魔法使いの白と灰色

オート・メララ [2013/04/13 23:31]
>(いや、今回は聞かなくていいだろう)


(心得た)


シオンと符丁を交わす。
そのときちらりとシオンがこちらを見た...あるいは覗きこんだ...ような
気がしたのだった。

シオンの目は鋭く、そして影が深い。

そういえばシオンは精霊使いでもあるが、
精霊使いは人の気を読むという話を何かかで読んだ事があった。


「...遺跡と言えば罠だ。
 頼りにしてるぜ、シオン」


だが、シオンが何を考えたのか。私が何を説明できるのか。
いちいち話し合う事でもないだろう。
いずれそういう時になったら...と、この場は何も触れずに
流してしまうことにした。


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>「...《石従者》を永続出来たら便利でしょうね。
> 遺跡に残ってないかなあ、ねえオート先輩」


「それはもう立派なゴーレムでしょう。
 いや、便利なのは間違いないでしょうが」

「それに、先輩などと...私の事は普通にオートで結構ですよ。
 なにしろ、まだ杖を手にして一年と経っていないのですから」

「代わりと言っては何ですが、依頼主殿も名前で呼ばせていただけますか。
 さっきは堅苦しく喋りましたが、本当は敬語は苦手でね...」


ポリポリと頭をかく。
エレアノールに置いて行かれぬよう、大人になろうと決めた私だが、
威厳が無いのだけは気にしない事にしている。

私はエレアノールが自分らしく生きる姿が好きなのだから、
私もそうあろうと思ったからだ。もちろん、それはウードに対しても。


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だが、大人になるとは言っても、
気になる事は気になってしまうもので。


>「ええ!?エレアノールさんが持つんですか?」

>その視線の先には、エレアノールがあった。
>だが、すぐに視線を逸らし、気付かれないようにする。


最初のうちは、それこそ娘を褒められているような気分で...
ヘリオン君がエレアノールに興味を示すたび私もいい気分だった。


「アイツは見かけはちんちくりんだが、馬鹿力でなぁ。
 いつかの時など、オーガーを串刺しにしたこともあったんだよ」


子供の自慢をする親の気持とはこんなモノなのだろうかと、
ちょっと話を盛ってみたりしながら、楽しく道中を送っていた。

なのだが。

.
.
.


>「エレアノールさんって凄いですね。女の子なのに戦士で、力持ちで。
> 今まで合って来た人達の中には居なかったな、ああ言う人」


「...そうだな。
 あいつは力もあるし、才能もある。おまけに気立てもいい。
 なかなか居ない子だと思うよ」


オランを出てすぐの頃と同じエレアノール自慢のはずなのだが、
だんだん胸の中がモヤモヤしてくる。世にも醜い男の嫉妬というヤツだろうか。
自分で自分の心のなかが把握しきれない。

...あるいはそれは、エレアノールとヘリオン君の歳が近いこと、そして
ヘリオン君が魔術師で、ラーダ神官で、学も立って、なによりも盗賊で無くて...要は、
『私はこんな姿でエルに会いたかった』とでもいうような、私の思う
ある意味での理想の姿であったからかもしれなかった。
おかしい、シーフうんぬんに関しては、前回の仕事である程度
割り切れたはずだったのだが。

だが、ブス面を出して皆に気を使わせる訳にはいかない。
今回の私は大人なのだ...あくまで平静を装う。


>「僕はほら、半妖精ですし、剣を持って戦うなんて出来ないですから...
> 尊敬しちゃいますよね。羨ましいです」


「なんの、腕力が無ければ頭で戦えばいいし、魔法だってある。
 半妖精といったって人間とエルフの、近縁種同士の血が交じり合っただけ。
 そんな事は、エレアノールは気にしないさ」


力の無いことも、歳のことも、エルが気にしないといいなぁ...
そんな私の希望的観測も込めてヘリオン君を励まし、
あるいは炊きつけるのだった。

.
.
.


>「エレアノールさんって、本当に凄いんですね!」
>てきぱきと動くエレアノールを、感激の思いで眺めるヘリオンであった。


「ああ、興味があるなら一緒について歩いてみるといい。
 アイツも他人に教えるのはいい勉強になるだろうし...エレアノール!
 ヘリオン君に外歩きを教えてやってくれ」


ややもするとエルを独占したくなる気持ちを抑えこもうと、
エレアノールを呼び、ヘリオン君の肩を押す。


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そしてついに目的の地点に到着する。
最初は何もない芝生の丘と思われたが、実は魔法で隠された場所だったようで...


>しばらくすると地図の発光が収まり、不思議な現象も止まる。
>身体の自由を取り戻した時、視界内に明らかな変化が起きていた。
>眼前の窪地に地下に続く階段が現れたのだ。


「ううむ、幻覚の魔法...いや、それだけでは階段が開きっぱなしだな。
 遺跡の構造自体が機械的に変形したのか、それとも接触できる結界か」


遺跡の中ももちろんではあるが、まずこの階段からして興味深いものがあった。
古代より今まで数百年、どうやって雨風や土の圧力から守られてきたのか...

だが調査行の主であるヘリオン君などは、私などよりはるかに喜びが強いようで。


> これなら誰が探しても解からなかったのが分かる!
> 凄い!凄い!僕は間違って無かったんだ!」


「待った待ったヘリオン君!まだエントランスにもお邪魔していないんだ。
 喜ぶのは中を改めてからにしよう...賢者はここからが腕の見せ所だよ」


これほど大掛かりに隠蔽されていた建造物なのだ。
きっと何かの意味があるはず。そしてそれに見合う守護者が居るはず...

戦士達が突破出来るよう、罠を見抜き魔力を阻むのが後衛の仕事と、
自分と共にヘリオン君にも気合を掛けたのだった。


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「シオン、前の警戒を。
 私は後ろを見る」


エレアノールとウード、シオンと私。
戦士と盗賊がそれぞれ二人ずついるので、暗視能力のあるシオンに前を任せ、
私は後ろを担当することにする。


「ウード、戦闘になったら頼んだ。
 エレアノール、ウードの言うことを良く聞いてな」


今日はパックが居ないが、それでもこのメンバーは前にも冒険を
成功させた事がある。気を抜かなければ、そうそうドツボには嵌らぬはず...
後ろをチラチラ見つつ、階段を進む。


「あとヘリオン君、依頼主に悪いんだが...ランタンを頼んでいいかな?
 魔法の明かりがかき消される事もあるかもしれないから、火も欲しいんだ」


一緒に遺跡に潜ったからには、依頼主でも立派な人手。
指先を自由にしたい盗賊や、両手に武具を持つ戦士たちに負担がかからぬよう、
後衛二人で明かりを掲げることにする。


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さらに下って、ついに正門らしき場所まで降りてくる。
罠か守護者か、何かがあるならここからだが...


>―――『通行証』を持つ者へ。守護者を打ち倒し、扉を潜る資格を示せ―――
>「...と書いてあります。『守護者』って何でしょう?」


「...いかん、ヘリオン君!」


あわててヘリオン君を引っ張り、二人で後ろに下がる。


>ぎぃんっ!!
>「...え!?」
>彫像の眼が光り、突然襲い掛かって来たっ!!


「ウード、エレアノール、頼むぞ!
 シオンも無理はするなよ」


以前であれば私も前に出ようとしたかもしれないが、それは結局のところ
仲間の負担を増やすだけだと分かったので、おとなしくしておく。

無理に剣を振らずとも、魔術、奇跡、呪歌と、
私の武器は色々とあるのだから。


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-PLスキュラ-

ウジウジするようなしないような、微妙な雰囲気を醸し出しながら
行動ルーチンを!

後衛組ということでヘッくんのも出してみました。
修正ありましたらよろしくお願いします。
きっと適当です(

前衛組はルーチン組みガンバッテー(

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オート

開始位置:後衛

1.楽器を装備し、呪歌『モラル』を使用。

2.味方がHP5以下になったらキュアウーンズを使用。
 先にウードが回復した場合はキャンセルする。

 燃費でも回復量でもウードが上回るので、なるべくオートは
 キュアしないように行動します。


ヘリオン

開始位置:後衛

1.待機。

2.MPが5以下になったルンマスがいたら、MPが6になるようにトラファ。

 ただし、トラファによってヘリオン自身が気絶することのないように
 譲渡MPは調整します。