ホログラム・デバイス

GM [2012/12/30 16:11]


一行の思惑、疑問、幻獣には会話が全て聞こえているだろうが、耽美な人相は猫を彷彿とさせる表情を浮かべ、口を開かない。
ただし、7人の会話が途切れた頃、それは破られる。


『その肉体は大地となり、最後に吐いた息は風となり、そして全身から流れ出た血は海となった。
 孤独を哀しみ、憤る心は炎となって世界に熱と生命をもたらした』


ダンテが唱えた一節の復唱だ。


すると途端、ラーダの石碑に異変が起こる。
ただの石の台座だったものに賽の目状の切り込みが入り、カチャカチャと勝手に形状が組み替えられている。
それの動きが収まるまで、あまり時間はかからなかった。
台形の石碑は今やその影はなく、いびつなタワー型になっている。


その小さなタワーの頂点から、円盤状にレーザーが射出された。
一瞬で広がり、身構える隙もない。


その時辺りを見回した者がいれば、気づいただろう。
この"間"の外側に、無限に広がっているような荒野が消えたことを。
真後ろにはマーファの間でみた林があり、その遠くには、まるで行楽施設かのような大車輪が見える。
そのまま視線を右にずらせば、岩が隆起した地形。天辺には緑が見える。その岩の中はどうなっているか一行は知っている。


"荒野"の幻影が消え、本来の地形が顕になった。
だがそれを確認できるのは束の間だった。
なぜなら、次の異変が起こるまでのあいだは僅かな時間しかなかったからだ。


タワーの頂点が青白く光った。光は速く、溝を液体が流れるように下方へ伝っていく。
地面に伝わりきった光の筋はそのまま石畳まで流れる。
7人の足元をさらうように広がったかと思うと、青白い光は強く輝いた。



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...GMより:

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