の謎を解こうというガラフの申し出に習い、レイフィアとグリーンリバーの休憩を待つ。


「それじゃあ朝飯の支度をしよう」


そう言いレンバートが焚き火に燃えるものをくべる。


ガラフはマーファの教義をよく知っている。
いつか、自然の恵みに感謝するマーファへ捧げる祭りの時、メガーヌ人形を買ったものだった、ということもよく思い出す。


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全員が揃い、林の中へと入って行く。
足跡はマヌルの小さいものだけがよくわかる。


「石の木・・・かい。どこらへんだろう」


近くの林から足を踏み入れ、マヌルが探しだした"ルビーの成る木"を目指す。
それはこの中心にあるという石碑からみて真南にあった。


よく茂った林に紛れ、造形は木そのものだ。
色が灰色の石のものではなかったら、気づかなかっただろうか。

天辺までは2mほどで、若木のようだ。
幹の周りは、ダンテの島揺らしと比べて随分細い。
この林によく似合い、枝にたくさんの葉と大きめの花がついている。

地面に落ちる影だけ見ると、まるで彫刻の木とは思えない。
だが少し時間をかけて眺めれば、この石の木は葉も花も揺れないことから、やはり石の彫刻なのだと納得するだろう。


「ええっと・・・ルビー・・・は、あれか」


その石の木の真ん中らへん、幹の近くの花の一つが、ルビーのものだった。
調べようとすればそれは、ルビーの花は木から取り外しできることがわかる。


このルビーの花は、うねるように妙な輝きを放っている。
よく調べると、ガラフ、プレナ、グリーンリバーにはわかるだろう。
サラマンダーが封じられている。
が、おかしな構造をしており、開放することは出来ないだろう。


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マヌルが春風の林と称した、西の林。


「あったあった。
 ・・・ダイヤモンド。・・・盗りたくなっちゃうね」


レンバートが右手をわきわきさせる。


その木は、先ほどの夏風の木とも違い、周りの景色とも差異が認められる。

まわりの木や草は芽吹き、春を表しているのに、この石の若木には実がついている。
石の木の葉はまばらで垂れ、強い風が吹けば落ちていきそうな情景が見て取れる。
花が咲いてない代わりに、たわわに実が成っているという石の木だった。


ダイヤモンドはその木の小さな葉の形をして飾られていた。
この木の他の葉と違い、垂れておらずしっかりと上向きに作られたダイヤモンドの葉だ。
こちらも、取り外しができるようだ。


「ちっちぇえなあ。やっぱりダイヤだから小さいのかね」


小さくとも、このダイヤモンドの葉の中にはシルフが封じ込められているということが、ガラフ、プレナ、グリーンリバーにはわかった。


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北。秋風の林。


目の前は赤、黄色。紅葉が色とりどりに林を染めている。
どこからともなく果実の熟れた甘いにおいが立つ。この林の中で実った果実が熟し過ぎ、腐り、皮を破って芳香を飛ばしているのだろう。
しかし動物の気配はしない。


若木の形をした木の石像。
この石の木は枝だけの状態だった。葉も実も花も、ついていない。
枝だけが骨ばった様子を見せ、灰色に伸びている。


「寒々しいなあ・・・っと。
 ・・何か光ってるな」


その灰色の石の木に、実を現したオパールがぶら下がっていた。
見る角度によって光り方が変わる。この侘び寂びとした木を華やげているのは、このオパールだけだ。
その中にノームが封じられているとわかったのは、ガラフだった。



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「ぅおっ・・・さぶ!
 寒いよマヌルー。寒いー」


といっても、『今』の時期と同じなのがここ、東の"冬風の林"。
地面は枯葉で覆われている。歩けばカサカサと音がするだろう。


この林は見晴らしがいい。
木から葉がほとんど落ちているからだ。


石の木がどこにあるかがすぐにわかったのは、それだけが原因じゃない。
真っ赤なガーネットが、ものすごい存在感で灰色の木に成っている。
しかしこの宝石、見た目の赤とは裏腹に、中に封印されているのは氷の精霊フラウだった。
そのことがわかったのはグリーンリバー。


このガーネットは小枝状にされて石の木に引っ掛けられている。
そして、石の木は周りと違っていた。
小さい灰色の葉はゆるくねじれ、上向きに立っている。まさに芽吹いているよう。


「これで一周か」


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石碑のある中心の石畳へは、どこからでも行ける。


紋様円に刻まれた上位古代語。


"自然。 調和の結果"


石碑を調べると、上面はチャ・ザの間のものとは違う字が彫られている。
しかし同じなのは、これ単体では全く意味を成さないということだ。


レンバートはじっとその上面を眺めている。


「ここは、危険がなさそうでよかった・・・」


誰へともなく呟いたようだった。




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...GMより:


朝食分として、全員が食事をお願いします!CGTです!


▽プレナさんとグリリバさんは、予備ダイスの1ゾロ分10点を各自もらってください。
 →宝石の判定として使わせていただきました!
  グリリバさんは精霊使いの知識があるのでダイス不要ですが、面白かったので使いました。

そしてどうしてお二人とも、3つ目のダイスで1ゾロっているの・・・(笑)
不憫なオパールさんです。


木の形・宝石・季節!この3つの関係がお題です。
今はなんだかおかしな様子になっているようです。
正しくなれば、中心の石碑が光るでしょう。ピッカー!


ピッッカー!!
光るよ!光ります!光るんです!(ヴォーまぶしー