きくまでもなかろうよ

エレアノール [2013/06/17 00:19]

>「ウード、これはまさか」

 

>「そのまさかだね、ありゃ『生命なきものの王』だ。
> あれに比べりゃさっきの魔神なんか赤子みたいなもんだな。
> この世界のどっかにいるってのは聞いたことがあったけど、まさか実際にお>目にかかる日がくるなんてな...」

 

「そ、そんなにすごい人なの?

  どうしよう・・・」

 

どうすればみんなここから帰れる?

たしか普通の武器は聞かないって話だし・・・

 

 

そうだ!さっき手に入れたこれなら何とかなるかも。

当たるか、そもそもホントに効くかどうか分かんないけれど、このままみんな倒れちゃうよりは・・・!

 

「・・・わたしが何とかする」

 

魔神を貫いた槍を銀の小さな槍に持ち替えて、すこしだけ前に進んだ。

 

「わたしが何とかして、あの人の気をそらす。

だからその間に逃げて」

 

ほんとはすごく怖い。

けれど、だれかがいなくなったりするほうがもっと怖い。

 

 

 

 
>『おおっと、そんなに警戒しなくともよいぞ。
> 皆の者、楽に構えるがよい。余に害意は無いでな...
> そもそも、害意があるならばこんな所に招いたりはせんよ』

 

 

「え?」

 

「はぁ、よ、よかった・・・びっくりした・・・」

 

ほんとに、もうダメかと思った・・・

 

 

 

 

>『どうじゃ、我が配下にならんか?』

 

> 「エル」

 

繋がれた手にきゅっと、すこしだけ力を入れる。 

だいじょうぶだよ、って安心させるみたいに。

 

>『特にルーイの知略とエレアノールの武勇は傑出している!
> 望むならば、余は永遠の生命を与える事が出来る。
> 最高級の魔法具も、魔術の研究室も与えよう。
> どうじゃ、余と共に永遠の時を歩まぬか?』

 

それにしてもびっくり。

こういう人がどこかにはいるって聞いたことあったけど、わたしが誘われたりするなんて考えたことなかった。

 

>「我ら『燕の尾』、武も芸も売りますが、
> 生者としての魂を売る事は致しかねます。『御方』...」

 

 

「オート。もういいよ、ありがとう。

後はわたしが話す。

・・・だいじょうぶ、わたしはどこにも行かないよ」

 

答えなんてはじめから決まってる。

 

 

「えーっと・・・御方さん。

わたしのこと、褒めてくれてありがとう」

 

「でも。わたし、まだやりたいことがいっぱいあるの。

今考えてもぜんぶ思いつかないくらいたくさん」

 

「それに」

 

空いたほうの手でウードの手をにぎって。

 

「わたしにはもう、共に歩く仲間がいるの」

 

ふたりといっしょにいられないのに、

永遠の命なんて貰っても意味がない。

 

 「だから、わたしはあなたとはいっしょには行けません。ごめんなさい」

 

 

-PL-

私は人間をやめないぞ!オートーー!!(

 という訳でお断りします(`・ω・´)