正魔術師として
オート・メララ
[2013/06/22 18:28]
あの不思議な遺跡の冒険が終わって、オランに帰ってからしばらくして...
私は無事、古代語魔術第三階位を修める事に成功したのだった。
「では、失礼します」
導師の目の前で、ひと通りの魔術を行使し、
魔術に対する心得や知識を試され、ついに試験が終わる。
少年時代に学院を落第して以来、私はこの手の『誰かに試される』というのが
大の苦手で、ようやく手にした学院の刻印入りスタッフに汗を滲ませながらの退出であった。
「きっと架空の絵図だと思ったろうなぁ」
『擬態』や『変装』に続く第三の幻術の魔法、『幻影』を行使して見せるにあたって
私が選んだ題材はあの魔神との戦いだった。
シオンの刺突剣"白騎士"が、盾を投げ捨てたウードの剣が魔神を怯ませ、
そこに疾風の如く踏み込んだエレアノールの長槍が魔神を磔にし、
魔神の持つ、物質界での仮初の肉体が消え失せ、
後には槍だけが残った...
その場面までを描き出したのだ。
「魔術以上の不可思議もあるのですよ、導師殿。
くくく」
誰にも聞こえぬよう、研究室のドアを振り返りながら
私はそう、小声で呟いたのだった。
あの光景が本当にあった出来事なのだと、
スワローテイルと、そしてシオンだけが知っている。
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さて、第三階位を修めたからには、やらねばならぬ事がある。
使い魔との契約だ。
召喚術の触媒にと、普段から世話をしている野良猫の毛を引きぬいてから
私は自分の部屋に戻る。
私は猫が好きだ。
だが好きだからこそ、いつか使い魔を得る時には
猫は選ぶまいと思っていた。
冒険の中で、自分の愛する者が傷つくなど、
想像したくもなかったからだ。
だが...
「タビー。これからずっと、
私と一緒にいれくれるか?」
...だが、好きだから遠ざけるという考えは、前回の冒険で私がエルに取った
態度を連想させた。それは人の自由や責任感を隠れ蓑にした、
ただの偽善、私の中の女々しさの発露そのものではなかったのか。
あの時ウードが怒気をはらんで呟いた言葉の行先は、
あれはお頭だけでなく、私に対してでもあった...そんな気がするのだ。
「悪いが、お前で練習させてくれ。
きっと守ってやるから、さ」
愛するものを手元に置こうとする我儘と、
手元に招くからには守ってやりたいという願いと。
そんな気持ちを込めて、私は野良猫タビーを召喚したのだった。
「私かお前に何かあるまで、これで一心同体だ。
私と...いや、私たちと一緒に戦ってくれ。
タビー」
ウードと並び立つために、
エレアノールを守るために。
この子の名付け親の、大鷲の少年に語りかけるつもりで
私はタビーを膝に乗せたのだった。
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そうして、また再びの日常で。
私は学院の図書館から借りだした本の山を、ミノタウロス亭のテーブルに
積み上げていた。件の正体不明が何者だったのかを暴こうというのだ。
だが...
「ああー、さっぱり分からん。
モヤ状の魔物なんていくらでも居るじゃないか」
まさに雲をつかむような話である。
エレアノールを襲ったあの怪物が、いや、そもそも本当に生命ある怪物なのかも
分からぬ『アレ』が一体何なのか。私は結局、調べることは出来なかった。
ウードに負けるならいつものことだが、最近の私はエレアノールにすら
とっさの知識で先んじられる事が増えてきている。
もっと頑張らねば、と発奮しての追調査だったのになぁ...トホホ。
「ウード、エレアノール!
二人共手伝ってくれよ。 私と...」
「私とタビーだけじゃさっぱり分からん」
図鑑を開いて調べにあたる私の膝には、
『そんなモノよりわたしを見てよ』と落ち着かない、
私の使い魔・タビーが鎮座しているのだった。
タビーが、ニャンと鳴いた。
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-PLスキュラ-
やり残したことを消化!
・ファミリアを使用、『黒猫』を得る。
18:16:32 スキュラ@オート ファミリアー 2d6 Dice:2D6[1,2]=3
・判定に失敗したモンスターの追調査。
18:17:13 スキュラ@オート ギズモの図書館調査 2d6+3 Dice:2D6[2,6]+3=11
18:43:06 スキュラ@オート オブシディアンドッグの図書館 2d6+3 Dice:2D6[2,6]+3=11
・メイジスタッフ(10)を購入。
-200G