槍の一念、なんとやら

オート・メララ [2013/06/13 15:52]
果たして、宝物庫の守護者は魔神であった。
炎の魔神・ザルバードは、その名に違わぬ炎と魔法で我々を苦しめた。

奴らは三体、こちらの前衛も三人。
悪しき魔界の者どもとはいえ、互いの力を振り絞るような戦いであった。

しかし、それを制したのは我々だった。


>自身を槍と一体化させたような苛烈な一撃がザルバードを貫いた。
>余りの衝撃に、壁に槍が突き刺さる。

>「凄い...まるでヴァルキリーだ...」


「ああ、それは良いな。
 本人に言ってやれば喜ぶかもしれんよ」


保護の魔力が満ちた遺跡は本来、外的な力での破壊は困難なはずである。
しかし見よ、槍は突き立てられた。

力だけではない、鳥を落とすような速度と、力を一点に収束する精密さが
この一撃を可能にしたのだ。
エレアノールと冒険していると、人生で忘れられない場面に何度も出会う。
今日のこともきっと、私は生涯忘れないだろう。


「よし、昇位試験の題材はコレにするか」


第三階位で習得する『幻影』の魔法は、術者の臨む光景を作り出すことができる。
遺跡の壁に立つ大槍...はたして導師殿は、これを見て現実にあったことと
分かってくださるだろうか。今から楽しみである。


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「ウード、すまん。
 援護の仕方を間違えた...大丈夫だったか?」


エレアノールの活躍が剣(本人は槍と言い張るかもしれないが...)であるなら、
ウードの戦いぶりはまさに盾であった。強敵・ザルバードの度重なる攻撃にも耐え、
エレアノールとシオンに機動の自由を与えたのはウードの粘りによるものだ。

そういう意味では、エレアノールの一撃はウードと共に放たれたものでもある。


「私が『盾』の呪文を使って、シオンに『水精の護り』を掛けてもらえば
 炎はかなり軽減できていたはずだったのだが。動転していた」


戦いの最後の場面で、ウードが投げ捨てていた大盾を拾ってくる。
ずっしりと重い大盾は、何度も炎にあぶられたせいか今でも熱をはらんでいた。
手袋越しに、ウードが食い止めていた魔神の力を感じる。


「だが、勝ったな」


戦いの前にもした儀式を、もう一度する。
激しい戦いであったが、『癒し』が行き渡っていたお陰で大きな怪我は見られなかった。
だから、手加減はなしに。
いつも通りにガッシリと、拳を打ち合う。


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「シオン、そっちはどうだ?
 私は罠も鍵も見つけられなかったが」


宝物庫には宝箱が安置されていた。
通常、この手の固定的な財宝には最後の守護者...死に至るような罠が
仕掛けられているものだ。だが、この部屋には何もない。


「やはりウードの言ったとおり、我々は剣闘士ということなのかね。
 真打を倒した後は、面倒は無しと」


最終的に勝ったとはいえ、魔神共との戦いは危険をなぞるようなものであった。
アレを見て喜んでいる誰かが居るというのは、なんとも嬉しからざる事だが...


「まぁ、剣闘士なら剣闘士らしく。
 戦いの報酬を頂いていくとしようか」


いわくありげな武具らしき品々を、回収することにする。
槍はエレアノールとして、他はどうするか...後で考えればいいか。
それぞれを手にとって品定めを行う。


「なにか魔力のある品だと嬉しいんだが...
 ヘリオン君、わかるかい?」


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そうして、宝を調べてさあ帰ろうかという段に。


>―――素晴らしかったぞ―――
>―――お前達に会いたくなった。魔方陣に乗るがいい―――
   

「...ウード、どう思う?」


どうやら遺跡の主は未だ存命のようであった。
古代王国崩壊からすでに数百年、どんな形で生き延びたにせよ、
まっとうな人間ではないだろう。

我らが赤いツバメを見たいという気持ちは、分からぬでもないが...


「クローディア姫のような存在かもしれんな。
 ああ、クローディアというのは...」


事情を知らないはずのシオンとヘリオン君に、
ルミナス城の姫君の話をする。


「...つまり、霊体となって現代に生き延びた古代人が居たということだ。
 もしかしたら、ここもそうなのかもしれん...ああ、話が広まると本人が困るだろうし
 他言は無用に頼む」


幽体離脱の魔法は、古代語魔法のなかでも奥義にあたる高位魔術だ。
戦いになれば、魔神どころではない強敵になるのは間違いない。
ただでさえ剣も槍も通じない相手、魔力的に消耗しきった我々では刃は立つまい。


>ヘリオンが輝きをじっと見入る。
>「どうやら、この遺跡の主から招かれているようですね。
> 皆さん、どうしますか?」


「恐れながら...と帰ってしまうのも手だが、行ってしまったほうが安全な気もするな。
 貴賓席から我々を眺めていた誰かの顔を、私としても拝んでみたいし」

「シオンとエレアノールはどうだ?」


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-PLスキュラ-

逝っちゃいませう!


・各達成値
15:21:03 スキュラ@オート 槍 2d6+3 Dice:2D6[5,3]+3=11
15:22:07 スキュラ@ヘリオン 槍 2d6+6 Dice:2D6[1,1]+6=8

15:21:09 スキュラ@オート 弓 2d6+3 Dice:2D6[5,2]+3=10
15:22:42 スキュラ@ヘリオン 弓 2d6+6 Dice:2D6[5,4]+6=15

手袋
15:21:18 スキュラ@オート 手袋 2d6+3 Dice:2D6[4,2]+3=9
15:22:55 スキュラ@ヘリオン 手袋 2d6+6 Dice:2D6[1,6]+6=13



指定ダイス
15:21:26 スキュラ@オート 指定1 2d6 Dice:2D6[6,3]=9
15:21:30 スキュラ@オート 2 2d6 Dice:2D6[4,3]=7
15:21:34 スキュラ@オート 3 2d6 Dice:2D6[1,3]=4

15:23:01 スキュラ@ヘリオン 指定1 2d6 Dice:2D6[3,4]=7
15:23:06 スキュラ@ヘリオン 指定2 2d6 Dice:2D6[3,1]=4
15:23:10 スキュラ@ヘリオン 指定3 2d6 Dice:2D6[4,6]=10