ヘリオンからの依頼
ある日の昼下がり、ジョージの角無しミノタウロス亭。
いつもの様に店にたむろう冒険者達に、唐突にジョージは声を掛けた。
「お前達、今暇だろ?ちょっといい話があるんだが、
こっちで話を聞かないか」
暇だろ、と決め付けている辺りに違和感を禁じ得ない者も居た事だろうが、
そんな事お構い無しに、奥の個室を指差す。
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案内された個室には先客が居た。
少しそわそわしていた様だが、冒険者達の入室に気付いて慌てて姿勢を正す。
4人はその容姿に色々と思う所があるかも知れない。
先ず、その人物は魔術師のローブを身に付け、杖を壁に立てかけていた。
次に、首には星王ラーダの聖印が下げられていた。
そして、線の細い美貌と、長髪から飛び出た尖った耳。
「どうも、初めまして」
物腰穏やかに挨拶が発せられる。声は思春期の只中にある少年のそれだ。
「依頼人、ヘリオン・イーグレッツだ」
ジョージが捕捉する。
「依頼内容はだな、この坊やの遺跡探索の護衛だ」
ざっくばらん過ぎる説明。
「ええと、一つひとつ順番に説明しますね」
流石にそれは乱暴過ぎると思ったのか、ヘリオンが話し出す。
「僕は普段は郊外でお師匠様と一緒に暮らしています。
この前、お師匠様と書庫の整頓...大掃除をしていた所、
1枚の羊皮紙が見つかりました。
どうやら遺跡までの道筋を示したもののようですが、
お師匠様に尋ねても全く記憶が無いそうで」
その地図には、大まかな地形図と「通行証」という下位古代語のサイン、
それと文様が大きく刻印されていた。
「それから僕はオランの賢者の学院へ出向いてこの地図の事を
調べましたが、思わしい結果は出ませんでした。
この地図に記された場所には何も無い、と...
ですが、僕としては納得出来ません。実際にこの目で確認したいのです!」
話している内に次第に熱を帯びてくる。
「...と言うこった」
ジョージも苦笑いの表情だ。
「条件としては道中にかかる必要経費は全てお持ちします。
前金はお1人100ガメル、オランまで帰還したら300ガメル。
これだけしか出せずに申し訳ないです...
その代わり、遺跡で何か発見した場合は皆さんにお譲りしますので」
どうか、お願いします!そう言ってヘリオンは深く頭を垂れる。
「お前達、幾つかの依頼をこなして名を上げてきたよな?
そろそろ遺跡探索をして経歴に箔を付けちゃあ、どうだい。
俺も、お前達なら信頼出来る!って言うんで紹介したんだよ、
なあ、悪くない話だろ?」
4人の善意を頼りに見入りの無い話を押し付けている。
要約すればこう言う事なのだが...
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【GMより】
遅くなりすみません、それでは『遺跡へのパスポート』開幕します!
こちらはAルート、スワローテイルの皆様とシオンのルートになります。
さて依頼です!
「あるかどうか分からない遺跡の有無の実地調査への同行・護衛」
という内容です。報酬は本文の通り雀の涙です!(笑)
ですが遺跡内の獲得物については所有権を譲る、と申しております。
依頼人のヘリオン・イーグレッツ君はNPC欄にデータが出ています。
予備セージ要員兼電池としてお使いください!
本セッション用の装備は後日アップしますね。
羊皮紙は希望者はヘリオン君から見せて貰う事が出来ます。
その際、希望者はセージ技能+知力Bで判定をしても構いません(平目可)。
-GMからお願いしたい事-
○依頼を受けるか否か?(拒否するとセッション終了です!)
○事前購入の有無
・武具は鉄製通常品質のみ、例外として銀の矢とブリットは1セットのみ可
・魔晶石は3点までのものを1個購入可能
○その他、やりたい事
○装備の確定
以上、宜しくお願いします!
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角無しミノタウロス亭の、とある昼下がり--
食事をとろうと二階から降りてきた俺は、スワローテイルの三人組と出くわした。
一緒に昼飯でも、と声をかけようとした時、ジョージに呼び止められる。
奥の個室、という事は仕事の話か・・・
ああ、と短く返事をして、俺は奥の部屋へと向かった。
まぁ、ツバメの三人もきっと来るだろうしな。
奥の部屋に入ると、先客がいた。
何やら落ち着かない様子なのは、こういう場所は初めてなのか、また別の理由なのか・・・
ジョージに紹介された依頼人は、ヘリオン・イーグレッツ。
ハーフエルフの魔術師にして、ラーダ神官だった。
そして、彼の口から聞いた依頼内容は--
未知の遺跡の捜索、か。
そろそろ挑戦してみたいと思っていたが、こうも早く機会が来るとはな・・・
「わかった。この依頼受けよう。
俺はシオン、身軽さが取り得の男だ。」
ヘリオンに了解の意を示した後、言葉を続ける。
「まず、その羊皮紙を見せてもらってもいいだろうか?」
「確認なんだが、遺跡を無事に発見できた場合はどこまで探索をすればいい?
中に入った結果、もし俺達の手に負えない場合はどうするつもりだ?」
「それじゃ、改めてヘリオン。よろしく頼む」
皆の話が一段落した後、そう言って依頼人へと握手を求めた。
-PL-
依頼を受けます。
事前準備としてランタンを一つ購入します。 -40G
装備はキャラクターシートにある通りで。
というか持ち込める量等、制限はありますか?>GM
質問はとりあえず思いついたものを。返答後に追加するかもしれません。
あ、ヘリオンから羊皮紙を見せてもらいます。
・・・宣言通りのダイス運め(><)
20:09:15 シオン 文様 2d6+3
Dice:2D6[4,5]+3=12
20:09:05 シオン 羊皮紙 2d6+3
Dice:2D6[3,1]+3=7
もちろん!
「行くっ!おもしろそう!」
冒険者って言えば遺跡だよね!
「わたしはエレアノール!長かったらエルでもいいよ。
こっちのオートとウードといっしょにパーティを組んでるんだ。
よろしくね!」
って言って、手を差し出す。
やっぱり握手は大事だよね。
--------
「わたしにも地図、見せて!」
ないはずの遺跡のことが書いてある地図。
大きな紋様。
ううーん、えーっと。
そんな話、なんかあったっけ...
--------
「シオン、こうやっていっしょに仕事するのは久しぶりだね」
前いっしょだったのは、夏ごろの暑い時期。
ひとつの兜を巡って起こった事件。
そういえばシオンもあの時より強そうになってるような気がする。
「今回もがんばろうね!
わたしたちもあの時より強くなってると思うから!」
ーPLー
うわー顔グラが素敵でうわー!
ニヤニヤが止まりません!
依頼はもちろん受けます!
買い物は特にありません、装備もPC欄の通りで大丈夫です。
追加の質問も特にありません。
そして皆と同じく羊皮紙への判定を。
ーダイスー
羊皮紙ー 2d6+3
Dice:2D6[1,6]+3=10
紋様ー 2d6+3
Dice:2D6[1,2]+3=6
ダメそう。
「場所は調べたとおっしゃいましたが、具体的にはどのあたりでしたか?
街道から大きく外れるなら、野営の準備を厳重にしたいところですが...」
オートの問いにヘリオンは答える。
「オラン郊外の丘陵地帯になります。
距離にして徒歩で7日位になりましょうか。街道からは外れます。
見晴らしがいいので、襲撃には備え易いでしょう。
むしろ気候条件の方を気にした方がいいかも知れません」
春になったばかりの今の季節は、寒暖の差がまだ激しい。
寒さへの備えは必要であろう。
「この紋様も気になりますな。
ただの飾りか、家や組織の紋章なのか...調べはついておられる?」
「自分で調べましたし、学院で賢者イライジャ様に調べて頂きましたが、
分かりませんでした。お師匠様もよく分からなかったのです。
文様は何者かを指し示した紋章、という事が推測出来た位です」
申し訳無さそうにヘリオンは言う。
「それから『通行証』という文句にも何かあるような。
これ自体が魔法の品だったりはしませんでしたか?
例えば、遺跡の扉を開くための魔法の鍵になっているとか...」
「それは私も考えました。だからこそ、現地へ行ってみたいのです!」
ヘリオンは力強くオートの言を肯定する。
そしてオートは《魔力感知》の呪文を詠唱し、自分の目で確認を行う。
魔力は、感じられない。
「まず、その羊皮紙を見せてもらってもいいだろうか?」
「ほんじゃ俺にも地図を見せてくれよ」
「わたしにも地図、見せて!」
地図を見ようと身を乗り出す面々に、ヘリオンは苦笑する。
「分かりました。では実際にお見せしますね」
ヘリオンは机の上に件の地図を広げた。
一見してかなり古い。
ウードは、傷み具合からこれが古代魔法王国時代の物だと確信する。
文様は、通常の紋章学では理解出来ない複雑な物であった。
かろうじて、何者かを象徴している事は感じ取れる。
だが、それ以上までは分からない。
続けてウードは沈思する。
地図に描かれた地方にまつわる伝承を記憶の中から探ろうとするが
ぱっと思いつくものは浮かばなかった。
「確認なんだが、遺跡を無事に発見できた場合はどこまで探索をすればいい?
シオンが尋ねる。
「行ける所まで行ってみましょう。勿論私も死にたくは無いので、
そう判断した場合は戻る事になります。
ただ、私には判断がつきかねる場合があるかも知れませんので、
その様な時は遠慮せずにご意見をください」
ヘリオンの回答は、この様なものであった。
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「わたしはエレアノール!長かったらエルでもいいよ。
こっちのオートとウードといっしょにパーティを組んでるんだ。
よろしくね!」「それじゃ、改めてヘリオン。よろしく頼む」
「道中の安全と、もし遺跡が見つかったら、
中の『掃除』はお任せあれ」
「皆さん、宜しくお願いします」
一通りの交渉が終わり、改めて挨拶を交わす。
「ところで、道中など御師様のお話などお聞かせくださいませんか。
まだ使い魔も持てぬ身ですが、
やはり『本物』の御方には興味が湧きまして...」
オートのやや性急な願いについては、
「お師匠様の話ですか、分かりました。
どれ程お気に召すは分かりませんけど」
そう言って控えめに了承するのであった。
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【GMより】
お待たせしました、進行です!
こちらはAルート、スワローテイル・シオンのルートになります。
質問については本文でお答えした通りです。漏れは...無い筈!
-判定の結果-
・地図そのものについてについて【最大達成値15】
→古代魔法王国時代のものである事が判明
・伝承知識について【最大達成値13】
→関連のある伝承は思い浮かばない
・文様について【最大達成値12】
→名前は分からないが何者かの紋章である事は分かる
-Bルートとの時差について-
先のBルートの記事で触れましたが、
時間軸の上ではAルートはBルートよりも過去の話となっています。
Bルートよりも6日前です。
-事前準備及び買い物について-
○装備 :全員全て持ち込み
○購入 :シオンランタン1個40ガメル
○その他:特に無し
以上で間違い無いでしょうか、全て了承です!
保存食についてはヘリオン君持ちとみなして購入は無しで結構です。
ただ、ランタンの油や松明、パペットの触媒等、
その他の消耗品は細かく管理するのでご注意を!
-ダイスチャットからの添付-
今回は無し!
-次回進行について-
質問及び追加宣言が無ければ、一気に遺跡へと場面転換するつもりです。
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オートの問いに答えるヘリオン。
オランから7日の丘陵地帯に目的の場所はあるらしい。
皆で地図を見せてもらうも、特にまだ知識の浅い俺には解らなかった。
が、ウードは何やら思い出したようだ。
さすが詩人だけあって伝承などにも詳しいみたいだな。
近くにある未知の遺跡とは・・・胸が躍るな。
何処まで潜るという俺の質問には、行ける所までと返答がきた。
「解った。なるべく奥まで行けるように最善を尽くすさ。」
と依頼主に返す。
出来る事なら自分達で見つけたのなら全て探索したいからな。
話が纏まったところで、オートが何やら符丁を飛ばしてきた。
ギルドへの確認、か・・・
未知の遺跡な上、オランからも距離がある。
もし報告するなら事後でもいいだろう。
(いや、今回は聞かなくていいだろう)
と、符丁で返す。
そういえば、オートはギルドと関わる事には神経質になっていたようだったが・・・
率先して聞いてくるとは、何か心境の変化でもあったのか?
心なしか顔付きが変わっているようにも思える。
後で機会があれば聞いてみるか。
>「シオン、こうやっていっしょに仕事するのは久しぶりだね」
>「今回もがんばろうね!
>わたしたちもあの時より強くなってると思うから!」
「久しぶりだな、ウード。エル。
こっちこそ、スワローテイルの活躍は聞いてるよ。」
ツバメの三人はそれぞれに腕を上げたようだ。
「まぁ、俺は仲間に恵まれていただけだけどな。
今回も頼らせてもらうよ。」
そう笑いながら拳を突き出した。
「じゃあ、俺も支度をしてくる。すぐ戻るさ。」
-PL-
フレーバー&れっつごー日記。
予備の明かりは、へっくんにランタンでも持ってもらいましょうか?
>「ふーむ、こんだけ古いとなると、こりゃクローディアのお姫さんの時代からあったに違いないよ」
「ふーん」
そんなに昔からかあ。
それ以上のことはウードにもよくわからないんだって。
>「ほいじゃま、さっそく出発の準備にかかるとしようか」
「おーっ!」
なんか持っていかなくちゃいけないものあったかな?
「じゃあわたしが持つ!
みんな持っていくものあって大変でしょ?」
わたしは槍とか鎧くらいしか重たいもの持ってないから。
-PL-
短いですがフレーバー日記を。
という訳で遺跡にレッツゴーです!
「じゃあ、私は部屋からテントを持ってくるよ。
出発したら部品は分担させてくれ。私一人だと重い」
「じゃあわたしが持つ!
みんな持っていくものあって大変でしょ?」
荷物持ちを力強く宣言するエレアノールに、ヘリオンは驚く。
「ええ!?エレアノールさんが持つんですか?」
とは言うものの、自分の非力を重々承知しているだけに、次の言葉が出ない。
「...《石従者》を永続出来たら便利でしょうね。
遺跡に残ってないかなあ、ねえオート先輩」
思わずオートに同意を求めてしまうのであった。
「とにかく、契約は成立だな。おめでたいこった!
今夜の晩餐は、このジョージが持たせて貰おうか。奮発するぜ!」
ジョージが手を叩いて宣言する。
「本当ですか?有り難うございます!」
思わぬ計らいにヘリオンが喜ぶ。
それはこの上ない景気付けであった。
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事前準備を素早く終えた5人は、晩餐で大いに英気を養った。
2日酔いしない程度に抑えたのは、冒険者としての嗜みだ。
そして翌朝、朝もやが立ち込める中、ジョージの店の前に集まる。
「お早うございます。皆さん、眠くはないですか」
目の下に隈を作り、やや疲れ気味の様子のヘリオン。
昨晩騒いだ事もあろうが、興奮して眠れなかった事も大きいだろう。
その手にはしっかりと地図が握られている。やる気は十分だ。
「では皆さん、少し長い旅になると思いますが宜しくお願いします」
ぺこりと頭を下げる。
「道中、宿場村を幾つか通ります。
食料や必需品は適宜買い足していきましょう。
荷物はなるべく軽い方がいいですからね」
その視線の先には、エレアノールがあった。
だが、すぐに視線を逸らし、気付かれないようにする。
昨日の会話を受けての、彼なりの気遣いだろうか。
「では、出発しましょう。我々の前途に、ラーダの祝福がりますように!」
こうして、探索行が始まった。
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【GMより】
お待たせしました、では進行です!
こちらはAルート、スワローテイル・シオンのルートになります。
ヘリオン君にエレアノールへのフラグを立ててみるテスト。
○スキュラさん
・オークの触媒を3つ入手
・到着の前夜に4倍拡大《ライト》をソードブレイカーにかける
以上、受領です!
ではカテゴリを移動します。
「入口」に記事を投下しますのでお待ちくださいませ。