入口
5人は街道を進んで行く。
旅人や行商人の往来もあり、1日毎に宿場村も存在する。
オラン近辺は治安も良く、非常に牧歌的な行程となった。
道中、尋ねられればヘリオンは闊達に話をしてくれる事だろう。
故郷の村でラーダ神殿を1人で切り揉みし、
師匠の手伝いをしながら文献を漁り、野外調査へ出掛ける日々。
草原妖精の少女と成り行きでゴブリンの群れを退治した話や、
スターフォール修道院へアルミナ彗星を見に行った時の話など、
華奢な外見とは裏腹な行動力に、一行は驚かされたかも知れない。
逆に、質問も山程された事だろう。
好奇心が先立つと止まらなくなる性格故、時には面倒だったかも知れない。
特にオートは共通点が多い為、取り分け熱心に声を掛けられた事だろう。
「エレアノールさんって凄いですね。女の子なのに戦士で、力持ちで。
今まで合って来た人達の中には居なかったな、ああ言う人」
「僕はほら、半妖精ですし、剣を持って戦うなんて出来ないですから...
尊敬しちゃいますよね。羨ましいです」
会話の端々に、エレアノールの名前が挙がる。
この事に、オートはどの様な感情を抱いただろうか。
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オランを出て5日目。
最後の宿場街で食料品や薪を買い込み、街道を外れて丘陵地帯を進む。
見晴らしが良い為、獣や盗賊の襲撃には備え易い。
だが、春の夜の寒さが堪える。
点々と存在する潅木に身を寄せ、野営を貼って暖を取った。
見張りを決め、起きている者は周囲を警戒しながら時には語らう。
幸い、大過無く朝を迎える事が出来た。
丘陵地帯を進むのに、エレアノールが活躍した。
野伏として鍛えられた方向感覚や勘、地形に関する造詣が、
知識のみで実践に乏しいヘリオンを上手く補う形となった。
「エレアノールさんって、本当に凄いんですね!」
てきぱきと動くエレアノールを、感激の思いで眺めるヘリオンであった。
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オランを出て7日目。
地図が指し示していると思われる界隈に、遂に到達する。
「何も見えませんね...」
軽い失望感を口にしつつ、ヘリオンはそれでも改めて周囲を見回す。
なだらかな傾斜の丘陵が、一面穏やかに波打っている。
足元には新緑も鮮やかな草が芽吹き、流れる雲の影を映している。
「...っ!」
と、地図が仄かに発光し始めた。
よく見れば、文様の箇所が一際強く光を放っている。
すると、どうだろう。
周囲の景色が歪み出した。
奇妙な感覚に襲われ、身動きが取れない。
しばらくすると地図の発光が収まり、不思議な現象も止まる。
身体の自由を取り戻した時、視界内に明らかな変化が起きていた。
眼前の窪地に地下に続く階段が現れたのだ。
「これは!やっぱりこの地図は『通行証』だったんですね!
きっと幻覚を解除する引き金だったんですよ!
これなら誰が探しても解からなかったのが分かる!
凄い!凄い!僕は間違って無かったんだ!」
ヘリオンは歓喜の余り、顔を真っ赤にしてまくし立てている。
彼をなだめ落ち着かせるのに、幾許の時間を要した事だろう...
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階段を慎重に進み、闇へとその身を浸して行く。
オートが事前に準備した《光明》の掛かった短剣が役に立っただろう。
人の出入りなど無かったのだろう、空気は澱んでいる。
湿った土の匂いで噎せ返りそうだ...
階段を下りきった先は、小さな空間があった。
正面には、鉄製の厳重な扉が行く手を塞いでいる。
両脇には、1対の彫像が意味有りげに聳えている。
鉄製の扉には、上位古代語の文言が書かれ、
地図にあるのと同じ文様が刻まれているのが分かる。
―――『通行証』を持つ者へ。守護者を打ち倒し、扉を潜る資格を示せ―――
「...と書いてあります。『守護者』って何でしょう?」
と一行に文言を説明しながらヘリオンが疑問を口にしたその瞬間。
ぎぃんっ!!
「...え!?」
彫像の眼が光り、突然襲い掛かって来たっ!!
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【GMより】
続けて進行、一気に遺跡の入口まで来ました!
こちらはAルート、スワローテイル・シオンのルートになります。
はい、突然ですがいきなり戦闘です!
-戦闘について-
○敵は固定値使用、セミオート戦闘を用いて処理します。
○不意打ちは無し、事前準備無しで第1ラウンドから始まります。
○大まかに前列と後列に隊列を分けておいてください。
○怪物は同一種が2体です。<怪物判定>をどうぞ!
何方かヘリオン君の代振りをお願いします。基準値は6です。
○働いている精霊力は土・闇・精神です。火・光は明かり次第でしょう。
○明かりは誰がどのようにして持っているかをはっきりさせてください。
《ライト》ソードブレーカー1つで戦場全体の視界はカヴァー出来ます。
○ヘリオン君の行動宣言も決めてください。
○第1Rの行動宣言は、2体とも
「前列の誰かを攻撃する(ダイスで決定)」
です。
質問があればどしどしどうぞ!
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「了解だ。
>「ええ!?エレアノールさんが持つんですか?」
「うん! こう見えてもわたし、けっこう力持ちなんだよ!」
もちろん、もっともっと力持ちな人はたくさんいるけれど。
「えへへ、あれはたまたまわたしがとどめを刺しただけだよー。
その前は全然だったもん」
---------
ヘリオンは色々なことを知ってて、話を聞いていると楽しい。
けっこう長く歩いてるのに全然つまらなくならないのは、ヘリオンのおかげでもあるんだと思う。
オランを出て5日目、街道から外れて、ゆるやかな丘の続く場所についた。
「ほら、こっちこっち!」
丘を駆け登ってみんなに手を振る。
ーPLー
フレーバァ日記!
ーセミオート戦闘宣言ー
・1R目は後衛からスタート。行動遅延で前衛に移動後、強打+2
・それ以降は敵の攻撃対象になっていない場合は強打+2
攻撃対象になっている場合は防御専念
・ターゲットはダメージの大きい方の敵を優先
見づらかったり分かりづらかったらすみません!
襲い掛かる2体の守護者。
5人は落ち着いて対処した。
ウードは大盾を油断なく構えて敵の足を止める。
オートは《士気》の呪歌を奏で、仲間に力を与える。
援護を受けてから、エレアノールとシオンが飛び出し、必殺の突きを放つ!
ごがぁっ!!
岩の砕け散る音が木霊する。
守護者の内1体は、文字通り瓦礫となって粉砕された。
そしてもう1体が瓦礫と化すまで、多くの時間を必要としなかった。
ウードの蛮剣が唸り、守護者の身体を削り取る。
エレアノールは堅実な身のこなしで巧みに攻撃をかわした。
止めの一撃が、ウードによって為される。
重い感触と痺れが、手の中にじわりと残った。
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―――汝らの資格を認める―――
戦いが決着して間も無く、辺りに声が鳴り響いた。
堅く閉ざされていた扉が青く発光し、ゆっくりと開いていく...
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【GMより】
大変お待たせしました、セミオート処理終了です!
こちらはAルート、スワローテイル・シオンのルートになります。
結果は4R完封勝利でした。おめでとうございます!相手になりませんでしたね。
前衛2人もクリティカル出すってどう言う事だよw
今回全員<怪物判定>に失敗したので、モンスターは「名称不明」と
させて頂きました。ご了承ください。
セッション終了時にセージ技能所有者には<文献調査>の機会を与えます。
ですのでお楽しみに!
カテゴリを移動します。
「地下1階」に記事を投下しますのでお待ちくださいませ。
-戦闘結果-
○第1ラウンド
A21ウード :前列にて防御専念
A16名称不明A :ウードに攻撃→外れ!
A16名称不明B :ウードに攻撃→外れ!
A15ヘリオン :待機!
A14オート :《モラル》→成功!
A 0エレアノール:前列へ移動&名称不明Aに強打D+2
→17点ダメージ!
A 0シオン :前列へ移動&名称不明Aに強打Cr-1
→15点ダメージ!名称不明A破壊!
○第2ラウンド
A21ウード :名称不明Bに強打D+2→17点ダメージ!
A20シオン :名称不明Bに強打Cr-1→10点ダメージ!
A18エレアノール:防御専念
A16名称不明B :エレアノールに攻撃→外れ!
A15ヘリオン :待機!
A14オート :《モラル》継続!
○第3ラウンド
A21ウード :名称不明Bに強打D+2→10点ダメージ!
A20シオン :名称不明Bに強打Cr-1→10点ダメージ!
A18エレアノール:防御専念
A16名称不明B :エレアノールに攻撃→外れ!
A15ヘリオン :待機!
A14オート :《モラル》継続!
○第4ラウンド
A21ウード :名称不明Bに通常攻撃
→10点ダメージ!名称不明B破壊!
【ダイスチャットからの添付】
09:32:12 テッピン@GM セミオート戦:名称不明2体
09:32:20 テッピン@GM 第1ラウンド。
09:32:40 テッピン@GM 前列:ウード、後列:他4人
09:33:41 テッピン@GM A21ウード、防御専念
09:34:01 テッピン@GM 回避A 2d6+8 Dice:2D6[2,4]+8=14
09:34:15 テッピン@GM 回避B 2d6+8 Dice:2D6[4,3]+8=15
09:34:24 テッピン@GM 全て回避。
09:34:33 テッピン@GM オート《モラル》発動 2d6 Dice:2D6[5,2]=7
09:34:38 テッピン@GM 発動
09:35:27 テッピン@GM A0エレアノール、名称不明Aに移動&強打D+2 2d6+7 Dice:2D6[5,5]+7=17
09:35:31 テッピン@GM 命中!
09:35:47 テッピン@GM r28@10+8 Dice:R28@10[5,4:9]+8=17
09:36:21 テッピン@GM 17点ダメージ。
09:37:20 テッピン@GM A0シオン、移動してAに強打Cr-1 2d6+7 Dice:2D6[2,4]+7=13
09:37:28 テッピン@GM 命中!
09:37:47 テッピン@GM r17@8+5 Dice:R17@8[5,6:7][1,4:3]+5=15
09:40:40 テッピン@GM 正体不明A破壊!
09:41:06 テッピン@GM 忘れてた、A15ヘリオン待機。
09:41:18 テッピン@GM 第2ラウンド。
09:41:29 テッピン@GM 攻撃対象決定
09:41:46 テッピン@GM 1ウード 2エレアノール 3シオン 1d4 Dice:1D4[2]=2
09:41:53 テッピン@GM エレアノール
09:43:03 テッピン@GM A21ウード 強打D+2 2d6+5 Dice:2D6[6,3]+5=14
09:43:07 テッピン@GM 命中!
09:43:26 テッピン@GM r16@10+7 Dice:R16@10[4,6:7][4,1:3]+7=17
09:43:40 テッピン@GM 17点ダメージ。容赦無いなあ...
09:43:57 テッピン@GM A18エレアノール 防御専念
09:44:26 テッピン@GM 忘れてた、A20シオン 強打cr-1 2d6+7 Dice:2D6[2,5]+7=14
09:44:33 テッピン@GM 命中!
09:44:44 テッピン@GM r17@8+5 Dice:R17@8[2,5:5]+5=10
09:44:58 テッピン@GM 10点ダメージ。
09:45:40 テッピン@GM A16 正体不明B回避 2d6+7 Dice:2D6[4,3]+7=14
09:45:45 テッピン@GM 回避!
09:45:55 テッピン@GM A15 ヘリオン待機
09:46:08 テッピン@GM A14 オート《モラル》継続
09:46:22 テッピン@GM 第3ラウンド。
09:46:31 テッピン@GM 攻撃対象決定 1d3 Dice:1D3[2]=2
09:46:37 テッピン@GM またエレアノールw
09:46:52 テッピン@GM A21ウード 強打D+2 2d6+5 Dice:2D6[5,5]+5=15
09:46:56 テッピン@GM 命中!
09:47:03 テッピン@GM r16@10+7 Dice:R16@10[2,3:3]+7=10
09:47:12 テッピン@GM 10点ダメージ。
09:47:45 テッピン@GM A20シオン 強打cr-1 2d6+7 Dice:2D6[4,4]+7=15
09:47:49 テッピン@GM 命中!
09:48:00 テッピン@GM r17@8+5 Dice:R17@8[6,1:5]+5=10
09:48:12 テッピン@GM 10点ダメージ、まだ残ってる!
09:48:34 テッピン@GM A16 正体不明B回避 2d6+7 Dice:2D6[4,6]+7=17
09:48:44 テッピン@GM 回避!
09:48:59 テッピン@GM A15 ヘリオン待機
09:49:08 テッピン@GM A14 オート《モラル》継続
09:49:15 テッピン@GM 第4ラウンド。
09:49:24 テッピン@GM 攻撃対象決定 1d3 Dice:1D3[1]=1
09:49:30 テッピン@GM ウード。
09:49:44 テッピン@GM A21ウード、通常攻撃 2d6+5 Dice:2D6[5,4]+5=14
09:49:48 テッピン@GM 命中!
09:49:53 テッピン@GM r16@10+5 Dice:R16@10[6,2:5]+5=10
09:50:08 テッピン@GM 10点ダメージ、これにて破壊!
09:50:21 テッピン@GM 戦闘終了!
・・・もう終わったの?
やっぱりウードもシオンも強くなってる。
わたしもがんばらないと!
「じゃあウードは歌うたいの戦士さんだね!
うたって戦う歌うたい!」
なんか強そう!
--------
ヘンな像を倒したと思ったら、こんどはヘンな声が聞こえてきた。
そして扉が勝手に開く。
遺跡がわたしたちのことを認めてくれたんだね。
この中にはどんなモノがあるのかな!
>「入ったら自動的に閉まっちまうなんてオチはないだろな?」
「ドカーン!ってバクハツしたりしないよね?」
-PL-
という訳で短いですがフレイバア日記!
あっという間の出来事だった。
打ち合わせ通り、ウードがまず大盾で彫像が振るう腕を受け止める。
オートの歌う呪歌により、頭を冴え相手の動きが良く見える。
「行くぞ、エル!」
その背後から二人で飛び出し、そのまま同時に突きを放つ。
確かな手ごたえと共に、彫像は崩れ去った。
まずは一つ。
しかし、間近で見ると凄まじいな、エルの槍の威力は・・・
そのままウードの蛮剣がもう一体に止めを刺すまでは、大した時間は必要なかった。
初仕事の時に比べて、皆の動きは格段に良くなっている。
・・・心強いものだ。
>「じゃあウードは歌うたいの戦士さんだね!
>うたって戦う歌うたい!」
「ならいっそ、歌いながら戦ってみたらどうだ?」
などと冗談を飛ばしながら、剣を収める。
二対の彫像が崩れると、頭に先程の声が響いてくる。
汝らの資格を認める、か・・・
この分だと、中も大層立派な"お出迎え"が待っていそうだな。
>「入ったら自動的に閉まっちまうなんてオチはないだろな?」
>「ドカーン!ってバクハツしたりしないよね?」
「何、扉が閉まったのなら、きっと出口は別にあるって事さ。
しかし爆発は勘弁してもらいたいがな・・・」
- - -
出発前夜--
>「うん...いろいろあってな。
「まぁ、気付いてはいたよ。
そもそも、符丁が解る時点で同業者だって事は解るさ。」
それから、オートは語り始めた--
なるほど・・・トラウマを超えたって事か。
知らなかっただけかもしれないが、ギルド相手にトラブルっていうのはなかなか勇気がある話だ。
・・・まぁ、人の事を言えないかもしれないけどな。
そう言いながら俺にエールを差し出してくる。