先陣を切る

ルーイ [2013/05/21 12:06]

壁画を眺めて唸ってたら、先輩が声をかけてきた。

 ところでルーイ、判らないと切り捨てるのは良く在りませんよ。

「うーんでもこれ見て下さいよ、どう見てもただペンキをぶちまけてるとしか!」

見えないんだもの!

「でも・・・確かにそうです。
 『分からない』で思考停止したら、魔術師として負けですよね。
 あの芸術家のアタマの中身を想像して、解析するくらいじゃないと。
 うん、勉強になりました、さすが先輩!」


って感心してたら。

 もしこれで、この絵画の価値が数万ガメルと言うものだったら、あなた、仲間に恨まれるかもしれませんし」

「えっ」

「あははっ、そうですね!
 気を付けます!」


価値を見極めるのも、オレたち魔術師のウデのひとつだもんね。

 

* * *

 

今度の扉には、ベティさんも苦労したみたいだ。
鍵を開けるのはうまくいかなかったみたい。


「ん、じゃあオレやりますよ。
 そういうこともあります。
 罠さえ外してもらえれば、オレでも危なくないですから助かります」

ぱん、ベティさんとハイタッチして交代。


 『錠となす魔力よ、我が命に従いて扉を開けよ。【アンロック】』

 

ホラ開いた。

 

「随分と手間取っておったな」


アンロックの魔法は、扉も勝手に開ける。
だから、この部屋の主も、それに合わせて声を出せるってわけだ。
う、暗いな。
今度はなんだろう。またアンデッド?

懐から明かりを取り出す。
暗くていいことなんて何もないからね。

 

「―――!!
 マンティコア!」

 

身体が硬直した。
ぶわっと脂汗が出る。
ゾルグアルグを退治出来たのは、オレの力じゃない。
カスターさん。バルカ兄。シオンさん。アウロラ。(あとバリスタ)。
みんながいたから倒せた相手だ。
サーバントもロクな壁に出来ない強敵。
それも、回復なんか考えないキチガイだから倒せたんだ。

 

「我が任はレリーフの守護。故に、貴様等を無碍には襲わぬ。
 だが、試練を課す事は出来る」


「―――それはありがたいな。
 オレはルーイ。
 あなたの名を聞いても?」


刹那的だとしても、話が通じる相手なら、話で済ますに越したことはない。
呪いを使う相手に名乗るなんて愚かだけど、これはきっかけだ。


「我、汝らに問う。心して答えよ。
 正解すれば、祭壇のレリーフを授けよう」


魔獣は、謎かけをしてきた。

「今度はオレが先に答えるね。
 傾向とかが見えるかもしれない。
 間違えたらあとはよろしく」


一歩出る。
質問を待つ。


 

「一つ。其は不要な種もあれば、必要な種もある。
 一つ。其は長き短きは個々により、早き遅きは種により異なる。
 一つ。其は時として、時を選ばずにやって来る。
 一つ。其は世を形造りし力の一柱。

 ―――其は何ぞ?」

 

少し考えて、口を開く。

 

「答えは、眠り。

 あなたは睡眠を必要としない。オレたち人間には必要だ。
 必要な睡眠時間はひとによって違う。
 人間は夜眠り、妖魔は朝眠る。
 眠りは魔法や薬による力で、不意に訪れる。
 世を形作る力とは精霊。眠りを司る精霊もいるよね」

 

じわり、と手に汗がにじむ。

 

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PLより:

一番のりー。
「早き遅き」の部分がううーーん??となるところ。
柱は神の単位なので、「死」の方がそれっぽいかなー、と思ったんですが、ま、トップバッターってことで!

あとアンロックやっちゃいました。
MP19/20 ローエMP1/3

12:21:54 たいまん@る アンロック~ 2d Dice:2D6[1,5]=6