先陣を切る
壁画を眺めて唸ってたら、先輩が声をかけてきた。
ところでルーイ、判らないと切り捨てるのは良く在りませんよ。
「うーんでもこれ見て下さいよ、どう見てもただペンキをぶちまけてるとしか!」
見えないんだもの!
「でも・・・確かにそうです。
『分からない』で思考停止したら、魔術師として負けですよね。
あの芸術家のアタマの中身を想像して、解析するくらいじゃないと。
うん、勉強になりました、さすが先輩!」
って感心してたら。
もしこれで、この絵画の価値が数万ガメルと言うものだったら、あなた、仲間に恨まれるかもしれませんし」
「えっ」
「あははっ、そうですね!
気を付けます!」
価値を見極めるのも、オレたち魔術師のウデのひとつだもんね。
* * *
今度の扉には、ベティさんも苦労したみたいだ。
鍵を開けるのはうまくいかなかったみたい。
「ん、じゃあオレやりますよ。
そういうこともあります。
罠さえ外してもらえれば、オレでも危なくないですから助かります」
ぱん、ベティさんとハイタッチして交代。
『錠となす魔力よ、我が命に従いて扉を開けよ。【アンロック】』
ホラ開いた。
「随分と手間取っておったな」
アンロックの魔法は、扉も勝手に開ける。
だから、この部屋の主も、それに合わせて声を出せるってわけだ。
う、暗いな。
今度はなんだろう。またアンデッド?
懐から明かりを取り出す。
暗くていいことなんて何もないからね。
「―――!!
マンティコア!」
身体が硬直した。
ぶわっと脂汗が出る。
ゾルグアルグを退治出来たのは、オレの力じゃない。
カスターさん。バルカ兄。シオンさん。アウロラ。(あとバリスタ)。
みんながいたから倒せた相手だ。
サーバントもロクな壁に出来ない強敵。
それも、回復なんか考えないキチガイだから倒せたんだ。
「我が任はレリーフの守護。故に、貴様等を無碍には襲わぬ。
だが、試練を課す事は出来る」
「―――それはありがたいな。
オレはルーイ。
あなたの名を聞いても?」
刹那的だとしても、話が通じる相手なら、話で済ますに越したことはない。
呪いを使う相手に名乗るなんて愚かだけど、これはきっかけだ。
「我、汝らに問う。心して答えよ。
正解すれば、祭壇のレリーフを授けよう」
魔獣は、謎かけをしてきた。
「今度はオレが先に答えるね。
傾向とかが見えるかもしれない。
間違えたらあとはよろしく」
一歩出る。
質問を待つ。
「一つ。其は不要な種もあれば、必要な種もある。
一つ。其は長き短きは個々により、早き遅きは種により異なる。
一つ。其は時として、時を選ばずにやって来る。
一つ。其は世を形造りし力の一柱。
―――其は何ぞ?」
少し考えて、口を開く。
「答えは、眠り。
あなたは睡眠を必要としない。オレたち人間には必要だ。
必要な睡眠時間はひとによって違う。
人間は夜眠り、妖魔は朝眠る。
眠りは魔法や薬による力で、不意に訪れる。
世を形作る力とは精霊。眠りを司る精霊もいるよね」
じわり、と手に汗がにじむ。
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PLより:
一番のりー。
「早き遅き」の部分がううーーん??となるところ。
柱は神の単位なので、「死」の方がそれっぽいかなー、と思ったんですが、ま、トップバッターってことで!
あとアンロックやっちゃいました。
MP19/20 ローエMP1/3
12:21:54 たいまん@る アンロック~ 2d
Dice:2D6[1,5]=6