ラーダ神殿

GM [2013/06/19 07:06]

ガラフはこの日、ラーダ神殿の礼拝堂に向かった。
それは夜中だった。


ガラフはこのシチュエーションに覚えがある。
深夜の礼拝堂にいたのはヘリオン。


細身の半妖精はゆっくりと振り向くとガラフを見つけ、挨拶がてら会話を少ししたいと申し出た。


「ガラフ神官。
 ご無沙汰しております・・・。
 
 冒険者としてご活躍されていることは僕も聞き及んでいます。
 お忙しいでしょう。
 星王の幸が多くありますよう」


と前置いたあと、


「ガラフ神官は御存知ですか。
 ・・・いえ、失礼を申しました。
 
 ・・・・・・。
 最近、僕の中で気にかかることがあります・・・。
 今夜もそのことについて考えていました。
 
 ファリス神の懐にいる者達の間に伝わる"終末神話"についてです。
 なぜ終末神話は、ファリス神殿に伝わったか・・・。
 
 僕はそれが、運命の役割に思えました。
 我らが星王ラーダの信徒は、その伝えについてどう取り組むのか試されていたのではないかと。

 すみません。今、僕は、この場所で不謹慎を口にしてしまいました・・・。

 この神殿に仕える者として自覚を得たくなったのです。
 出すぎた考えです」


そう言って、ヘリオンは黙った。



―――――――――――――――――――――――――――
GMより:

ガラフの導入はこちら!
ちょっとぶっ飛んじゃっていますが、
なんてことのないプロローグだと思ってください(笑)

ガラフは夜、ラーダ神殿の礼拝堂でヘリオンと二人きりでいます。
少しの会話をしてあげてください。

細かい設定はお好きにしちゃってください!

☆こちらへの返信は『ラーダ神殿』にのみチェックをいれてください

ガラフ [2013/06/20 11:45]
ルーイン子爵の迷宮の2度目の探索も無事生還を果たし、
久しぶりの日常を味わう。

【首無騎士】との死闘、【南瓜頭】殲滅戦、と激戦に次ぐ激戦。
身も心も疲れ果てていた。
そんな折、嬉しい再会を果たした。

***********************************

「ガラフ神官。
 ご無沙汰しております・・・。
 
 冒険者としてご活躍されていることは僕も聞き及んでいます。
 お忙しいでしょう。
 星王の幸が多くありますよう」

「ヘリオンよ、随分とたくましくなったな。
 こうして直接会うのは1年と半年振りか...
 故郷の子ども達は元気にしておるかな?」

深夜の礼拝堂で落ち合ったのは、ヘリオン・イーグレッツ。
半妖精の古代語魔術師にして星王の使徒。
2年前、この場所で迷える彼と此の場所で対話をした。
あの夜の事は今でも思い出す。

「お前も研究調査で成果を上げているようだな。
 ワシの耳にも届いておるよ。頑張っておるな」

ジョージの店の顔見知りが、何人かヘリオンの依頼を受けている。
人伝いだが、活躍を聞くと嬉しいものだ。

「ワシも色々とあったよ。本当に色々とな...
 全てを語るは無粋。最近作った歌じゃが、聞いてくれるか?」

いつぞやの夜のように持参した酒をヘリオンに放る。

「吟遊詩人の端くれたるガラフが、
 知己たるヘリオン・イーグレッツに今宵捧げまするは、
 【南瓜無双】と【丘の上の愚者】...」

"ロンウェーの森深く、不死の魔物に呪われし沼有りき
 沼の主は【南瓜頭】、討てども討てども滅ぶを知らず
 生命の或るは逃げ惑い、悲鳴が闇に木霊する―――"

"されど案ずるべからず、光の神々は民を見捨てず
 挑むは星王の【退魔師】、打てども撃てども倒るるを知らず
 正義の意思が光輝き、不浄なる者は浄化される―――"

"来る日も来る日も、丘の上で独り
 薄ら笑いを浮かべた男は、微動だにしない
 誰も興味を示さずに、誰もが男を馬鹿呼ばわり
 男も何も答えない―――"

"だが、丘の上の愚者は
 沈む太陽を眺めながら
 大きく開いた心の瞳で
 回る世界を見つめている―――"

***********************************

歌と演奏が終わり、ひとしきりした後、
不意にヘリオンが気になる事を話し始めた。

「ガラフ神官は御存知ですか。
 ・・・いえ、失礼を申しました。
 
 ・・・・・・。
 最近、僕の中で気にかかることがあります・・・。
 今夜もそのことについて考えていました。
 
 ファリス神の懐にいる者達の間に伝わる"終末神話"についてです。
 なぜ終末神話は、ファリス神殿に伝わったか・・・。
 
 僕はそれが、運命の役割に思えました。
 我らが星王ラーダの信徒は、
 その伝えについてどう取り組むのか試されていたのではないかと。

 すみません。今、僕は、この場所で不謹慎を口にしてしまいました・・・。

 この神殿に仕える者として自覚を得たくなったのです。
 出すぎた考えです」

「至高神の信徒に伝わる終末神話、とな...?」

頭を捻って自分の知識に引っかかるものが無いか探してみる。

「何か事情があったのだろう、ヘリオンよ」

でなければこの聡明な若者がわざわざ自分の元など訪れないだろう。

「お前が思い悩む事について、少しかも知れぬが協力出来るかも知れん。
 じゃから、順を追って説明してくれんか?」
 
彼の悩みには何か深遠なものを感じる。
そう、この世界の根幹に関わるような何かが...

===================================

【ステータス】

HP22/22 MP23/24 インスピ:未使用 体調:健康 
支援魔法:無し

【装備品】

武器1=銀製最高品質モール【精霊鎚】(必要筋力26-5):
    攻撃力 7 打撃力16 Cr値36 追加D 7
武器2=銀製ハンドアクス【フューネラルアクス】(必要筋力11):
    攻撃力 6 打撃力16 Cr値11 追加D 7
武器3=銀製高品質ダガー【シルバームーン】(必要筋力5-2):
    攻撃力 6 打撃力 5 Cr値10 追加D 7
武器4=最高品質ロングボウ【ラク・ダーレィ】(必要筋力26-5)
    攻撃力 6 打撃力31 Cr値10 追加D 7

盾=なし:回避力 5
盾=銀製スモールシールド【ランパート】(必要筋力1):回避力 6

鎧=最高品質ラメラー・アーマー【ガレスの鎧】(必要筋力22-5):
  防御力27 D減少 4

その他=ジュリアンのリュート

【消耗品管理】

矢19 銀の矢24 
魔晶石3・3・1・1 暗晶石3・2・1・1
保存食42 羊皮紙17 松明6 ロープ30m くさび30個

【PLより】

遅くなりましたが宜しくお願いします!
ヘリオン君と接する機会は立場上出来なかっただけに嬉しい計らい!
GM、有難うございます!

取り敢えず、「出来る範囲で協力したいから、事情を話してくれる?」
と頼られた先輩的フォローに回ります。
現時点では、細かい突っ込みは入れません。へっくんのレス次第かな!

一応、終末神話について<知識>判定振りました。達成値は15。

【ダイスチャットからの添付】

11:29:13 テッピン@ガラフ 歌唱【南瓜無双】 2d6+8 Dice:2D6[1,6]+8=15
11:29:27 テッピン@ガラフ 楽器演奏【南瓜無双】 2d6+6 Dice:2D6[5,3]+6=14
11:29:41 テッピン@ガラフ 歌唱【丘の上の愚者】 2d6+8 Dice:2D6[3,6]+8=17
11:29:58 テッピン@ガラフ 楽器演奏【丘の上の愚者】 2d6+6 Dice:2D6[4,1]+6=11
11:30:33 テッピン@ガラフ 恒例《インスピ》 2d6 Dice:2D6[2,5]=7
11:37:41 テッピン@ガラフ <知識>終末神話 2d6+6 Dice:2D6[4,5]+6=15
11:37:51 テッピン@ガラフ おお、結構いけるのでは?
GM [2013/06/21 03:59]

ヘリオンはガラフから放たれた瓶を慌てたように両手で受けとると、
礼と歌に期待する言葉を述べ、祭壇近くの椅子に腰を下ろした。



"ロンウェーの森深く、不死の魔物に呪われし沼有りき
 沼の主は【南瓜頭】、討てども討てども滅ぶを知らず
 生命の或るは逃げ惑い、悲鳴が闇に木霊する―――"

        ・
        ・
        ・

"だが、丘の上の愚者は
 沈む太陽を眺めながら
 大きく開いた心の瞳で
 回る世界を見つめている―――"



歌が終わり、ヘリオンは手を上げて拍手する。


「さすがのご経験からくる詩曲には、迫力と説得力を感じました。
 僕は今・・・至極の思いです」


そう言い一呼吸の余韻のあと、ゆっくりと瓶に口をつけた。



          ---------------



>「至高神の信徒に伝わる終末神話、とな...?」


「はい・・・」


ガラフはヘリオンがいう"終末神話"について、思い当たることがある。


至高神ファリスの神殿には、ひとつの終末神話が伝えられていた。
それは、終末の巨人の誕生により、世界は滅亡するというものであった。
世界は始原の巨人の死によって始まり、終末の巨人の誕生を以って終焉するという。
終末の巨人は始原の巨人の生まれ変わりであり、この終末の巨人が新たなる始原の巨人として、次の世界の誕生まで永劫の時間を生きつづけるというのだ。


>「何か事情があったのだろう、ヘリオンよ」

>「お前が思い悩む事について、少しかも知れぬが協力出来るかも知れん。
> じゃから、順を追って説明してくれんか?」


「ありがとうございます。
 では・・・取り留めもないことかもしれませんが・・・。
 ガラフ神官も御存知の通り、僕は古代魔術の師に育てられ、縁深くあります」


ラーダに仕える者の中には魔術を学ぶ者も多い。
または、魔術を学ぶ者にラーダの声がよく届くのかもしれないが。


「その終末神話がたとえ今となっては不要の知識だとしても、
 古代語に繋がる知識である限り、僕は真剣に学びたいと思ったのです。
 知識は歴史の中にある・・・そういう、ラーダの信徒としても。
 調べました。すると疑問にあたり、ひらめきが浮かび上がってしまったのです」


「その終末伝説は古代において、ファリス信徒の間に広がった・・・。
 ファリス神が説かれるのは法です。法は秩序・・・それは流れるように連続した根拠のことではないでしょうか。
 根拠なき"噂"を、ファリスの信徒は受け入れるでしょうか・・・?
 それは古代だったからという"時代のせい"だとは僕には思えません。
 
 世界はいつか滅びる。そのような人の志気を削ぐ伝えが広まらないことはわかります。
 だとしても、ファリス信徒以外にそれを知った者達は、どういう態度を示したのでしょう?
 
 僕は、もし実際その伝えを聞いたとき嘲るようなことはしないでしょう。
 むしろ終末神話は、ファリス神が受けた、運命からの神託のような気がするのです。
 
 記録――歴史の神でもあるラーダは、どうお考えになられたのか。
 そしてその時代、ラーダの信徒はどういう意識の流れの中にいたのか」


「真理を追い求めるラーダの信徒が、"終末神話"について深く考えず軽んじていたとは思いたくないのです。・・・これはきっと、僕のエゴイズムでそう感じるのでしょうが・・・」


自分のローブの胸元を掴んで語っていたヘリオンだが、一呼吸置いたあとゆっくりと手を下ろしてガラフを見た。


「ガラフ神官。
 いつかたくさんの冒険の中で、僕の疑問に当てはまるような事柄を発見した時、是非、お教え下さいますか」


その顔はとても澄んでいて、表情はなかった。



―――――――――――――――――――――――――――
GMより:

本文中の終末神話につきましては、ワールドガイドp.17の記述をまるっと写しました!

もんもんと濃ゆいお話しを繰り広げるヘリオンくんです。
具体的な話というよりまるで、お悩み相談のような形です。


☆ひき続きこちらへの返信は『ラーダ神殿』にのみチェックをいれてください

ガラフ [2013/06/22 00:38]
「...思い出した。そう言えば、以前そんな文献を読んだ事があったの」

終末の巨人は今ある世界を滅ぼした後、新たな世界の始源の巨人となる。
どうにも眉唾な説だと、流してしまったが故になかなか思い出せなかったのだ。

「その終末神話がたとえ今となっては不要の知識だとしても、
 古代語に繋がる知識である限り、僕は真剣に学びたいと思ったのです。
 知識は歴史の中にある・・・そういう、ラーダの信徒としても。
 調べました。すると疑問にあたり、ひらめきが浮かび上がってしまったのです」

「成る程。調べていたのだな...
 して、どのような霊感が降りたのだ?」

ヘリオンは好奇心と向学心に溢れる聡明な若者だ。
そんな彼の閃き、大いに関心が沸く。

「その終末伝説は古代において、ファリス信徒の間に広がった・・・。
 ファリス神が説かれるのは法です。法は秩序・・・
 それは流れるように連続した根拠のことではないでしょうか。
 根拠なき"噂"を、ファリスの信徒は受け入れるでしょうか・・・?
 それは古代だったからという"時代のせい"だとは僕には思えません。
 
 世界はいつか滅びる。
 そのような人の志気を削ぐ伝えが広まらないことはわかります。
 だとしても、ファリス信徒以外にそれを知った者達は、
 どういう態度を示したのでしょう?
 
 僕は、もし実際その伝えを聞いたとき嘲るようなことはしないでしょう。
 むしろ終末神話は、ファリス神が受けた、
 運命からの神託のような気がするのです。
 
 記録――歴史の神でもあるラーダは、どうお考えになられたのか。
 そしてその時代、ラーダの信徒はどういう意識の流れの中にいたのか」

ヘリオンは淀みなく話を続ける。
こう言う時の彼は、正しくラーダが乗り移ったが如く、だ。

「真理を追い求めるラーダの信徒が、
 "終末神話"について深く考えず軽んじていたとは思いたくないのです。
 ・・・これはきっと、僕のエゴイズムでそう感じるのでしょうが・・・」

「確かに。星王の信徒がどう言う立場で終末神話に対していたか。
 傍観をしていたとは思い難いものがあるのう...」

明確な根拠など勿論無い。だが、何か秘匿されたものを感じるのだ。
そう思える位、ヘリオンの言には理がある。

「ガラフ神官。
 いつかたくさんの冒険の中で、
 僕の疑問に当てはまるような事柄を発見した時、是非、お教え下さいますか」

「無論。その時には、一番にお前に教えるよ」

頷く。

「ああ...そう言えば少し前に変わった遺跡を探索したのう。
 色々あって踏破は叶わなかったが、今思えばかなり怪しい遺跡じゃ」

レックスの"死城"について、急に閃くものがあった。

「レックスの中に展開される"磁場"に隠された遺跡じゃ。
 中には始源の巨人と6大神になぞらえた中庭が作られていたよ。
 頭に位置する"ラーダの間"から地下神殿に転送されたのじゃ...」

尤も、すぐに追い出されたがの、と苦笑する。

「あの時に記録した地図もあるぞ。
 どうじゃ、せっかくだから見て見るか?」

せっかくの機会だ。ヘリオンの好奇心を満たしてやるのも悪く無いだろう。

===================================

【ステータス】

HP22/22 MP23/24 インスピ:未使用 体調:健康 
支援魔法:無し

【装備品】

武器1=銀製最高品質モール【精霊鎚】(必要筋力26-5):
    攻撃力 7 打撃力16 Cr値36 追加D 7
武器2=銀製ハンドアクス【フューネラルアクス】(必要筋力11):
    攻撃力 6 打撃力16 Cr値11 追加D 7
武器3=銀製高品質ダガー【シルバームーン】(必要筋力5-2):
    攻撃力 6 打撃力 5 Cr値10 追加D 7
武器4=最高品質ロングボウ【ラク・ダーレィ】(必要筋力26-5)
    攻撃力 6 打撃力31 Cr値10 追加D 7

盾=なし:回避力 5
盾=銀製スモールシールド【ランパート】(必要筋力1):回避力 6

鎧=最高品質ラメラー・アーマー【ガレスの鎧】(必要筋力22-5):
  防御力27 D減少 4

その他=ジュリアンのリュート

【消耗品管理】

矢19 銀の矢24 
魔晶石3・3・1・1 暗晶石3・2・1・1
保存食42 羊皮紙17 松明6 ロープ30m くさび30個

【PLより】

長くなりましたが、ヘリオンに"死城"での体験を話します。
そして"死城"の地図を見るかい?と誘います。

きっと、こういう流れでいい筈だ...!

【ダイスチャットからの添付】

今回は無し!
GM [2013/06/23 08:41]

>「無論。その時には、一番にお前に教えるよ」


その言葉に、線の細い神官は目を瞑って礼を述べた。


それから、ガラフが取り出した地図を覗く。


「始源の巨人と6大神になぞらえた中庭、ですか・・・。
 これは、なんと・・・。
 古代人が、神々から賜った力―――魔術をふるうことに対して、何らかの考えを持っていたということを掴めるかもしれません。
 
 これは、中庭ですか?
 さらに深部に入り込むには・・・」


ヘリオンの瞳が輝いた。


「ガラフ神官。
 僕はこの場所を、調べたい。
 
 丁度明日、僕は暇を頂いております。
 ・・・実際にこちらへ赴くための事前準備を兼ね、冒険者の宿へ一旦参りたいのですが、ご同伴いただけますでしょうか」


今夜はすでに、草木も眠っている。



―――――――――――――――――――――――――――
GMより:

ミノ亭合流前です(笑)

ヘリオンくんはガラフに地図を見せられ、ここいきたーい!といいました。
久しぶりの冒険になるとのことで、勘を取り戻すためにも冒険者の宿の雰囲気にまず慣れたいと申し出ました。

一行で、テッピンさんからもミノ亭に行きたいとありましたので(笑)
このシーンはここで一旦区切ります。

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