資格を得る
シオン
[2013/04/20 12:11]
あっという間の出来事だった。
打ち合わせ通り、ウードがまず大盾で彫像が振るう腕を受け止める。
オートの歌う呪歌により、頭を冴え相手の動きが良く見える。
「行くぞ、エル!」
その背後から二人で飛び出し、そのまま同時に突きを放つ。
確かな手ごたえと共に、彫像は崩れ去った。
まずは一つ。
しかし、間近で見ると凄まじいな、エルの槍の威力は・・・
そのままウードの蛮剣がもう一体に止めを刺すまでは、大した時間は必要なかった。
初仕事の時に比べて、皆の動きは格段に良くなっている。
・・・心強いものだ。
>「それにしてもウード、お前があんなに剣を振るうのは初めてみるなぁ。
> もしかしてリアナ・シャルの教えか?」
>「あんだけの凄腕のカタナ捌きを見れたんだ、そりゃあ腕前もちっとは上がるさ。
> しっかし、これじゃあ歌うたいじゃなくて戦士みたいだな」
>「じゃあウードは歌うたいの戦士さんだね!
>うたって戦う歌うたい!」
「ならいっそ、歌いながら戦ってみたらどうだ?」
などと冗談を飛ばしながら、剣を収める。
二対の彫像が崩れると、頭に先程の声が響いてくる。
汝らの資格を認める、か・・・
この分だと、中も大層立派な"お出迎え"が待っていそうだな。
>「入ったら自動的に閉まっちまうなんてオチはないだろな?」
>「ドカーン!ってバクハツしたりしないよね?」
「何、扉が閉まったのなら、きっと出口は別にあるって事さ。
しかし爆発は勘弁してもらいたいがな・・・」
- - -
出発前夜--
>「うん...いろいろあってな。
> 私が『あの』ギルドの一員なのは、シオンには喋っていたっけな?」
「まぁ、気付いてはいたよ。
そもそも、符丁が解る時点で同業者だって事は解るさ。」
それから、オートは語り始めた--
なるほど・・・トラウマを超えたって事か。
知らなかっただけかもしれないが、ギルド相手にトラブルっていうのはなかなか勇気がある話だ。
・・・まぁ、人の事を言えないかもしれないけどな。
>「というわけで、私も同業者と言う訳だ。
> シオン、改めてよろしくな」
そう言いながら俺にエールを差し出してくる。
俺はそれを受け取り、
「あぁ、よろしく。
今回は念願の遺跡探索だ・・・思う存分その業を使えるな。」
フォローを頼むよ。と改めて言いながら、差し出されたエールを口につけた。
・・・てっきりエルの事で何かあったと思ったんだけどな。
まぁ、野暮は馬に蹴られるのが世の慣わしだ。
宴が終わり、去るオートの背中を見ながら、そんな事を思っていた。
無茶はするなよ、オート。
-PL-
フレーバー(どうしてこうなった)日記。