愚問

ウード [2013/06/16 22:23]
>「ウード、これはまさか」


こいつはまいった。
タダモノじゃないなんて言葉じゃ到底足りない。


「そのまさかだね、ありゃ『生命なきものの王』だ。
 あれに比べりゃさっきの魔神なんか赤子みたいなもんだな。
 この世界のどっかにいるってのは聞いたことがあったけど、まさか実際にお目にかかる日がくるなんてな...」


ちっ、なんとか撤退しないと。
この魔方陣はまだ動いてるだろうか?それともあの螺旋階段まで行けるか...。

エルとオートを見る。
エルには未来がある。オートにはエルがつまらんことで躓かないように支える役目がある。
俺もふたりとともに行きたいが、この状況じゃちっと甘いか。
全滅しなきゃあ御の字だ。

あの生命なきものの王に俺の剣は通用せんだろけど、足だけはたぶん俺の方が速い。
一呼吸で眼前まで詰めて、体全体で奴の視線を遮る。
そして残った気力をかき集めて気弾を撃ち、その間にエルとオートを退かせる...。

ごくりと唾をのみこむ。

行くか...。
と思ったとき、誰かが通訳してくれた。


>『おおっと、そんなに警戒しなくともよいぞ。
> 皆の者、楽に構えるがよい。余に害意は無いでな...
> そもそも、害意があるならばこんな所に招いたりはせんよ』


「ふう...」


おもわず息がもれる。
ありがたい仰せだけど、王さまの気がかわらんうちに辞去させてもらいたいもんだね。

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>『どうじゃ、我が配下にならんか?』


なんとねえ。


「王さま、退屈しておいでなんですってね。
 そいつはきっと、一緒に歩く仲間がいないからでしょうよ。
 たまにお茶会を開いたり、いっしょにチェスをしたりするような友人がね」


寛大なご主人さまや闇の中での永遠の時なんかより、そっちのほうがずっとだいじさ。


「俺はまだエルやオートや、他のみんなとお天道様の下を歩きたい。
 まだこの旅を終わりにはしたくないんだ。
 だから、申し出は受けられない。受けない」

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PL:
バーン様のお誘いは断ります。ええ断りますとも!
オート、通訳は最後の部分だけでいいのよ!